CTIシステムとは?機能や種類、導入メリットをご紹介!
テレマーケティングって何?CTIシステムは大企業じゃないからうちには無用なんて思っていませんか? 売上向上のための有効な方法として一層注目されるようになったテレマーケティング。 本稿では、オフィスでもテレワークでも出来るテレマーケティングの成功のコツ、業務のすべてを見える化するポイント、基礎知識やをご紹介していきます。
CTIシステムとは
『CTIシステム』とは?『PBX』とは?
日常生活ではあまり聞き馴染みのない「CTIシステム」と「PBX」ですが、この両者はどちらも私たちの生活の中で非常に重要な役割を担っています。
まず、CTIシステムとは「Computer Telephony Integration」の略称からきており、これまで目覚ましい進歩を遂げてきたコンピュータと電話のどちらのシステム技術をも統合することを実現したコールセンターシステムのことを指します。
一方、PBXとは「Private Branch Exchange」の略称で、和訳では「構内交換機」となります。
構内交換とは内線通話を意味していることから、つまり内線電話機能を提供するシステムがPBXということになり、CTIの一部を構成しているものの1つがPBXです。
CTIシステムを導入することで、電話応対の効率化や、品質の向上に役立てることができます。CTIは大企業や数十人体制のコールセンターが用意されている企業のみならず、中小企業でも導入されているシステムです。
CTIは、コンピューターと連携する技術ですが、コールセンターシステムと混同しやすいです。
現在、CTIはコールセンターシステムと一体となって提供されていることも多く、サービスを導入する上で明確に区別する必要もなくなってきています。システムの導入を検討されている方は念のため知っておきましょう。
コールセンターシステムとは、ACDやIVRなどの機能をいいます。名前の通り、コールセンターの業務効率化や、生産性の向上を図れるシステムです。
ACDとは
ACDはAutomatic Call Distributionの略で、入電情報や問い合わせによって適切なオペレーターに振り分けることができる機能です。空いているオペレーターに自動でつなぐなど業務時間の短縮につながります。ほかにもリングオールといった、電話があった際に、すべてのオペレーターに電話が鳴るようにする機能などがあります。
IVRとは
IVRはInteractive Voice Responseの略で、自動音声応答システムと呼ばれています。たとえば電話をしたとき「電話が大変込み合っております。お時間をおいておかけ直しください」といった音声が流れてきたことはありませんか。
これはIVRの機能を用いて、顧客に案内を送っています。ただ単に不通になると、顧客などの電話をかけた側も、電話番号があっているのかなど心配になります。
しかしIVRがあれば、最低でも「つながらない」という印象は避けられるでしょう。IVRは顧客体験、満足度にも影響が大きいのです。
ほかにも電話したときに、番号を押すことを求められることがあると思います。たとえば、製品に対するお問い合わせは1を、それ以外の方は2をといった具合です。これらはIVRの機能を利用しています。IVRは身近に活用されていますね。
CTIはACDやIVRなどのコールセンターシステムをコンピューターに連携する技術です。CTIは、コールセンターシステムのように業務の効率化をする機能ではありません。
要するに、CTIはコンピューターと連携するための「技術」、コールセンターシステムのACDやIVRは「機能」と区別すると覚えやすいでしょう。
CTIを用いることで、コンピューターにつながれているため、電話の受話器ではなく、コンピューターにつないだイヤホンで会話をすることができるようになります。
さらにCRMという機能と連携すると、CTIはより効果を発揮します。CRMはCustomer Relationship Managementの略で、顧客を管理する機能です。電話があった電話番号から顧客情報と紐づけ、顧客情報を確認しながら電話応対ができるようになります。
CTIの機能
CTIはコールセンターシステムと同様のものと考えられがちですが、厳密には違います。しかし、CTIの技術を使用しないと効果を発揮しない機能も多くあるため、CTIの機能として使用頻度が高いと考えられるものからご紹介します。
CRM連携
1つ目は、CRM連携です。CRMを連携すると、顧客情報を一元化して把握することができます。また、コンピューターの画面上にポップアップ機能で電話番号から顧客の取引履歴などを表示させることができます。
会社にかかってくる電話は、取引先からの電話であったり、新規営業の電話であったり、さまざまですよね。
CRM連携していれば、オペレーターは取引先などから電話がかかってきた場合でも顧客の情報をすぐに把握することができます。
つまり、電話越しに顧客を待たせるといったことがなくなります。よって顧客もスムーズに話を進めることができ、顧客満足度の向上につながるでしょう。
通話録音
2つ目は、通話録音連携です。同じ相手から複数回電話がかかってくることは当然ありますよね。前回通話した録音データをCRMに登録した顧客管理の履歴と紐づけることが可能です。
オペレーターが別であって過去に話した内容や、どういったかたちで終話したか確認できるため、オペレーターが過去の履歴をもとに会話をすることができるようになります。
また着信履歴をリスト化して後ほどフォローしたり、担当者が不在の場合に、戻り時間を聞けた際に折り返し電話できる時間を設定したりできるものもあります。
レポート機能
3つ目が、レポート機能です。受電や折り返しを行った電話に関するさまざまなレポートを簡単に作成することができます。
1日の業務終了後に架電数や受電数の管理を行うことができ、各オペレーターの受電数の偏りなどを減らすことができます。
業務形態は後述しますが、アウトバウンド型でコールセンターを利用する場合、オペレーターによって架電の件数やアポイント数が変動します。
1日に取れるアポイント数を架電件数から逆算し、ある程度アポイント数の目安を立てることも可能です。時間帯によってアポイント数が変動する場合には、その時間に集中して架電数を増やすなどの対策を練ることもできます。
稼働状況のモニタリング
4つ目は、稼働状況のモニタリング機能です。会社として運営するコールセンター全体の状況を可視化することができます。通話数はもちろん、待ち呼数などの数値も確認でき、一人当たりの電話時間なども把握できます。
電話制御機能
5つ目が、電話制御機能です。一人のオペレーターに集中しないように複数のオペレーターに均等に電話を振り分けることができます。
カスタマーセンターで特定のオペレーターに電話が集中することを防ぎ、コールセンター内の不平等感を減らすことに役立ちます。
また、製品によってはクレーマーなどの対応はコールセンター業務に慣れているオペレーターが対応できるようにするなど、設定を組めるものもあります。
一方で新入社員に電話を数多くとってもらうように設定することも可能です。状況に応じて電話制御機能を使い分けることで、社内のコールセンターの品質を向上させることができると思います。
【提供形態別】CTIシステムの種類
CTIシステムにはオンプレミス型とクラウド型の2種類があります。どちらにもメリットデメリットがあるため、簡単に触れながら、提供形態を説明します。
オンプレミス型
オンプレミス型は、自社内のサーバを使い、システムを構築するものです。導入するときに時間と費用がかかります。
自社用にカスタマイズが可能で、既にCRMなどで顧客管理をしている場合に柔軟に対応できます。導入後は、自社内で保守管理していくだけで済むため、金銭的な負担は少ないです。
他のものにたとえると、物件を一括で購入するイメージです。購入にはおおよそ10万円~の費用が掛かりますが、購入後は定期的なメンテナンス費用でのみ続けることができます。
クラウド型
クラウド型は、外部の企業にインターネット環境でアクセスし、サーバを利用するものです。自社でサーバを用意する必要がないため、導入費用を抑えることができます。また、契約して設定を行えば数日で使用できるものもあるため、導入までの時間もかかりません。
近年は、テレワークなども推奨されていますが、インターネット環境があれば使用できるため、自宅であっても問題ないのも特徴です。
サーバが他社で運用されていることから、自社専用に機能をカスタマイズしにくいといったデメリットもあります。しかし、CRMの連携などは、もともと連携していたものに対応しているサービスを選ぶことで問題は解決されます。
クラウド型であるがゆえ、不安視されたセキュリティ面もサービスによっては安心して使用できるものも多いです。
オンプレミス型が物件を購入とすれば、クラウド型は賃貸契約というとイメージしやすいでしょう。
クラウド型を導入する際はサブスクリプション契約がほとんどです。毎月1万円~のコストは発生しますが、導入時に大きな費用は発生しません。導入して自社に合わない場合などは、ほかのサービスに切り替えることもできます。
【業務形態別】CTIシステムの種類
CTIシステムにも2種類あります。
インバウンド型:受付業務が中心の会社向け
インバウンド型は、コールセンターなどの電話受付業務に適しています。
基本的に電話を受けることが多くなるため、限られた人数で効率的に電話応対するシステムが必要になります。
インバウンド型は、CRMと連携させ、ポップアップで顧客の情報を管理できる機能をつけると効率的です。
アウトバウンド型:架電業務の多い会社向け
アウトバウンド型は、電話営業などを行う企業に適しています。近年はWebサイト広告やウェビナーなど、さまざまな集客の方法はありますが、電話営業を行っている企業も多いでしょう。
アウトバウンド型のシステムでは、効率的に電話営業を行えるようにオートコール機能があると便利です。
架電リストを登録し、切電すると自動的に次のリストに電話がかかる仕組みです。電話営業は質も大切ですが、量をこなすことが必要です。
また、プログレッシブコールという機能を使用すると業務の効率化に役立てることができます。相手企業の待機しているオペレーター数に対して発信倍率を設定し、自動的に架電する機能です。
複数回架電を行っているリストの場合や、つながりにくいリストでプログレッシブコールを使うと、リストを早く消化できます。不在率が高いリストには、プレディクティブコールを使用することがおすすめです。一定の通話時間が経った後、自動的に架電ができます。
いずれにせよ発信には通話料が必要になるため、何秒単位で課金制度を設けているかはサービスを導入する前に確認するといいでしょう。1秒単位で課金制度を採用しているものもあります。
企業に電話すると、不在で担当に取り次いでもらえないことも多々あります。自社の電話営業の架電先や、電話数などを計算して導入するサービスを決めることをおすすめします。
CTIシステムの選び方
CTIシステムの選び方は、上記で紹介した業務形態や提供形態で絞ることができます。それでもサービスは数多くの種類があるため、選び方をいくつかご紹介します。
まず、CRMとの連携は重要です。自社で顧客を管理しているものが、CTIシステムで導入できないと、サービスを導入することが2度手間になってしまいます。
顧客管理も新調するのも一つの手段ではありますが、作業の手間を減らすためにも既存のCRMと連携するものを選ぶといいでしょう。
またセキュリティ面も大切です。顧客情報を扱ううえで、自社ではないサーバを使用することは、リスクを伴います。データセンタの管理体制や、万が一の際のサポート体制を確認しておきましょう。念のため、これまでにセキュリティ侵害などがないかもチェックしておくと安心して導入できるでしょう。
さらに、ITに詳しい社員がいないなど、自社だけでサービスを使用することが不安な場合は、サポート体制が充実しているサービスを選ぶことがおすすめです。
操作方法はもちろん、何かあった際のトラブル対応も行ってくれるサービスを選びましょう。複数のサービスを比較し、質問に対する返答が早い企業はトラブルがあった際にも誠実に対応してくれる可能性が高いといえます。
CTIシステムを導入するメリット
CTIシステムを導入するメリットを3つご紹介します。コールセンターでCTIシステムを導入するか悩んでいる方は参考にしてみてください。
電話応対が効率化し、生産性向上につながる
1つ目は、電話応対が効率化することです。たとえば、CRMを連携していないことを考えると想像しやすいかもしれません。
取引先の顧客から2回目の電話がかかってきたことをイメージしてください。1回目と違うオペレーターが対応した場合、電話越しに取引先の名前を聞き、どんな要件か改めて確認し、前回対応したオペレーターに確認を取って電話対応をすることになります。
内容の確認に数分、待ち時間にも数分かかることを想定すると、時間がもったいなく感じてしまうこともあるでしょう。
CRMを連携したCTIシステムを使用することで、顧客情報のデータベースを照合したポップアップを表示させることができます。つまり、顧客情報を探す手間や確認などの非効率的な作業がなくなります。
着信があった際に待機しているオペレーターに電話をつなぐことができる自動配分機能も生産性向上に効果的ですが、この機能もCRMがあってこその機能といえるでしょう。
また、一社で複数の製品を取り扱っている場合、製品に関する習熟度がオペレーターによって異なることがあるかもしれません。電話振り分け機能を使うことで、習熟度の高いオペレーターに優先的に電話を振り分けることが可能です。
わからない質問を上席に確認するといった時間が削減できるため、一人当たりの応答できる電話の量も増えるはずです。
会社によって状況は異なるため、工夫しながら最適解を見つけていきましょう。
顧客体験の向上にともない顧客満足度が上がる
2つ目は、顧客満足度が上がることです。CRMを連携したCTIを用いることで、テンプレートの応対ではなく、顧客に合わせた応対ができるようになります。顧客側の視点に立って考えてみても、同じことを複数回伝えるのは面倒です。
顧客側も会社で情報伝達がしっかりしていると感じると、その会社に対する信頼が増すでしょう。CTIシステムは、オペレーターにも顧客にもメリットになります。まさに一石二鳥のシステムです。
オペレーター一人ひとりの状況を把握しやすくなる
3つ目は、オペレーターの評価に役立つことです。CTIシステムの中にはレポート機能が搭載されている製品もあります。
レポート機能を確認することで、通話時間や後処理時間などの情報を把握することができます。オペレーターに毎日、もしくは毎週のレポート確認を定期づけて、自身で改善を促すことができます。
また、管理者にとっては、オペレーターのレポート機能を確認することによって、各オペレーターの仕事状況がわかります。
電話対応の評価は定性的になりやすいです。声質や話すスピードも重要ですが、通話時間など定量的に評価できるものも有効活用していきましょう。
CTIを導入すべきケースとは?
コールセンターや事務などで電話対応をしている方に向けて、CTIを導入するべきケースをご紹介します。
応答率が低い場合
まず、応答率が低い企業はCTIを導入することで改善が見込めます。応答率とは、主にインバウンド型のコールセンターなどで入電に対する応答ができた割合のことです。
応答率が低い理由は、オペレーターの人手不足や、顧客情報の管理体制が考えられます。CTIを用いてオペレーターの稼働状況を把握し、原因と対策を考えましょう。
ACDだけでなく、IVRを使ったフローの整備も役立ちます。事前に顧客の知りたい大まかな内容がわかるため、業務の効率化につなげることができます。
入電時や電話応対に問題がある場合もCTIが役立ちます。入電をオペレーターに振り分けるといった機能や、応対の内容をモニタリングできる機能もあり、オペレーターの応対改善にも役立てることができます。
入電時や電話応対の品質を向上させていきたいと考えている方にとっては、役に立つ機能が多く、CTI導入の効果を大いに感じられるはずです。
テレワークなどで業務を行う場合
近年は、新型コロナウイルスの影響により、テレワークなどで業務を行うことも珍しくありません。クラウド型のサービスが普及したことにより、全国どこにいてもインターネット回線があれば在宅でのコールセンター業務が可能になりました。
アウトバウンド型の電話営業を行う企業であれば、CTIを導入すれば在宅ワーカーを活用してコールセンターチームを運営することもできます。
CTIを導入すれば、顧客リストへの不必要な複数回にわたる架電を防ぐことが可能です。また、顧客リストに電話してみてどうだったのかをCTIを用いて管理すれば、必要な再架電のときに役立てることができるでしょう。
さらに管理者が在宅ワーカーの稼働状況を確認することができます。時給制の場合、目による監視ができないため、業務を怠ってしまう人もいるかもしれません。
CTIを導入することで管理者による在宅ワーカーの管理も容易になります。在宅ワーカーを活用する企業などではCTIの導入は必要不可欠といっても過言ではありません。
また、テレワークなどの普及に伴うオフィス移転や、事業拡大に伴う複数拠点化においてもCTIを導入する価値があります。
クラウド型のCTIに限定されてしまいますが、契約数を増やすだけで電話対応ができるようになります。オンプレミス型のような大掛かりな工事は必要ありません。CTIを導入して業務効率化、品質向上を図っていきましょう。
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まとめ
コールセンターシステムについて基本的な意味や選び方、システム導入形態、種類について紹介しました。
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コールセンターやテレマーケティングのアウトバウンド、インバウンド業務で使う『CTIコールセンターシステム』を比較する際に、参考にして頂きたい情報を配信していきます。