コールセンター向け社内ツールの選び方!導入のメリットとは?
テレマーケティングって何?CTIシステムは大企業じゃないからうちには無用なんて思っていませんか? 売上向上のための有効な方法として一層注目されるようになったテレマーケティング。 本稿では、オフィスでもテレワークでも出来るテレマーケティングの成功のコツ、業務のすべてを見える化するポイント、基礎知識やをご紹介していきます。
コールセンター業界が抱える課題
コーセルセンターはいくつかの課題を抱えていますが、そのなかで特に大きいのは高い離職率です。
一般的な職業と比べて離職者が多い
ため、人員補充に苦しんでいるケースがよくあります。
特に現代は労働者人口が減っているため、部門の存続させることさえ難しい企業も増えてきました。
肉体労働でもないのに離職率が高いことを不思議に思う人もいるでしょう。
その原因はコールセンターならではの業務内容が深く影響しています。
いろいろな業務の種類がありますが、どれも基本的に顧客と接点を持つことになります。
つまり、消費者の意見をダイレクトに聞く立場にあるということです。
その声の中にはクレームも多く含まれており、それを聞き続けることで精神的にきつくなってい人がよく見受けられます。
コールセンターの対応に関するクレームが皆無というわけではありませんが、大半は製品やサービスに関するものです。
つまり、自分が悪いことをしていないにもかかわらず、企業の一員として謝らなければなりません。
技術者の不備によって発生した不満も、コールセンターが一手に受け止める役割を果たすのです。
クレームの中には理不尽なものも珍しくありません。感情に任せて罵ってくる人もいますし、セクハラやパワハラのような言葉を浴びせられるケースもあります。
いずれにせよ、それらを聞き続けることに疲れてしまい、転職や退職を決意するのは定番のパターンです。
精神的にタフな人でも、数日で耐えきれなくなることもあるでしょう。
自分の対応に問題があれば、さらなるクレームを招きかねません。
ですから、十分に注意しながら説明をする必要があり、それによって神経がすり減ってしまうケースも見られます。
座って行える仕事なので肉体的な疲労度は軽い方に分類されます。
しかし、上記のようにメンタルの面で追い込まれてしまい、離職しやすい状況に陥りやすいというわけです。
たとえプレッシャーが大きな職場でも、時間的に余裕があれば、何とかやり過ごせるかもしれません。
この点に関して、もう一つの課題が潜んでいることも認識しておきましょう。
コールセンターは基本的に多忙であり、クレームを受けてるとその嫌な気分を抱えたまま、次の業務に取り掛かることになります。
少しの隙もなく電話がかかってきて、自分が何人を相手にしたのかカウントできないほど、感覚が麻痺することも珍しくありません。
普通の質問であっても、連続で対応するのは疲れることです。
相手は顧客であり、丁寧に接することが条件になっています。
言葉の一つひとつに気を使いながら、ハイペースで対応していると疲労度が上がりやすいです。
このように多忙すぎることも懸念材料であり、それが精神面をさらに追い込んでしまいます。
別の課題
として業務の内容が複雑すぎることが挙げられます。
コールセンターについて、ただ話すだけで良いと勘違いしている人は少なくありません。
確かに対話がメインの仕事ですが、それ以外にもさまざまな作業をこなす必要があります。
たとえば、パソコンの操作もその一つであり、いろいろなプロセスにおいて活用が必須です。
電話に出て相手が会員の場合は、その情報を入力して必要なデータを照合することもあるでしょう。
操作に手間取っていると、それに時間がかかってしまい、相手を待たせることになりかねません。
クレームを言うために電話をしてきた相手なら、それだけで怒りが大きくなることも十分にありえます。
さらに質問の回答をすぐに述べられない場合も、パソコンを操作して受け答えの事例を見つけることが必要です。
これも過度に待たせることは失礼なので、スムーズに操作をして目的を果たすことが求められます。
受け答えが終わったら、その内容を記録することも業務に含まれます。
アンケートを相手に出す場合も同様ですが、コールセンターで定められている手順どおりに実施しなければなりません。
いろいろな作業が発生することで、顧客の対応に集中できないという人もいます。
時間が不足しがちなうえに業務が複雑であることは、多くのオペレーターにとって働きにくい状況をつくっているのです。
だからといって、オペレーターを優先する方向にシフトすることが良い判断とは限りません。
時間に余裕を持たせるために人員を増やすと、その分だけ人経費が増えてしまい、他の面で従業員にしわ寄せがいくこともありえます。
作業を簡略化した結果、十分なサービスを提供できなくなることもあるでしょう。
このように従業員と顧客の満足度を同時に向上させるのは至難の業です。
そのため、どの方向にもシフトできず、課題を抱え続けているコールセンターが多く存在します。
これらを解決するための施策
として、教育体制を充実させるという手段があります。
従業員一人ひとりがレベルアップすることで時間の短縮を見込めるからです。
複雑な作業にも対応しやすくなり、サービスの質を低下させるようなリスクもありません。
ところが実際には、教育を十分に実施できているケースは少ないです。
忙しいのでそのような時間を取れないことが大きな理由です。
すなわち、負のループが連続している状況であり、職場として改善を見込めるような状態から遠い実情となっています。
このように多角的な観点において、オペレーターが受ける負荷は大きいです。
言い換えると、この点をクリアできれば、大半の課題は解決することを期待できます。
それを企業は理解しており、いろいろな方法で実践を試みるところも出てきました。
ただし、従来のスタンスのままだと成功しないケースがほとんどです。
オペレーターの業務量がすでに限界であるなら、本人たちに行える改善策はもう残されていません。
上司がいくら激励しても、精神論だけでは変化を起こせないのが現実です。
業務の構造自体を組み直すなど、従来とは異なる状況をつくることから始める必要があります。
そこで欠かせないのが視点を変えたアプローチであり、後述する社内ツールが大きな役割を果たしています。
ですから、コールセンターを抜本的に解決したいなら、どのようなメリットがあるのか理解したうえで、それらの導入を前向きに検討すると良いでしょう。
コールセンターの業務は大きく分けて2つある
一口にコールセンターといっても、電話の対応業務は複数のタイプに分かれています。
種類を大きく分類する際にも用いられるカテゴリはインバウンドとアウトバウンドです。
少なくともこの違いを理解していないと、自分の担当する業務の特徴も分かりづらいので注意しましょう。
インとアウトという対義語が使われている点がポイントです。
特徴も正反対になっており、まったく別の仕事といっても過言ではありません。
これらを詳しく把握していると、転職先として検討するときも参考になります。
一般的には一人で両方をこなすことは少ないですが、小さなコールセンターの場合は、そういった状況になることもあるでしょう。
したがって、どちらか一方を担当している場合も、もう一方について理解を深めておいて損はありません。
コールセンターと聞いて、多くの人が連想するのはインバウンドです。
こちらは主に顧客からかかってきた電話に対応するのが仕事です。
つまり、自分から顧客に電話をかけることは業務に含まれていません。
ヘルプデスクが代表的であり、困った人から相談を受けて対処法を案内します。
購入相談の窓口もこちらに該当し、顧客の要望を聞いたうえでどの商品が良いのか紹介するのです。
通信販売の広告を見て顧客が発注の電話をかけてきた場合、それを受注する業務もインバウンドに属します。
テクニカルサポートやカスタマーサポートの仕事もそうであり、必要に応じて必要な部門と連携して対応するのが一般的です。
たとえば、修理に関する相談を受けたら、技術部門に可否を尋ねなければなりません。
いったん電話を切ってから実施するケースと、相手を待たせた状態で行うケースがあります。
もしくは修理に要する日数などの確認を要することも多いです。
いずれにせよ、電話をかけてきた顧客との接点となり、そこから社内に展開する立場も担っています。
これに対してアウトバウンド
は、文字どおり外に向けて自分から発信していきます。
営業の一環と見なされることも多く、電話でセールスを実施する仕事の分類はこちらです。
特に多いのはテレアポであり、商談のきっかけをつくることが責務となっています。
さまざまなパターンがありますが、手元に顧客リストを用意して順番にアプローチしていくのが定番です。
すぐに電話を着られることやそもそも出てもらえないこともよくあります。
金融機関が支払いを催促したり、アンケートをとるために接触したりするなど、アウトバウンドは範囲がとても広いです。
一般的にアウトバウンドの方が給料が良いのですが、それには大きな理由があります。
ノルマを課されているケースが多く、それによってインセンティブが発生しやすいからです。
そもそも自分から電話をする分だけハードルが高くなっています。
インバウンドでは少なくとも話をできない状況にはなりません。
それに対してアウトバウンドはまず話を聞いてもらえる状況をつくることに苦労しやすいです。
そう言われると、インバウンドの仕事の方が自分に向いていると感じる人もいるでしょう。
適切な受け答えができる人にとってはそうであり、精神的な負荷もアウトバウンドより小さくて済みます。
営業の経験も特に必要なく、コミュニケーションなどのヒューマンスキルのみが重視されがちです。
そのため、未経験からでも挑戦できる職種としてよく挙げられています。
一方アウトバウンドは営業的なセンスが不可欠です。
電話だけで関係を構築する必要があり、一般的な営業職より難しいと思うかもしれません。
このような差があるので、両方を選べる場合はインバウンドを希望する人が大半を占めています。
ただし、アウトバウンドの方が待遇面で勝っていることに注意が必要です。
今後のキャリアを踏まえた場合も、やはり営業的な仕事ができるアウトバウンドの方が有利になります。
このようにインバウンドとアウトバウンドには異なる長所があります。
ただし、どちらにも前述の課題は共通しており、その解決が大きなテーマになっていることにも変わりがありません。
たとえば、インバウンドはこちらの都合に関係なく、顧客が自分の好きなタイミングで電話をかけてきます。
新製品の発売直後などは、電話が少しも鳴りやまない状態になることもよくあります。
また、新製品のリリースごとに、その内容について理解する作業が発生することも多いです。
従来の製品と似ていると把握しやすいですが、大きく変わっていると案内できるレベルに到達しにくくなります。
そういう意味では、自分のペースで電話をかけられるアウトバウンドの方がまだ余裕を持ちやすいです。
ただし、基本的に顧客リストは膨大なので、迅速に進めないとノルマの達成は困難です。
いずれにせよ、時間的にはタイトな状況が継続するので、集中力を欠かさずに進めることもポイントになります。
コールセンターで働く以上
、基本的にどちらかの仕事を担当することになるでしょう。
資料作成だけに特化するようなケースは稀であり、一連のフローを最初から最後まで行うことが一般的です。
忙しいといくつかの案件を並行させるケースもあり、それらの進捗を管理する能力も必要になります。
必須の資格はありませんが、スキル面に関しては要求されることが多いです。
業務の中で培っていく必要があるため、ある程度の経験を積むまでは失敗が続くことも珍しくありません。
それがクレームを招くこともあるので、新人でも責任を持って取り組む姿勢が不可欠です。
たいていのコールセンターではマニュアルが完備されています。
それを参照しながら業務を続けていれば、次第に慣れていくでしょう。
自分なりに作業を改善する努力も重要ですが、マニュアルの作業の進め方は基本的に効率化されたものです。
よって、まずはそれらをマスターすることから始めることが得策です。
アウトバウンドと比べてインバウンドは、マニュアルに依存する度合いが大きくなっています。
まずインバウンドで経験を積んでから、キャリアアップとしてアウトバウンドに転向する人も見受けられます。
そこから営業職を目指すことも可能であり、発展性の高さは大きな魅力です。
もちろん、インバウンドの専門家としてキャリアを構築していく人も少なくありません。
コールセンター向け社内ツールの種類
前述の課題を解消するには、コールセンターに社内ツールを導入するのが効果的です。
ただし、さまざまな種類が存在するので、自社の課題にピンポイントで合うものを選択してください。
そのためには、ツールの代表的な種類を押さえたうえで、特徴についても知っておく必要があります。
たとえば、多くのコールセンターで使われているものとして、カスタマーサポートツールが挙げられます。
こちらは顧客対応をメインにしている部門で採用され、業務に不可欠なアイテムとして重宝されることが多いです。
情報を記録することはもちろんですが、それを共有できる点が大きな特徴となっています。
問い合わせを受けた時点でそれを記録し、顧客情報のデータベースに登録するといった具合です。
それは他のオペレーターも自由に閲覧が可能であり、対応に困ったときに参考にする資料としても使えます。
顧客にスムーズな回答を行いたいなら、カスタマーサポートツールをうまく活用しましょう。
この支援を受けることでコミュニケーションも円滑になり、それによってクレームが減ることも見込めます。
そうなると業務で受けるストレスも減少し、働きにくい状況が改善されることも期待できるのです。
仕事を進めるペースが上がるので、時間的な余裕が生まれやすいこともポイントとなっています。
これだけで前述の課題をいくつかクリアできていることが分かるでしょう。
データを一元管理できるため、整合性がなくなるようなミスも防げます。
クレームの対応で悩んでいるオペレーターが多いなら、こちらの導入を積極的に検討するのが得策です。
最初に費用がかかり、保守に関するランニングコストも発生しますが、総合的な視点で見ると経費を削減できます。
作業の効率がアップするので、実質的に時間当たりの人件費の節約が可能です。
離職を減らすことで採用活動にかかるコストも減らせます。
ヘルプデスクツールを使っているコールセンターも多くなりました。
こちらも基本となるのは情報を記録する機能であり、それを共有できる点も同じです。
共有することでノウハウが浸透し、オペレーター全体のレベルアップにつながります。
これは属人化を防ぐ意味合いもあり、担当者が不在のときに変わりの従業員が対応できます。
これまでは担当者が戻ってくるまで対応を待ってもらうのが一般的でした。
しかし、忙しいコールセンターでは次々と回答していくことが求められます。
担当者制自体が向いておらず、すべてのオペレーターがそれぞれの代役をこなせることが理想です。
そういう意味で、ヘルプデスクツールは大きな役割を担っています。
顧客とのやり取りが保存されているため、他のオペレーターでもその続きを担当できるのです。
しかも詳細に記録されているので、それを踏襲することで品質の低下も防げます。
顧客に不快感を与えずに済み、クレームが増えることも抑制できるというわけです。
なお、こちらにはいくつかのタイプが含まれており、その中でも近年になってチャットボットが特に増えています。
これまでオペレーターが行っていた受け答えを、人工知能のプログラムに任せるというものです。
ただし音声ではなく、基本的には文字でのやり取りに限られています。
顧客がインターネットのフォームに質問を入力すると、その回答に該当する文章が表示される仕組みです。
アバターが用意されており、人が受け答えしている様子を演出するチャットボットも見受けられます。
オペレーターが対応する件数を減らせる点が大きな魅力です。
まずはチャットボットに誘導し、そちらで解決できなかった場合のみ電話番号を提示します。
この場合は質問のデータがコールセンターに届いているので、電話に出てからの対応もスムーズになりやすいです。
深夜などコールセンターの営業時外に利用できることもポイントです。
顧客はいつでも疑問を解消できるため、電話をするまで悩み続けるような事態にはなりません。
顧客管理ツール
を活用する企業も多くなっており、その重要性が広く認知されつつあります。
従来のようにどの顧客にも同じサービスを提供するスタイルだと、ライバルの企業にシェアを奪われやすいです。
それぞれに合ったソリューションを届けることが当たり前の時代になってきたからです。
とはいえ、いきなりそれを実践しようとすると、コールセンターに大きな負荷がかかってしまいます。
顧客に関するデータが不足しており、どのようなサービスが良いの判断できません。
顧客管理ツールがあると有益なデータを蓄積し、最適なアプローチを検討しやすくなります。
顧客一人ひとりと誠実に向き合っていくうえで、強力な後押しになるのは間違いありません。
少人数を相手にしているなら、記憶やメモを頼りにするだけで十分な場合もあるでしょう。
しかし、規模が膨れ上がるにつれて、それだけでは対応しきれなくなっていきます。
他の顧客と間違えると信頼を損ねるので注意が必要です。
顧客管理ツールがあれば、たとえ千人であってもデータを取り違えるようなリスクはありません。
これらの社内ツール
を導入する方法も複数あるため、その違いを知っておくことが大事です。
いわゆるオンプレミスは自社にサーバーを用意し、それをベースとして運用していきます。
社外に出ないのでセキュリティが強固ですが、サーバー代などのコストがかかってしまいます。
昔から定番の方法となっていますが、インターネットの普及によって徐々に減少しているのが実情です。
もう一つのタイプはクラウドであり、こちらはインターネット上のサーバーを基盤としています。
そのため、自社にサーバーを用意する必要はありませんが、クラウドを利用するために月額費や年会費が発生します。
とはいえ、コストパフォーマンスはとても優秀で、自社で管理する煩雑さもありません。
インターネットの高速化により、遅延が発生しにくくなったこともポイントです。
そのような理由で後者を採用する企業が多くなりました。
両者を併用しているケースもありますが、徐々に移行していくのが一般的な流れとなっています。
特にこだわりがないなら、最初からクラウドを選択すると良いでしょう。
コールセンターに社内ツールを導入するメリット
社内ツールの種類が分かっても、自社に導入すべきか判断できないケースもあるでしょう。
その場合は具体的なメリットを把握すると参考になります。
自社のコールセンターに活かせるメリットがないか検討してください。
最も大きなメリットは、やはりオペレーターにかかる業務の負荷を減らせることです。
たとえばアウトバウンドで電話をかける際、自分でわざわざ電話番号を入力する必要はありません。
顧客リストを選択するだけで、そこに記入されている連絡先に自動的に発信されます。
それだけ聞くと大した軽減ではないと思う人もいるでしょう。
しかし一日に何百件とかけることを考えると、この手間のカットだけでも大きな意味を持ちます。
これは電話とツールが連携した事例であり、他のシステムとも同様に連携が可能です。
顧客情報には以前の記録も残っているので、それを活用して業務を円滑化できる点もメリットになっています。
再度問い合わせをしてきた顧客に対し、まるで前回と同じオペレーターが対応しているような安心感を与えられます。
つまり、それまでは個人同士の信頼関係を構築していましたが、これからは個人とコールセンターの間にそれを築けるようになります。
組織に対して好感を持つことで、ブランドイメージの向上にもつながりやすいです。
そうなるとオペレーターへの風当たりが減り、ますます業務をこなしやすい状態になるでしょう。
精神的につらいという理由による離職を減らせます。
人員が不足した状態にならないので、負担が過度にかかることもありません。
このようにポジティブな連鎖が起こることで、コールセンターの働きやすさが多角的に改善されています。
コストを節約できることも代表的なメリットです。
これは難しい話ではなく、作業の多くが自動化されることで、人件費をカットできることが理由となっています。
着信の振り分けなどを人工知能が担当することで、その分野を無人にすることも可能です。
ただし、人員を減らすのではなく、クオリティの向上を目指す企業も増えています。
人工知能によるサポートでミスを減らしたり、受け答えのスピードを上げたりするのです。
ただし、これも広い視点で見るとコストの削減に他なりません。
それだけクオリティを高めるには、本来多額の投資が必要になるからです。
従業員を教育するために、コールセンターを稼働できないケースもあるでしょう。
そのような対応をしている企業も実際にあり、その間は質問を受け付けてくれません。
それが原因でビジネスチャンスを逃す事態も十分に考えられます。
こういった資金面のリスクをなくせる点も魅力的です。
また、通話料をカットできるケースもよくあります。
ツールが提示する情報をもとに要点を話せるため、無駄な通話時間を削減できるからです。
一件当たり10秒減るだけでも、100件に電話する場合はトータルで約17分になります。
これを毎日続けていくと、年間でかなりの時間になるでしょう。
その通話料をなくせることは、経費削減を目指すうえでとても有効な手段です。
フリーダイヤル以外で電話をかけてきた顧客も、電話代に関する不満を持ちにくくなります。
スムーズな対応を可能にするため、スクリプトをあらかじめ用意しておくこともポイントです。
ツールのメリットを活かしつつ、オペレーター自身も工夫を欠かさないことで、その効果は飛躍的に高まります。
最初は難しいかもしれませんが、次第にアレンジする余裕が生まれてきます。
自分にとって使い勝手が良くなるように、改善する意識を持つことが大切です。
その他のメリットとして顧客満足度の向上が挙げられます。
オペレーターはクレームを解消する役割を担っていますが、自身がその発生源になるケースも少なくありません。
たとえば、相手の悩みを解決できていないのに、強引に電話を終了させるといった具合です。
そのような対応をされた人が、そのやり取りをインターネットで公開した事例もあります。
それを見た人は、コールセンターに問い合わせようと思わなくなるでしょう。
それどころか、この企業の商品を買わないようになるかもしれません。
つまり、一人のオペレーターの雑な対応が、企業の収益を大きく低下させる可能性もあるのです。
社内ツールを適切に使っていれば、こういったリスクに怯える心配はなくなります。
あらゆる回答の事例が載っているため、基本的にはそれらを参照するだけで事足ります。
もちろん臨機応変な発想も求められますが、参照できる事例があることは大きな安心材料です。
進捗を可視化できることもメリットであり、これによって改善点が浮き彫りになることも珍しくありません。
やり取りが途中になっている顧客を放置するリスクがなくなります。
待ち続けていたのに、電話がかかってこなかったというクレームは多いです。
膨大な業務量を抱えるオペレーターは、個々の案件に対する意識が希薄なりがちです。
複数人でチームを組んでいる場合も、引き継ぎが正確になされないことも多々あります。
進捗を図表で分かりやすくすると、言葉による伝達が生む誤解を回避しやすいです。
自分が使う場合も記憶を頼りにするのではなく、前回のやり取りをスムーズに思い出せます。
これが顧客満足度を高める結果にもつながり、さらには売上アップを引き起こすことも少なくありません。
悩みを解消できた顧客は、対応が良かったことをSNSに投稿することもよくあります。
そうなると一気にブランドイメージが向上することも見込めるでしょう。
コールセンター以外の部署とデータを共有できることもメリットの一つです。
自社のサービスには企画や販売など多くの部門が関わっています。
クレームを受けた場合、コールセンターだけに留めるのは得策ではありません。
その情報を関連する部門に提供することで、それぞれの観点から改良を検討できるようになります。
たとえば、製品を使いにくいという女性がたくさんいるなら、男性向けと思われる機能の見直しが必要です。
この場合は企画部門が新商品の参考にすると良いでしょう。
顧客の意見を貴重なアイデアと捉え、それを最大限に活かせる部門と共有することが欠かせません。
コールセンター向け社内ツールの選び方
社内ツールのメリットが分かっても、魅力的な候補がいくつもあると選びきれません。
その場合はさらに焦点を絞って、自社にとって恩恵が大きいものを優先することがセオリーです。
いくら機能が充実していても、使いにくいものだとコストパフォーマンスは悪くなります。
多くのオペレーターが活用できるかどうか慎重にチェックしてください。
もし数人しか使えないツールなら、操作を教えるための時間を多く確保しなければなりません。
実務で活かせるようになるまでに数カ月を要することもあるでしょう。
それどころか、一向に使用しようとしないオペレーターもいるかもしれません。
ですから、まずは誰もが簡単に使えることを重視して、そのうえで機能に目を向けることが必要です。
万能であることは魅力的ですが、オペレーターのレベルや意思によっては、その半分も使われないケースもあります。
そのため、多機能であることより、コールセンターへの浸透のしやすさを重視してください。
もしうまく普及したら、オプションによる機能追加などを視野に入れると良いでしょう。
さらにハイスペックなものに切り替えることも有効な手段です。
いずれにせよ、最初から多くの機能を求める必要はなく、使いこなせるオペレーターが多いことを優先する必要があります。
データの共有が主軸となっている社内ツールなら、さらに優先度は高くなるので注意を要します。
オペレーターが30人いるコールセンターで3人しか使っていないと、データを共有する機能は宝の持ち腐れです。
できるだけ多くの人が活用することを考え、そのための仕組みが整っているものを選びましょう。
操作方法の研修を無料で開いてくれるところもありますし、チュートリアルがとても充実しているところも見受けられます。
導入前に体験版を試せるケースも増えており、事前にオペレーターに使ってもらうことも可能です。
好評な場合は採用し、そうでなければ他の候補を検討するという手もあります。
ただし、体験版は何らかの制約がかかっていることも多く、そのせいで不便な点がある可能性を理解しておくことも大事です。
いずれの方法でも構いませんが、とにかく自社における使用者の数を推測することがポイントになります。
いくら評判が良くても、自社であまり使われないと感じるなら、とりあえず候補から外しておきましょう。
業務の形態を踏まえて判断することも大切です。
具体的には、インバウンドとアウトバウンドのどちらであるのか明確にしてください。
たいていのツールはどちらか一方に向けて開発されています。
両方に対応できるタイプもありますが、汎用性を高めたせいで専用の機能が不足しているケースもあるのです。
したがって、基本的には業務の形態にマッチするものを選ばなければなりません。
もう一つの観点として、クラウドに対応していることもチェックすべき重要な点になります。
自社にサーバーを保有していない場合は、これによって導入する費用が大きく変わってきます。
クラウドに対応しているツールなら、サーバーの購入やレンタルが不要です。
一般的には社内に留めたほうがセキュリティは強固ですが、これからサーバーを用意するレベルなら当てはまらないケースもあります。
いくつかの面で抜け穴が残ってしまい、クラッキングの対象になりかねません。
そういう意味では、クラウドの方が安心して使える場合もあります。
こちらに関しては、運営会社がセキュリティ対策を施しているので、保管しているデータ自体は安全性が高いです。
自社で管理する能力が欠如しているなら
、トータルのセキュリティはクラウドが勝っているでしょう。
これも社内ツールを導入する際の判断基準として大切なポイントになります。
特に長期的に使っていくことを想定しているなら、脅威が少ない環境を最初に選択することは欠かせません。
このように業務形態と保管形態の両面において、自社に合っているものを検討することが必要です。
とはいえ、この基準で選択しても、その通りに実施するのは良くない場合もあります。
それは社内の機器との相性やスペックが関係しています。
たとえば、連携させたいシステムがあっても、データのフォーマットなどが異なっていると基本的には実現できません。
別のツールを使って変換したりするなど、余計な手間が発生することになるでしょう。
通信規格もたくさん存在し、時代の流れとともに新しいものも誕生しています。
ですから、リリースされた時期が大幅に異なるシステム同士だと、連携できないことは珍しくありません。
そもそも古いシステムは、スタンドアローンでの運用が当たり前になっていることも多いです。
したがって、既存のシステムをしっかり検証したうえで、相性の確認を済ませておきます。
分かりにくければ、導入しようとしている社内ツールの企業に問い合わせましょう。
たいていの場合は事前に連携できるシステムをリストアップしています。
それに照らし合わせて判断してもらえる可能性が高いです。
そのリスト自体を送ってくれるケースもあるなど、いずれにせよ導入前に正確な判断が可能になります。
電話回線やオペレーターの数をチェックすることも忘れてはいけません。
社内ツールのライセンスごとに、提供できる数が定められているケースも多いからです。
それを正しく理解しておかないと、購入するライセンスの数を判断するのが難しくなってしまいます。
たとえば、1ライセンスで10人まで適用できるなら、100人のコールセンターの場合は10ライセンスを買うだけで十分です。
勘違いして100ライセンスを買ってしまうと、90ライセンスが無題になるので注意しなければなりません。
また、追加ライセンスという形なら、通常よりも安く買えるのが一般的です。
企業や社内ツールによって異なりますが、6割ほどの価格設定になっていることがよくあります。
そのため、とりあえず数を少なく設定しておき、状況に合わせて増やすことも一つの手です。
すべてのオペレーターに使わせたくても、予算の関係でそうできない場合もあるでしょう。
そのような条件では、段階的に広めていくことも現実的なアプローチとして効果的です。
投稿者プロフィール
- コールセンター運営歴10年以上。
オペレーター、SV、マネージャー、センター長まですべてを経験。
学べる情報を配信します。