仕事の目標設定・管理を徹底解説!「OKR」「HARDゴール」等のメソッド、Googleの事例も紹介
テレマーケティングって何?CTIシステムは大企業じゃないからうちには無用なんて思っていませんか? 売上向上のための有効な方法として一層注目されるようになったテレマーケティング。 本稿では、オフィスでもテレワークでも出来るテレマーケティングの成功のコツ、業務のすべてを見える化するポイント、基礎知識やをご紹介していきます。
目的と目標の違い
仕事を効率よく進めるためには?
まわりと比較すると仕事が遅いと悩んでいる方もいるでしょう。
そのような方の中には、自分のスキルが低いので仕事が遅いのは仕方がないと思い込んでいる方も見られます。
確かに仕事を始めたばかりの頃であれば、慣れない作業に戸惑って効率よく仕事ができないということもあります。
スキル不足の場合であれば、自分の実力を磨くことで効率よく業務を進めることにつながります。
足りない実力は、努力で身に着けられるというのもポイントの1つです。
しかし、ある程度のスキルを持っているにも関わらず、周囲と比較すると仕事が遅い方もいます。
スキルがあるのに作業が遅いと、自分を責めてしまうこともあるでしょう。
もしも実力があるのに作業が遅いのであれば、仕事の進め方自体に問題があるのかもしれません。
では、実力があるのに仕事が遅いという場合には、どのような点に注意したらいいのでしょうか。
そもそも仕事を効率よく進めて成果を出すために必要なポイントとなるのが、目標の設定と管理です。
目標を設定しているつもりでも、しっかりと決められていないことが原因で作業が遅い、もしくは成果が出せないという状況になっている方もいます。
まずは、目標がどのようなものか理解して、仕事における成果につなげられるように考えていきましょう。
具体的な目標を考えていく前に、整理しておくべき点が存在しています。
整理するべきポイントというのが、目標と目的の違いに関する内容です。
2つの意味が混ざってしまっていることが原因で、目標をしっかりと設定できていない可能性があります。
まずは、目標がどのようなものか理解したうえで、自分に合った形で検討していくことが大切です。
そもそも目的というのは、「最終的に成し遂げたい内容」のことを指します。
一方で目標というのは、「目的を達成するための具体的なステップや指標」のことです。
つまり、目的というのは最終的なゴールで、そのゴールに向かうためのステップとなるのが目標です。
スポーツなどにおいても、いきなりゴールを狙うことはできません。
パスをつないで少しずつゴールに近づいていく必要があります。
仕事においても、最初からゴールを狙うのではなく、パスとなる途中のステップを通過することが大切です。
目的と目標の違いと関係性
では、営業を例に考える場合には、どのように目的と目標を考えていけばいいのでしょうか。
例えば受注金額をあげたいという最終的なゴールとなる目的があるとします。
その目的を達成するために、目標として週の訪問回数50件というように決めていくのも1つの手です。
基本的に目的は、抽象的な内容を示すことが多くなっています。
抽象的なゴールを狙うために、目標は数値や期間を含んだ具体的なステップを設定することがポイントの1つです。
また、ゴールを狙うためのステップは、1つだけにする必要はありません。
一気にゴールが狙えるケースもありますが、ほとんどの場合には複数の通過地点が必要になる場合が多いのです。
そのため、目標を設定する場合には、複数のステップにわけて考えていくことが大切です。
スポーツでも最初からゴールを狙うのは簡単なことではありません。
何人かでパスをつないでゴールを目指すように、いくつかのステップでつないでゴールを狙えるように準備することが必要です。
例えば1週間後にプレゼン資料を作る必要があるとします。
最初の1日でテーマを決めて、次の2日間は資料を集めるというように短いスパンで何をしたらいいのか計画を立てましょう。
具体的な計画を立てていくことで、自分が次に何をすればいいのか明確化して作業を進めやすくなります。
また目標は、目的なしで決めることはできません。
最終的なゴールがわからなければ、どこにパスをつないでいけばいいのかわからないのです。
ゴールとなる目的を最初に設定し、そのうえで何をしたらいいのか考えていくようにしましょう。
実際に目的を達成するための目標を設定することには、途中経過がわかりやすいといメリットがあげられます。
例えば長距離走をしているとき、途中の通過地点で何㎞かわからないと、現在地を把握できなくなります。
大きな目的を達成したいときほど、途中の通過地点となる存在は必要不可欠です。
そして目標というのは、途中の通過地点として利用できるものです。
自分で設定したものを達成していくことで、ゴールにどれくらい近づいているのか手軽に把握でできます。
目的を達成するためのより良い目標を作ることが重要
大きな案件であるほど、しっかりとした目標の設定が大切になっていきます。
実際に設定する場合には、状況に合わせてどのような目標が必要になるのか考えていくことが大切です。
仕事の期間が長い場合には、1日単位のほかに1週間単位、もしくは数時間単位で設定していくという方法もあげられます。
期間が短いものとある程度の期間の目標を組み合わせていくことで、自分がどのように作業を進めていけばいいのかわかりやすくできます。
また、仕事をするうえで目標が大切とわかっても、具体的にどのように考えていけばいいのかわからないという方もいるでしょう。
最初の頃は、先輩の真似をしてみるのも1つの手です。
先輩の仕事のやり方を教わりながら、どのように行動することで効率よく作業が行えるのか考えていくこともできます。
実際に仕事ができる人のやり方を真似しながら目標を設定していくことで、目的達成のために必要なステップが見えてきます。
先輩の真似をしながら仕事の進め方を考えていく場合、1つ注意しなければならない点があります。
その注意点というのが、最初から先輩と同じようにはできないという点です。
作業に慣れていてスキルもある先輩は、自分に合った目標を設定して効率よく作業を進めている可能性が高くなります。
初心者が経験者と同じペースで作業をするのは難しいので、最初は自分のできる範囲で目標を設定していきましょう。
実際に目標を設定するときには、定期的に見直すことも忘れてはいけません。
ゴールとなる目的を達成するために、今のペースで進めて問題がないのか考えることが大切です。
状況に応じてペースに問題がないか見直すことで、目的を達成するためのより良い目標を作っていくことにつながります。
なぜ目標設定と管理が重要なのか
目標設定と管理が大切な理由
漠然と目標を設定することが大切だとわかっていても、具体的にどのような意味を持っているのか理解していない方も多くいます。
しかし、目標設定と管理が重要な理由を理解していないと、上手に活用できない可能性があります。
実際に設定しても良い形で使いこなせなければ、作業の効率化や成果につながりにくくなります。
効率よく作業を行って成果を出すためにも、設定と管理が大切な理由を把握しておきましょう。
まず、目標設定の意味として大切なポイントの1つが、進捗具合を可視化できるという点です。
達成のためには、現在の状況を把握することが必要不可欠です。
目標の進度に応じて進捗状況がわかることで、無駄な作業の時間を減らすことが可能です。
そして、目標を設定することには、今何をするべきか把握しやすいというメリットもあげられます。
最終的なゴールとなる目的が決まっていても、具体的にどのような形で作業を進めたらいいのか迷ってしまうこともあります。
何から始めたらいいのか定まらないと、無駄な時間を過ごして二度手間になってしまうかもしれません。
効率よく作業を進めるためにも、設定が必要になるのです。
例えば営業の仕事で、受注金額をあげたいという目的があったとします。
目的を達成するために、週に20回以上の営業先を訪問したいと考える方もいます。
しかし、訪問するだけで、営業の受注金額をあげられるとは限りません。
事前の下調べや新聞を読むなどの情報収集も、営業の成績アップのために必要なことです。
そこで目的達成のための目標に、下調べや新聞を読む時間などを組み込んでみましょう。
複数のステップを組み合わせていくことで、目的を達成しやすい環境を作っていくことにつながります。
さらに目標を設定することで、自分が何をするべきか明確化できるのもポイントの1つです。
目的を達成したくても、何から始めたらいいのかわからないと、悩む時間ができるもしくは無駄なことにエネルギーを注ぐことになるかもしれません。
ですが、明確化した目標があることで、目的達成に向かって進みやすくなります。
モチベーションが維持するために具体的な数字で目標を設定する
また、目標設定において忘れてはいけないのが、具体的な数字や期日を決めておくという点です。
情報収集をするだけではなく、1日30分情報収集を行うというように決め手おくことで、効率よく作業を進めることにつながります。
具体的な数字が決まっていないと、後回しにしてしまい目標が達成できなくなる可能性があります。
期日が決まっていれば、それまでに行うことを考えて行動することにつながります。
さらにモチベーション向上につなげられるというのも、目標の設定と管理を行うメリットの1つです。
目標が設定されていない場合、次に何をしたらいいのかわからず、1つの作業が終わるごとに立ち止まって無駄な時間が発生します。
無駄な時間が発生するだけではなく、1つの作業が終わった段階で気持ちが切れてしまうのです。
目標が設定されている場合、1つの作業が終わったら、次にやるべき作業が明確化されています。
次の作業がわかっていることで、気持ちを切らすことなくモチベーションを維持しながら仕事を続けることにつながります。
そのため実際に目標を設定するのであれば、次にどのような作業が必要になるのかわかる内容にすることも忘れてはいけません。
このように目的を達成するための目標を設定することで、さまざまなメリットが存在しています。
しかし、メリットがあるといっても、それを活かしきれないケースも見られます。
特にポイントとなるのが、目標を決めていても、内容があいまいだと作業の効率化や成果につながりにくいという点です。
例えば、新聞を読んで情報収集をする、営業先に訪問するとだけ決めていたらどのような問題が起きるでしょうか。
新聞を読むというだけの目標だと、記事を1つ読んだだけで終わりにしてしまうかもしれません。
1記事だけではなく経済面はすべて読む、1日10分は新聞を読む時間にするなどと決めてしまうのも1つの手です。
具体的な数字があるほうが、何をやったらいいのかわかりやすく、自分のスケジュールも決めやすくなります。
同じように営業先に訪問する場合にも、1日何件もしくは1週間で何件訪問するというように具体的な目標を立てましょう。
具体的な数字だからこそ行動しやすくモチベーションが維持しやすいという点も忘れてはいけません。
自分に合った目標を設定する
人によっては具体的な数字を決めてしまうと、縛られているみたいで嫌だと感じることもあります。
しかし、数字を決めておかないと、さぼる口実を与えることにもなります。
最低限のノルマという形でもいいので、ある程度の数字は最初に定めておくことが大切です。
また、目標の設定と管理において忘れてはいけないのが、無理のない数字を決めるという点です。
高い目標を持つことは大切ですが、高すぎるものだと達成できずにモチベーションが維持しにくくなります。
自分の実力を考えたうえで、無理のないステップを踏めるように考えていきましょう。
実際に目標を設定する場合、あえて簡単に達成できる数字にするという選択肢もあげられます。
比較的簡単に達成できる数字にすることで、達成感を味わうことにつながります。
プラスアルファの作業をすることで、自分への自信につなげていくこともできます。
自信がついたらさらに高い目標を設定するなどの形で、ステップアップしていけるようにするのも1つの手です。
また、目標の設定と管理において、なかなかうまくいかないという方もいるかもしれません。
そのような場合には、1人で考えるのではなく周りに頼ってみることも大切です。
先輩や同僚に相談することで、より良い目標を考えるきっかけになることもあります。
ほかの人の意見を取り入れることで、より効率的かつ成果につながりやすい形で業務をすることにもつながります。
1つ忘れてはいけないのが、目的を達成するための道は、人によって異なる部分が存在しているという点です。
誰かがうまくいった流れでも、自分もうまくいくとは限りません。
時にはほかの人の意見も参考にしながら、自分に合った目標を設定し、より良い形で業務が進められるようにしましょう。
目標フレームワーク
目標と評価が結びついたフレームワーク
目標の設定と管理のために、企業が取り入れることができるフレームワークには複数の選択肢が存在しています。
例えばフレームワークには、MBO・OKR・KPIの3つがあげられます。
フレームワークごとに異なる特徴が存在しているため、それぞれの特徴を考慮したうえで適切なものを使えるようにしましょう。
MBOの特徴の1つが、目標と評価が結びついたフレームワークであるという点です。
日本語では目標管理制度と紹介されることもあり、多くの企業でも採用されている主要なフレームワークになっています。
また、MBOは目標に対する達成度で、人事評価を下すフレームワークという形でも活用されています。
最初に評価者と被評価者の間で目標を設定し、それを上回ったら評価が高まり下回ったら低い評価になるという仕組みです。
実際にMBOを導入するメリットの1つが、目標と職務が結びついているという点です。
職務と結びついた目標が設定しやすいので、常に意識しながら高いパフォーマンスを発揮しやすくなります。
そして、評価者と被評価者の間では面談が行われます。
この面談の際に目標のすり合わせを行うことで、自身で設定したものを業務を行います。
上から言われたものではなく自分で決めて作業をすることで、モチベーションの維持にもつながります。
メリットがある一方で、MBOには注意が必要な点も存在しています。
その注意点となるのが、現代に求められるマネジメントに適していないことです。
基本的にMBOのシステムの場合、半年に一回の目標設定で業務を行っていくことになります。
しかし、状況の変化が多い職場においては、半年に一回の見直しだと時間がたつと目標を忘れてしまうなどの注意点があげられます。
さらに長期間における内容を半年に一回の短い面談で決めることに不満を持つ方もいます。
そもそもMBOという仕組みは、部下に対するマネジメントの手法という形で1960年代にドラッカーによって発案されたものです。
部下が取り組みたいことと企業の方針を近づけた目標を設定できるという特徴がある一方で、現代社会には合わないという見方も存在しています。
組織の目標達成を目指すフレームワーク
また、組織の目標達成を目指すフレームワークとして注目されているのが、OKRです。
比較的新しいフレームワークの種類で、企業と従業員の目標が紐づいているという特徴があげられます。
実際にOKRを設定するときには、最初に達成する目的を決めます。
そのうえで達成のために必要な要素である目標を、成果指標という形で分解していきます。
いくつかの成果指標に分解して考えていくことで、効率よく業務が進められるというのがポイントの1つです。
MBOとOKRの違いを比較してみると、大きな違いの1つとなるのが振り返りのタイミングです。
前者は半年に一回の評価面談で振り返るのに対し、OKRは高頻度での進捗確認や目標のすり合わせが求められます。
チームや従業員が企業の目標と密接につながることで、すり合わせを行ってズレを防止できるというメリットがあげられます。
一般的なOKRでは、四半期に一回ほどのペースで進捗確認やすり合わせが行われています。
OKRを導入するメリットの1つが、企業の目的を常に従業員に示せるという点です。
最終的に達成したい企業の目的があっても、従業員が理解していなければ効率よく業務は進められません。
お互いのすり合わせを定期的に行うことで、常に企業の目的に向かって従業員が仕事を行っていくことにつながります。
ほかにも進捗度合いの確認を定期的に行うことで、お互いの作業の透明化にもつながります。
お互いが何をしているのか従業員同士が把握することで、効率よく業務が行えるかもしれません。
一方でOKRのデメリットには、具体的な目標値に落とし込めないケースがあるという点があげられます。
全社的に活動して一体感はあるものの、個々の目標に落とし込めないこともあります。
すべての部署や従業員が定量的な目標値を設定できるわけではないので、バランスを考えて行動することが大切です。
また、OKRは目標の6割~7割の成果が求められていることを従業員が理解していないと、高すぎる数値でモチベーションが維持できないこともあるので注意が必要です。
プロジェクトや部署の目標を達成するためのフレームワーク
MBOやOKRのほかにも、KPIというフレームワークも存在しています。
KPIはプロジェクトや部署の目標を達成するためのフレームワークです。
重要業績評価指標とも呼ばれ、プロジェクトや戦略がどの程度進んでいるのか確認しやすいというのが特徴の1つです。
また、KPIは単独で使われるのではなく、KGIという概念と一緒に紹介されるケースが多くなっています。
KGIがプロジェクトの最終目的で、KPIは中間地点のような役割になります。
KPIはほかのフレームワークよりも頻繁に振り返りを行うという特徴があげられます。
週ごともしくは月ごとに進捗状況を確認するので、変化するスピードが速い業務にも適しています。
KGIという最終的なゴールに向かうための指標なので、KPI自体は振り返りが短いスパンに設定されているのです。
実際にKPIを導入するメリットの1つが、進捗状況が確認しやすいという点です。
短いスパンでの目標設定になるため、進捗状況が個別に把握しやすいのです。
定期的な見直しには、プロジェクトや部署が抱えている課題をすぐに見つけられるというメリットもあげられます。
一方でKPIにおける注意が必要な点の1つが、仕事の質よりも量が優先されるケースも見られることです。
短期的な成果を指標とするため、質よりも量を求めて業務のクオリティが下がってしまうかもしれません。
さらに短期的な成果を求めることで、新しい手法や発見を逃す可能性もあります。
このように目標フレームワークといっても、複数の種類が存在しています。
選択肢ごとに異なるメリットやデメリットが存在しているので、個々の状況に合わせた対応が求められます。
業務内容や企業の状況に応じて適したフレームワークは異なるので、特徴を考慮したうえでどのような選択肢が適しているのか考えていくことが大切です。
定期的に見直しを行って、より良いフレームワークを考えていくことも忘れないようにしましょう。
目標設定のメソッド
目標設定のメゾット、ベーシック法
目標設定が大切ということはわかっていても、具体的にどのように決めていけばいいのかわからず困ってしまう方も多くいます。
そこで目標を設定するためのメソッドを把握しておくのも1つの手です。
メソッドを理解居ておくことで、チームや従業員が達成に向かって着実に進みやすい環境を作ることにつながります。
実はメソッドといっても複数の選択肢が存在しているので、個別に把握していきましょう。
基本的な目標設定のメソッドとして位置づけられているのがベーシック法です。
ベーシック法では、目標項目・達成基準・期限設定・達成計画という4つの切り口から考えていくという特徴があります。
最初のステップとなる目標項目では、何を達成するのか具体的に考えていくことが大切です。
達成したい内容が定まっていなければ、具体的なことを決められません。
現状維持や強化、さらには状況の改善など具体的な内容を最初に考えていきましょう。
目標項目が決まったら、次に達成基準を設定します。
達成基準を考えるときには、定量化した基準を設けることが大切です。
例えば、売り上げベースで考えていくのであれば、前年比の150%というような数値があることで、達成できたかどうか比較してわかりやすくできます。
そして、期限を決めることも忘れないようにしましょう。
目標を立てたとき「いつまでに達成するのか」という基準を設けることで、それまでに何をしたらいいのか考えやすくなります。
最後に達成計画の設定を行います。
最初に決めた目標をさらに具体的に考えて、どのようなアクションが必要か考えていくステップです。
何をするべきか明確にしていくことで、定めた内容に向けて行動しやすくなります
また達成計画の設定をするときのも、具体的な数値を組み込むことが大切です。
具体的な数値があったほうが、達成できたかわかりやすくモチベーションの維持にもつながります。
SMARTゴールという手法
ベーシック法のほかにも、目標設定のメソッドにはSMARTゴールという手法も存在しています。
実はSMARTゴールというのは、ドラッカーが設定したフレームワークのMBOから派生した手法でもあります。
SMARTゴールについて考えていくときには、個々の頭文字からどのような内容が求められるのか整理していくのも1つの手です。
例えばSMARTゴールの頭文字であるSには、具体的(Specific)という意味合いが含まれています。
具体性のあるゴールを設定することで、何が求められているのか明確にできます。
求められている内容を把握することで、業務を効率よく進めることにつながります。
目標は決めるだけではなく、進捗の確認(Measurable)を行うことも欠かせません。
進捗度を定期的に確認していくことで、課題や必要となる対処法を考えることにもつながります。
また、達成可能な内容を設定するためには、過去の状況を考慮しながら考えていくことも必要です。
過去の実績を見て少し高めの数値であれば、無理なく進められる可能性が高いのです。定期的に進捗度を確認し、無理なく進めていきましょう。
実際に目標を設定するときに忘れてはいけないのが、達成する必要性が高いもの(Relevant)にするという点です。
進捗度を確認しやすくするために、多くの目標を設定する方もいます。
しかし、重要度が低いものも含めて多く設定していると、重要な内容の達成を妨げる可能性があります。
重要度の高いものから目標を定めていって、業務が効率よく進められるように工夫することを忘れないようにしましょう。
そして、目標を設定時に大切なのが、達成するまでの期日(Time bound)を設けることです。
時間的な制約がないと、ダラダラと作業をして目標の達成までの道のりが遠くなります。
効率よく作業を進めていくためにも、期限を決めて何をしたらいいのか1つずつ考えていくことが大切です。
SMARTゴールでは、1つずつのステップについて考えたうえで、どのような目標設定が必要か決めましょう。
1つずつの流れに沿うことで、無理のないものを決めることにつながります。
HARDゴールという手法
ほかにも目標設定のメソッドには、HARDゴールという選択肢があげられます。
HARDゴールは、SMARTゴールと比較すると深く感情に根付いています。
そのためキャリアに関する目標を設定する際にも適しています。
また、頭文字をとって作られた言葉でもあります。
例えばHARDゴールの頭文字であるHは、Heartfeltを指し「心の底からの」という意味になります。
目標を立てるだけではなく、心の底から達成したいと思える内容にすることが大切ということです。
自分が達成したい理由を考えたうえで、具体的な内容を考えていきましょう。
さらに活気があるという意味があるAnimatedも重要なポイントです。
このステップでは、目標を達成したときにどのようなゴールが待ち受けているのかイメージすることが大切です。
ゴールが見えていない段階での目標設定だと、間違った方向に進む可能性があります。
自分が目指すゴールをイメージしたうえで、何をするべきか考えていきましょう。
そして、Requiredは必要とされていることを示しています。
目標を達成しても、必要とされていないことなら仕事の成果にはつながりません。
自分が目標を達成するために何を求められているのか把握し、そのうえで何をするべきか考えることが大切です。
最後にHARDゴールのDは、困難を意味するDifficultのことを指します。
目標を達成するためには、さまざまな困難が待ち受けている可能性があります。
困難を最初に予測し、どのような対処が必要になるのか考えておくことも必要です。
このようにHARDゴールでは、達成のために必要なことだけではなく、困難の部分も最初か考慮に入れています。
困難も含めて考えていくことで、トラブルがあっても最後まで目標達成に向かって進みやすくなるのです。
特徴を把握したうえで、より良い形で目標設定度のメソッドを使いこなせるようにしましょう。
状況に合わせてどのようなメソッドが適しているのか考えていくこともポイントの1つです。
GoogleのOKR事例
OKRを階層的にわける
Googleは、比較的早い段階でOKRを導入した企業の1つです。
そこでどのような形で活用されているのか知ることで、より良い形で目標の設定ができるように考えていくことも可能です。
成功例を参考にしながら、業務のために必要な目標の設定と管理について考えていきましょう。
例えばGoogleでは、OKRの更新スパンを2種類設定しています。
3ヶ月ごとと1年ごとの2種類のスパンに分けることで、状況に応じた対応ができるようにしているのです。
3ヶ月ごとのスパンでは、従業員がOKRを4~6つ設定します。
3つ以下の少ない目標だと成長が見込まれず、7つ以上だと数が多くて達成が困難なため4~6つの目標にしているのです。
無理のない達成目標を作ることで、無理なく業務が進められる環境を整えています。
また、GoogleではOKRを階層的にわけているという特徴もあげられます。
全社レベル・チームレベル・マネージャー層・各従業員という形で分類しているのです。
このような階層的なOKRを設定することで、個々が無理のない状況で目標を定めていくことにもつながります。
全社レベルのだけだと、各従業員まで落とし込めずに合わないものになってしまう可能性があります。
しかし、階層的なOKRがあれば、個人の状況に合わせて考えていくことが可能です。
また、レベル別に考えていくことには、企業の目標と従業員の目標を結び付けられるというメリットがあげられます。
全体の目的の方向性がバラバラだと1つの業務に取り組むのが難しくなります。
全体の方向性となる全社レベルの目的があって、そこからレベル別の目標があることでバランスをとって企業の方向性を定めることにもつながります。
達成レベルの設定
ほかにもGoogleにおけるOKR事例のポイントには、達成レベルの設定があります。
GoogleのOKRでは、目標の達成率を0.0~1.0というスケールで表現します。
そして目指す目標の達成率は1.0ではなく、0.6~0.7なのです。
もしも1.0以上の目標を達成した場合、簡単すぎる設定だと判断されます。
一方で0.4以下の達成度であれば、何が悪かったのか考えて次に活かすことが大切という考え方になっています。
簡単すぎず難しすぎず、ちょうどよい目標の設定が大切だという点を押さえておきましょう。
このように目標は達成すればいいというものではなく、どの程度達成できたのかという点も大切になってきます。
ちょうどいい難易度設定をすることで、次につながる目標を立てることにもつながるのです。
今の状況を考えたうえで、次に何が必要か決めて考えていくのもポイントの1つです。
また目標が達成できなくて何が悪かったか考えていく場合でも、考えられる可能性は1つではありません。
さまざまな方向性から考えていくことで、次に何が必要か状況を整理しやすくなります。
個々の従業員だけではなく、チーム全体で検討できる環境を整えているというのも、GoogleにおけるOKRの特徴の1つです。
GoogleのOKR事例で特に注目するべきポイントとなるのが、目標の透明性です。
従業員が個人で目標を設定していても、公表はしないものというイメージを持っている方も多くいます。
しかし、Googleの場合にはすべての従業員がOKRを社内で公開しているのです。
OKRを社内で公開できる秘密の1つが、人事評価制度ではないという点です。
人事評価制度がある目標だと、従業員同士の関係悪化にもつながってしまう可能性もあります。
しかし、人事評価制度とは結び付けないことで、従業員一丸となってOKR達成のために進みやすい環境を整えていくことにつながります。
さらにGoogleがすべての社員のOKRを社内で公開している理由には、サポートが必要な従業員や問題を抱えたチームを素早く特定できるという点もあげられます。
社内で公開することで、目標が達成できていない従業員やチームがすぐにわかります。
誰が達成できていないのか把握できれば、ほかの従業員やチームが適切なサポートが行えます。
このようにお互いが助け合うことで、社内が活性化し効率よく業務を進めていくことにつながります。
過去のすべてのデータを蓄積しておく
ほかにもGoogleのOKR事例におけるポイントの1つが、過去のすべてのデータを蓄積していることです。
過去のデータを蓄積しておくことで、チームや従業員の成長もわかりやすくなります。
成長を可視化することで、従業員のモチベーション維持にもつながります。
自分が成長していないとデータに残ってしまうことで、成績をあげようと努力するきっかけにもなります。
このようにGoogleでOKRが成功している背景には、さまざまなポイントが存在しています。
OKRを導入すれば必ず成功するというわけではなく、さまざまなポイントを押さえていることで成功へとつなげているのです。
実際にOKRの導入を検討する場合には、全体を考えたうえでより良い形で取り入れられるように検討していくことも忘れないようにしましょう。
また、GoogleがOKRで成功しているからといって、同じように取り入れたところでうまくいくとは限りません。
個々の企業の体制や業務内容などさまざまなポイントに応じて、適した目標の設定や管理のやり方は変わってきます。
他所のやり方をそのまま取り入れるだけではなく、自社に落とし込んでより良いものを作っていくのがポイントの1つです。
最初は他社の事例を参考にしたとしても、定期的に見直しながら自社に合ったものに作り替えていくことが大切です。
そして、目標の管理や設定は、企業側が一方的に行うものだけではいけません。
実際に目標を達成するのは従業員側なので、双方で考えていくのもポイントの1つです。
一方通行ではなく双方の意見が取り入れられたものを作っていくことで、より良いものになるのです。
より良いものにするために何が必要か従業員の意見も取り入れつつ、目標の設定と管理を行っていきましょう。
忘れてはいけないのが無理のない形で取り入れることです。
企業を発展させるために何が必要か考え、無理のない形で取り入れられるようにしっかりと検討していきましょう。