コールセンターにおけるFAQの作り方とおすすめのシステムとは?
テレマーケティングって何?CTIシステムは大企業じゃないからうちには無用なんて思っていませんか? 売上向上のための有効な方法として一層注目されるようになったテレマーケティング。 本稿では、オフィスでもテレワークでも出来るテレマーケティングの成功のコツ、業務のすべてを見える化するポイント、基礎知識やをご紹介していきます。
FAQとは?
コールセンターで業務の効率化を叶えるためにはFAQが必須です。
FAQという言葉自体は良く見聞きするという人、実際に使ったことがある人も多いはずですが、これを取り入れる前には正しい知識を持っておく必要があります。
言葉の正確な意味や役割などを知らないと、完成度の低いFAQになってしまう危険性があるでしょう。
最初に基本的な特徴や役割を確認した上で、コールセンター業務との関係性について考えられるようにしておくことがおすすめです。
FAQは「Frequently Asked Questions」の略語
であり、正式名称は「フリークエントリー・アスクド・クエスチョン」と読むことができます。
日本語に翻訳すると、頻繁に尋ねられる質問となることを知っておきましょう。
分かりやすく「よくある質問」と表記されることも多いですが、これもFAQと同じものだと考えることができます。
多くの場合、これは企業の公式ホームページや企業が運営している公式アプリなどに掲載されており、取引先や顧客が簡単に確認できるようになっていることが大きな特徴です。
企業や製品・サービスに関して疑問があるとき、FAQがなければ取引先や顧客は直接企業へ問い合わせを行って答えを探すことになります。
問い合わせは確実に答えを見つけやすいというメリットがある一方で、電話をかけたりメールを送ったりすることは手間がかかると感じる顧客も多いです。
企業からしても、似たような質問を多くの取引先や顧客から受けることになってしまえば、本来の業務に支障が出てしまう可能性があります。
そこで用意されるようになったのがFAQであり、これがあることによって取引先や顧客は簡単かつ速やかに求めていた答えを手に入れることができ、企業はちょっとした問い合わせの量を減らせるようになったと言えるでしょう。
そして、FAQは顧客が利用するためのものとして用意されることはもちろんですが、従業員が利用するためのものも存在します。
よくある質問の基本的な構成は質問であるQuestionと回答であるAnswerです。
想定される質問が「Q」であらわされ、それに対する答えが「A」であらわされているのを見たことがある人も多いでしょう。
例をあげるとすると、「Q.消費期限はどこに記載されていますか」「A.パッケージの下部に記載されています」のような表記です。
あらかじめ質問を受けることになるだろうと考えている質問と答えを用意したり、実際に問い合わせを受けたことがある内容をQ&A化していたりするケースが多いと言えます。
質問と回答の1対ごとに区切られていることもFAQにおける構成の特徴です。
ホームページやアプリ上のFAQは誰でも利用することができます。
製品を購入して使っている人は当然のこと、まだ製品を購入したことがない人でも確認できるページです。
公式ホームページにアクセスした人やアプリをインストールした人であれば、誰でも閲覧できる状態になっています。
質問や回答を確認するために会員登録や費用が発生するということもなく、気になったことがあるときには気軽に活用できる存在です。
設置が義務づけられているものではありませんが、顧客が必要な情報を簡単に入手できる状態を作るために自主的に取り入れている企業が多いと言えます。
FAQを設置することのメリット
には、顧客満足度の向上・問い合わせ件数の削減・問い合わせ情報の有効活用・SEO対策になるというものがあげられるでしょう。
先述した通り、FAQがあれば顧客は手間をかけることなく疑問を解消することができます。
手間がかからないことはサービスや企業に対する満足度に繋がり、企業にとって良い影響がもたらされるでしょう。
問い合わせ数の減少も分かりやすい成果であり、これがある場合とない場合では問い合わせ量が全く違っているはずです。
FAQを用意しておいても問い合わせを受けることがありますが、その場合はこのページで解決できなかった内容であることがほとんどだと言えます。
想定していなかった問い合わせを受けることができると、問い合わせ内容について充実した分析ができるようになるでしょう。
分析結果はFAQページの加筆修正だけでなく、製品やサービス自体の改善に繋がることもあります。
SEO対策に役立てられることも大きなメリットです。
多くの人に見てもらえるようにホームページを上位に表示させたいのであれば、SEO対策が必要不可欠となります。
訪問者にとって有益なコンテンツが充実しているホームページほど高い評価を受けやすく、検索エンジンでの上位表示に繋がるため、顧客にとって便利なコンテンツであるFAQを設置することで上位表示を目指すことが可能です。
必ずしも全てのメリットを理解して取り入れている企業ばかりではありませんが、具体的なメリットを確認しておくことで何のために導入するのか整理できるようになり、より効果的なページが用意できるようになるでしょう。
FAQに明確な決まりやルールはありません。
よくある質問と回答がまとめられているのであれば、FAQとみなすことができます。
用意すべき質問と回答の数は決まっていないですし、文章量に関しても規定があるわけではないです。
そのため、企業ごとに自社独自のFAQを設けることができます。
制限がないので情報を発信しやすく、自由な取り入れ方でFAQを運用していくことが可能です。
作成方法も様々で担当者で考えた質問と回答を運用担当者がホームページに組み込むというやり方もあれば、ツールを活用することで自動的に質問や回答を作ったりホームページやアプリに反映させたりする方法もあります。
よくある質問をあらわしているFAQは顧客にとっても企業にとっても便利なものです。
現在ではほとんどの企業が取り入れていると言っても過言ではないほど、FAQが設置されています。
設置は義務ではないものの、用意しておかないと不便や不親切だという評価、業務効率の低下に繋がりかねません。
基本的な特徴について理解を深め、自社でもこれが導入できるようにしておくことをおすすめします。
ただし、コールセンターにおけるFAQは一般的に考えられるものと性質が違っていることがあるため、基本的な知識を持った上でより理解を深めていくことが大切です。
FAQの種類
FAQは主に3つのタイプに分類することができます。
一般ユーザー向け・コールセンター向け・社内向けの3つがあり、それぞれ利用する人物は顧客・オペレーター・従業員となっていることを知っておきましょう。
目的や対象者は違っていますが、3つともコールセンター業務の円滑化を実現するために貢献してくれるものです。
FAQを用意する前には、それぞれにどのような特徴や違いがあるのか確認しておいてください。
一般ユーザー向け
のものは、先述したように顧客を対象としたよくある質問です。
サイトやアプリに設置することになり、顧客が自分で疑問を解決するためのページだと言えます。
特徴はインターネットに接続できる環境があれば、時間や属性に関係なく誰でもアクセスできることです。
疑問があるとき、コールセンターに問い合わせる必要があれば営業時間内でないと質問することができません。
休日や夜遅い時間帯に気になることがあったとしても、対応してもらえないことがほとんどです。
忙しい顧客であれば、多忙を理由に営業時間に電話できず、何日も問題が解決できない状況に陥る可能性があるでしょう。
FAQには営業時間というものが存在しないため、自分の都合が良いタイミングで答えを探すことができます。
電話をかけてやり取りを行ったり、メールを作成して問い合わせを行ったりするよりも短時間で解決できる点も便利なポイントです。
企業によってユーザー向けFAQに記載する内容は大きく違っているものの、製品やサービスに関する内容、購入や返品に関する内容などが多いです。
オンラインショップを運営する会社を例にあげるとすると、送料や配送期間、クーポンが併用できるかどうかなどが取り上げられていることが多いと言えます。
一般ユーザー向けなどと注釈がつくわけではなく、企業のホームページやアプリで不特定多数の方に向けて公開されているものはこれだと考えて問題ないです。
コールセンター向け
のものは、コールセンターで働く人が顧客から受けた問い合わせに迅速かつ確実に回答を行うために用意されているFAQだと言えるでしょう。
オペレーターは自社の製品やサービス、受けやすい質問などについてしっかりと勉強をした上で業務に取り組んでいます。
多くの場合は、手元にあるマニュアルや自分の中にある知識を参考にすることで顧客の悩みを解決していけるはずです。
ですが、オペレーターは何でも知っているというわけではありません。
マニュアル化されていない質問を受けることもあれば、新人が複雑な質問を受けて困ってしまうケースもあります。
自分が持っている知識とマニュアルだけで対応できない問い合わせがあった場合に役に立つのがコールセンター向けFAQであり、最近はパソコンのシステム上で確認できる状態にしている会社が多いです。
会話を続けながらコールセンター向けFAQで回答を探し、顧客が求めるような答えが提示できるようにするものだと知っておくと良いでしょう。
事前にFAQを読み込んでおくと想定される質問や回答を自分の知識として蓄積することができるので、勉強を目的として活用するオペレーターもいます。
コールセンター向けのFAQの例として、新製品やサービスに関してありがちな質問と回答が掲載されることも多いですが、クレーム時の対応などが書かれていることも多いです。
時間をかけて説明や謝罪を行っても顧客が納得してくれないときの対処法、上司などに対応を引き継ぐタイミングなどが記載されることもあります。
作成時には顧客と電話する上で役に立つ情報を凝縮することになるでしょう。
社内向けFAQもあることを知っておきましょう。
コールセンター向けと同じではないのかと思うかもしれないですが、この2つは利用者や目的が異なっています。
社内向けのものは社内業務をスムーズに進めるために参考にできるFAQであり、各部署の仕事に特化した内容となっているわけではありません。
申請手続きの流れや社内システムの操作などに関して書かれることが一般的です。
多くの従業員が行う業務や作業に関する内容となっていることが特徴的であり、これを参考にすることで速やかに社内業務がこなせるようになります。
わざわざ分けることの必要性が分からない方もいるかもしれませんが、従業員向けという点では同じであっても、全体に関係のない業務についてまで組み込むと使いづらさの原因となるはずです。
検索機能などがついていたとしても、全体量が増えてしまうと関係のない質問と答えまで表示されてしまう可能性が高くなります。
コールセンター向けFAQのように基本的にその部門のスタッフが閲覧することになるものと、社内向けFAQのように全従業員が参考にできるものと分けておくことで、使い勝手の良いFAQにすることができるでしょう。
社内向けFAQが用意されていると、経費に関する疑問があるときに経理部に問い合わせる必要がない、パソコン操作トラブルが起こったときにシステム管理部に聞かなくても問題が解決できるなどの効果が期待できます。
特に同じ空間で働いていない部署の人への質問や問い合わせは手間がかかりますが、社内向けFAQによって手間をなくすことが可能です。
時間をかけることなく自分で問題が解決できるので、それぞれの従業員が自分の仕事に割く時間を無駄にしなくて済むという効果まで期待することができるでしょう。
FAQと言っても、誰を対象としたものであるかによって内容は大きく違っています。
全く性質が違うものなので、どれを取り入れるかによって得られる効果も異なってくると分かるはずです。
顧客の問い合わせ数を減らしたいのであれば顧客向けを用意することになりますし、オペレーター業務の品質均一化を目指すのであればオペレーター向けを用意しないといけません。
違いを理解しておかないと、自社に最適なものを作成することができなかったり、作成の際にどのように線引きすれば良いのか分からず戸惑ってしまったりすることもあるでしょう。
主にこの3つに分けて考えれば良いため、各種類の基本情報や用途を把握できるようにしておくと良いです。
コールセンターにFAQを設置するメリット
コールセンターにFAQを設置することの利点はたくさんあります。
顧客向けのFAQとオペレーター向けのFAQのどちらも、コールセンターで働く人にとって嬉しい存在です。
作成や設置を行うことが面倒だと考えて設置しないケースもあるでしょう。
まだ設置していない場合や設置するかどうか迷っている場合は、具体的なメリットを知ってみてください。
最も大きなメリットはオペレーターの負担を大幅に軽減
できることです。
一般ユーザーに向けたFAQを用意しておくと、顧客が自分で問題解決を図ります。
FAQで解決できなかった場合はコールセンターへ問い合わせが行われるはずですが、多くの問題はこの時点で解決されるので問い合わせ件数を減らすことができるでしょう。
簡単な内容の問い合わせであったとしても、件数が多くなればオペレーターへの大きな負担となります。
引っ切りなしに電話対応をしなければならないという状況の解消や、早く次の対応をしなければならないという精神的負担の軽減に繋がるはずです。
コールセンター向けFAQの場合、これを参考にすることで失敗のない対応を実現しやすくなります。
きちんと処理できるだろうかという不安な思いを抱えずに済みますし、先輩やSVに頼らなければならないという申し訳なさを感じずに済むでしょう。
オペレーターの負担が減ると辞めてしまうスタッフを減らせたり、高いモチベーションで働いてもらえるようになったりするというメリットまで感じられるはずです。
殺伐とした空気の中で働かなければならないコールセンターもありますが、全体の負担が減ることで和やかな雰囲気の職場になる可能性が高いと言えます。
応対品質が高められる
ことも、コールセンターへFAQを設置するメリットです。
コールセンターにはたくさんの人員が配置されていることが多いですが、経験年数や持っているスキルは様々だと言えます。
現場で働く前に研修は受けますが、トレーニング期間の短さから十分なスキルが身につかないまま現場に出ることになるケースが多いです。
また、丁寧に時間をかけてトレーニングを実施していても、新商品の発売や製品トラブルの発生などで研修で学ばなかったような対応が求められることもあります。
オペレーターが参考にできるFAQがあると、新人であったとしてもベテランスタッフ並みの回答を実現できることも多いです。
対応やスキルが不十分であったスタッフの応対品質が向上できるでしょう。
同じような質問を受けたときに、オペレーターごとに違う対応を行うと問題になる恐れがあります。
FAQがあることで全く違った回答をするリスクを回避しやすく、トラブルを防ぐことが可能です。
顧客満足度の向上
もFAQを設置することで実現できます。
コールセンターに電話をかけたのに繋がらない、オペレーターが応答してくれるまでの時間が長いとなると顧客はその企業に対してネガティブな気持ちを持ちやすくなるでしょう。
商品やサービスを利用する上で経験したトラブルによって、既に顧客がイライラしているケースも多く、繋がらないことや待たされることで怒りが爆発してしまうこともあります。
一般ユーザーに向けたFAQがある場合は、顧客はまずこれを参考にする可能性が高いです。
電話にて質問するよりもスピーディーに求めている答えが得られることが多く、コールセンターへ問い合わせを行うときよりも満足度が向上しやすいと言えます。
FAQで解決できない内容は問い合わせが行われますが、コールセンター向けFAQを用意しておくことでオペレーターは迅速で正確な対応ができるはずです。
FAQがない場合よりも素早く的確な答えを得やすいことからも、顧客満足度が向上しやすいと言えるでしょう。
顧客満足度の向上は会社全体の評価を高めることに繋がるため、FAQの設置は企業にとって嬉しい結果をもたらすものだと言えます。
コストを削減
できることも魅力的なポイントです。
コールセンターは働く人が多いので人件費が高くなりやすい傾向があります。
正規雇用ではなく非正規雇用であることも多いですが、人数が多ければそれだけ多くの給料を支払うことには違いがありません。
1件1件の処理に時間がかかれば人員を増強することになり、結果として更に高い人件費を費やすことになるでしょう。
FAQの設置で問い合わせ数を減らすことやスムーズな対応を実現することができれば、少ない人員でも問題なくコールセンターを稼働させることができます。
繁忙期だけ人を増やすなどの柔軟な配置が可能となるため、コスト削減が叶うでしょう。
新規採用のコストをカットすることも可能です。
オペレーターの負荷が大きかったり、働きづらい環境であったりすると、せっかく雇ったスタッフがすぐに辞めてしまう恐れがあります。
コールセンターの中には絶えず人が入れ替わり、常に新しい従業員を募集しているケースも少なくありません。
FAQの設置でオペレーターの負担が減り、働きやすい環境を生み出せるようになると離職率低下に繋がる可能性が高く、採用にかけていたコストまで節約できるようになります。
教育コストの削減も可能です。
長い時間をかけた研修などがなくても高品質な対応となりやすいため、たくさんのコストをかけて教育を行わなくても新人に即戦力として働いてもらうことが可能です。
コールセンターにFAQを設置すると、数多くのメリットが感じられるようになります。
オペレーターが無理なく働く環境を作り出せますし、大幅にやり方を変えなくても顧客の満足度を高めることが可能です。
コスト削減まで達成することができるので、迷わずにこれを取り入れたほうが良いと言えます。
今まで業務効率や応対品質の悪さ、顧客満足度の低さやコストのかけすぎなどで悩んでいた企業であれば、すぐにでもFAQを導入することがおすすめです。
どのタイプのFAQを導入するか迷うかもしれませんが、説明した通りコールセンター業務においては一般ユーザー向けもオペレーター向けも大きな効果を発揮してくれます。
どうせならば両方を導入することで、自社が抱えていたあらゆる問題を改善できるようにしておくと良いでしょう。
コールセンターにおけるFAQの作り方
便利なFAQをコールセンター業務のために取り入れたいと考えるのであれば、作り方を知っておく必要があります。
ハッキリとしたルールがないものだと説明しましたが、好き勝手に作ってしまうと分かりにくいものとなる可能性が高いです。
FAQは便利であることに意味があるので、使い勝手が悪いFAQになってしまうことがないように、手順を確認した上で作成を始めることをおすすめします。
初めにFAQを構成するための情報を収集しておくと良いです。
担当者がFAQに掲載する内容を考えようとしても、参考となる情報がなければ不十分な内容となります。
過去に受けた問い合わせの記録は非常に重要な情報源であり、ここから顧客から受けやすい質問を抽出することが可能です。
顧客情報や問い合わせ内容を管理するシステムを導入しているのであれば、システム上から過去の事例を確認することができます。
ただし、まだ導入していない場合や最近システムを導入したばかりという場合は、オペレーターが個別に情報を持っていることも多いです。
問い合わせ履歴などを確認するだけでなく、従業員への聞き込みを行うことも有効だと覚えておきましょう。
スタッフへ聞き込みを行う際にはアンケートを実施することがおすすめです。
担当者が1人1人を呼び出して聞こうとすると、膨大な時間が必要となります。
スタッフも途中で手を止めなければならないので、コールセンター業務に支障が出る恐れもあるでしょう。
アンケートであれば手が空いたタイミングで回答できるので便利です。
顧客とのトラブルに発展したことがある場合などは実名では事実を書きにくいことがあります。
たくさんの有益な情報を得たいときには、名前を記載しなくて良いアンケートにすると良いでしょう。
製品やサービスそのものから情報を集めておくことも大切です。
コールセンターで共通の認識を持つことができている製品やサービスであったとしても、実はいつの間にかマイナーチェンジをしていて細部が変わっているなどのケースもあります。
最新の情報を収集することで、正確な回答が作成できるようにしておくと安心です。
集めた情報は分類やカテゴリー分けをしなければなりません。
一般ユーザー向けのFAQとコールセンター向けのFAQのための情報を同時に集めたのであれば、どちらのFAQに該当するものか考えて分類を行う必要があります。
FAQのタイプに合わせて分類を行うだけでなく、更にカテゴリーごとに振り分けていくことがおすすめです。
疑問点があるときにFAQを参考にできると便利ですが、カテゴリー分けされていなければ自分が求める質問や回答が探しにくいという問題が起こります。
作成時にきちんとカテゴリーを分けておくと、まとまりがある順番で表示されるようになるため、見る人のストレスを軽減したりスピーディーな疑問解決が叶えられたりするでしょう。
オンラインショップのFAQであれば、「会員登録」「登録情報の変更」「購入について」「返品について」のようなカテゴリー分けが可能です。
取り扱う製品やサービスなどで違ってきますが、顧客の行動ごと、商品やサービスごとに分類すると分かりやすいでしょう。
数が多い場合はカテゴリー内で階層化すると見やすくなることがあります。
けれども、細かく分けすぎたことが原因で分かりにくくなるケースもあるので、階層化する場合は3階層程度にしてください。
実際にホームページ上などで確認したときに見づらさを感じるのであれば、カテゴリーの分け方や階層を工夫することで視認性を高めるようにします。
改行やフォントなどの影響で見づらくなっているケースもあるため、運用するときのリアルなページを参考にしながら改良を加えていくと良いです。
最後は質問と回答の形式で具体的な文章を考えていきます。
Q&Aの形になっていれば良いわけではありません。
使い勝手の良いFAQを完成させるためには、いくつかのコツを知っておくべきだと言えます。
最も大切なのは簡潔な文章にすることです。
実際に他の企業のFAQを参考にしてみると分かるはずですが、説明文が長々としているケースはほとんどありません。
仮に長い文章でFAQを用意しているものがあれば、読みづらかったり分かりづらかったりするはずです。
内容によっては短くすることが難しいと感じられることもありますが、その場合は分割して複数の質問と回答を用意したり、箇条書きなどの見やすい記載方法を取り入れたりすることをおすすめします。
専門的な用語を多用しないことも大切なことです。
社内向けの製品情報などを参考にしながら作成を行うと、専門用語を使った説明になってしまう恐れがあります。
顧客から分かりづらいと思われると同時に、専門用語ではキーワード検索でヒットしない可能性が高まるでしょう。
なるべく顧客が使用するような言葉に置き換えて文章を作成したほうが良いと言えます。
最新の情報になるように意識しておくこともとても大切です。
古い情報では問題が解決できないどころか、問題を悪化させるリスクもあります。
作成時に最新の情報であるかどうか気にかけることも重要ですが、完成して運用を始めてからも常に新しい情報を掲載できるようにしておかないといけません。
変更などがあるときには速やかに加筆修正を行うようにします。
FAQはオリジナルのものを作ることができるため、作成方法は色々だと言えるでしょう。
初めて作成する場合は作り方の流れや注意点を理解できていないことが原因で失敗する可能性があるので、紹介したような手順と注意点で作っていくことがおすすめです。
大変な作業に感じられるかもしれませんが、ポイントを知っておけばスムーズに作業を進めていくことができます。
一度FAQを完成させておけば、後は必要に応じて変更を加えていくだけなので、最初は時間をかけてでも丁寧に作っておくと良いでしょう。
SVのようなコールセンターのリーダー的ポジションの社員が作成担当者となるケースが多いですが、必ず現場に詳しい人が作成に携わることが大切です。
現場の声が反映されないと質の低いFAQになってしまうため、この点も意識しながら作るようにしてください。
コールセンターで効果を発揮するFAQシステムとは?
FAQを設置しておくことによって、コールセンター業務の円滑化や顧客満足度の向上を実現することができるでしょう。
便利で有難い存在であることには違いがありませんが、きちんと効果を発揮してくれるFAQを用意することが大切だと言えます。
優れたFAQを用意するためにはFAQシステムを活用することがおすすめです。
FAQシステムはFAQを作成することに特化したシステムであり、他の方法で作成するよりも完成度が高くなりやすい、作成後にも便利な点が多いことが特徴だと言えます。
詳しい特徴を知らないのであれば、FAQシステムを使うことにはどのような魅力があるのかチェックしておきましょう。
FAQシステムを使うのであれば、修正作業や追加作業が楽になります。
現在ではアナログな手法で作成や管理を行う会社が減っているため、紙ベースでの作成を想定しているケースは少ないでしょう。
仮に紙ベースで作ってしまうと、情報の追加や修正が難しいという問題が生じます。
FAQは最初に作成したものをそのまま使っていくわけではなく、必要に応じて加筆修正を行うことが基本です。
紙でオペレーターに配布している場合は、変更があるタイミングで新しく印刷し直したものを配布する、各々で自分が所持しているものを訂正するなどの作業が必要となります。
Excelのスプレッドシートを活用する例もありますが、こちらも長い目で見ると不便さが感じられる可能性が高いです。
馴染みのあるソフトで多くの人が使いこなせるという利点があるかもしれませんが、こちらは複数人で編集できないので更新の際に煩わしさを感じる恐れがあります。
FAQシステムの多くは共同編集機能が備わっているので、複数人で編集しやすいです。
利用するソフトによっては誰でも編集できる状態になっていることがありますが、操作ミスなどで意図せず情報を書き換えてしまう恐れもあります。
操作に不慣れな新人が誤って必要な情報を消してしまうというような問題が起こらないとも言い切れません。
FAQシステムは権限が付与された人物しか編集できないケースが多いですし、誤った操作があったときにもリカバリーできる機能が搭載されていることが多いので便利です。
効率的にFAQが作成できる点も魅力的だと言えます。
FAQシステムでは初心者でも簡単に作成できるようなテンプレートが用意されていたり、直感的な操作で見栄えの良いページが作れたりすることが多いです。
テキストだけではなく画像を掲載する仕組みやファイルを添付する仕組みが整っていることも多いため、文字情報以外も取り入れた高品質なページに仕上げやすい傾向があります。
作成したものを簡単に自社のホームページやアプリに組み込めるシステムも多いため、コードやプログラムを書きながらサイトやアプリのページを作っていくことが苦手な人にもおすすめです。
高度な知識やハイレベルなスキルがなかったとしても、自社に合ったページを手早く作り上げることができます。
SVなどが作った原案をもとにシステム担当者が作成を行うケースもありますが、システムを導入することでSVなどのコールセンターの人材が最後まで作成することも可能です。
必要な回答がすぐに見つかることも、このシステムの優秀なところだと言えます。
FAQシステムにはキーワードで検索できる機能だけでなく、カテゴリー別検索のような便利機能が搭載されていることも多いです。
質問と回答を並べているだけで検索ができないと、スクロールして求める情報を探し出さなければならないので手間がかかります。
便利機能が用意されているFAQシステムで作成したものであれば、顧客が利用する場合もオペレーターが利用する場合も、求めている情報を瞬時に見つけやすくなるので利便性を高められるでしょう。
オペレーターが使用するFAQはExcelスプレッドシートなどで作られることも多いですが、こちらは掲載数が増えたときに検索に時間がかかったり表示された結果が見づらかったりするトラブルが多いと言えます。
FAQシステムはデータ量が膨大になったときでも速やかな検索が実現されますし、複数の項目がヒットする検索が行われた場合でも視認性が高い表示方法で目当ての情報を素早く見つけられることが特徴だと言えるでしょう。
的確な改善が実現できることも、このシステムを使うことの魅力です。
FAQは改善を加えてブラッシュアップしていくべきものですが、システムを活用すれば質問や回答の自動作成も可能となることがあります。
問い合わせ情報が保存されているシステムと連携させることで、まだ質問と回答が用意されていないけれど質問を受けることが多くなっている内容を抽出することも可能です。
継続してFAQを改善していくためには、担当者が随時問い合わせ内容の把握やFAQへの反映を行っていかないといけません。
毎日この作業ができるわけではないため、しばらく放置しておくことでいつの間にかFAQの品質が著しく低下していたという問題が起こるリスクもあります。
システムによって追加したほうが良いFAQが自動的に作成できるようになれば、担当者が時間をかけなくても常に品質の良いページが用意できるようになるでしょう。
分析機能が備わったシステムも多く、その場合は顧客からよく見られている質問やオペレーターが参考にしているものが分かることもあります。
傾向を知ることができれば、今後はこういった質問を受ける可能性が高いなどと対策が講じられるようになるという便利さもあるでしょう。
コールセンターではFAQを用意して活用したほうが良いですが、その際にはたくさんの魅力を持っている専用のシステムを活用することを検討してみてください。
システムを導入するためにコストが発生しますが、品質の良いFAQを作ることができれば業務効率向上や人件費や教育費の削減を叶えることができるため、メリットのほうが大きいと言えます。
現在ではたくさんのシステムが登場しており、サービスごとに使える機能は異なるため、自社で用意したいFAQに合わせてサービスを選ぶようにすると良いでしょう。
投稿者プロフィール
- コールセンター運営歴10年以上。
オペレーター、SV、マネージャー、センター長まですべてを経験。
学べる情報を配信します。