コールセンターのマニュアル作成と活用方法を紹介!
テレマーケティングって何?CTIシステムは大企業じゃないからうちには無用なんて思っていませんか? 売上向上のための有効な方法として一層注目されるようになったテレマーケティング。 本稿では、オフィスでもテレワークでも出来るテレマーケティングの成功のコツ、業務のすべてを見える化するポイント、基礎知識やをご紹介していきます。
コールセンターのマニュアル作成でおすすめの内容
コールセンターのマニュアルとは?
コールセンターは企業間取引が多い会社にとって、クライアントや消費者などとの重要な接点の一つです。
ホームページや各種のSNSなどの活用が普及していますが、依然として電話を通じたユーザーとの接点であるコールセンターの重要性に変わりはありません。
コールセンターのオペレーターにてわたすマニュアルは、電話対応の品質向上やオペレーター業務の効率化につながるのはもちろん企業の社会的イメージやブランディングにも大きな意義をもつのも明らかです。
つまりコールセンターのマニュアル作成は、オペレーターの品質管理に重要な事項でマニュアルの室によっては業務効率化を左右する課題といえるわけです。
しかし、そもそもコールセンターにマニュアルが必要なのか疑問をもつ方もいるでしょう。
そこで今回はコールセンターの業務効率や品質向上につながるマニュアル作りのポイントを御紹介したいと思います。
まずコールセンターにおけるマニュアルの意義を確認しておくと、色々な個性や特徴を持ったオペレーターがそろって安定した品質の回答を提供できるように、見本となるルールやマナーをまとめたものです。
それぞれのオペレーターの性格や前職・経験などにより、得手不得手はまちまちです。
特に数多くのオペレーターが一堂に会するコールセンターでは、上手に対応して裁いているスタッフと、なかなかスムーズに対応できないスタッフの違いが色濃くなります。
例えば具体的に説明する内容では同じでも、お客様にていねいで分かりやすい説明ができるスタッフがいる一方で、早口で話をするクセをもっているスタッフ存在するでしょう。
対応するオペレーターにより、接し方や話し方にばらつきがでるようなコールセンターでは、コールセンターはもちろん企業全体へのイメージが左右されるリスクがあります。
スキルや経験が必ずしも安定しないオペレーターが、相応の品質で問い合わせに適切に対処するには、マニュアルで対応を定型化することが重要です。
マニュアルは、正しい日本語の使い方はもちろん、基本的なビジネスマナーや頻度の高い質問への回答、クレーム対応のルールなどが主軸に構成されることになります。
コールセンターのマニュアルに記載するべき概要が明らかになったところで、次に問題になるのは具体的にどのような内容を盛り込むべきか、という点です。
トークスクリプトとは?
オペレーターがスムーズに電話対応するには、少なくとも会社概要・コールセンターのルールや社内規則・商品サービスの知識、そしてトークスクリプトが必要になります。
トークスクリプトとは、問い合わせ内容に対応する回答例などが記載されている台本のことです。
それでは各項目を、それぞれ説明していきます。
売上の概要など、会社のあらましを紹介したものです。
会社概要なんてオペレーターに必要か疑問、という方もいるかもしれません。
ところが実際には会社について詳しく質問してくる人もいます。
代表の名前や資本金・設立年月日や本店所在地など、オペレーターが記憶しておく必要性の低い事項はスクリプトにしておけばスムーズに回答できます。
他方で会社の方針や経営理念を認識させることは、会社への帰属意識を高めることにもつながるのでマニュアルに記載することがベターです。
コールセンターのルールや社内規則は、コールセンター業務を円滑に進めるには、それぞれのオペレーターが各自が事前に把握しておく必要があります。
社内規則には業務時間にはじまり、服装基底や残業手当の計算方法なども記載されています。
いちど内容を読んでみて、中身の理解が住んでいれば読みかえすこともないかもしれません。
ただしイレギュラーな事態に遭遇したときは、必要に応じて社内規則などを確認する必要があります。
コールセンターでもっとも頻度が高い質問のひとつは、商品やサービスにまつわる内容です。
コールセンターで取扱っている商品の数が多くなれば、案内する内容も多岐にわたります。
コールセンター業務のなかでは商品詳細を再確認する機会も多くなるはずです。
売れ筋上位の商品など詳細を知っている場合は自然に記憶されるものですが、あまり問い合わせの機会がない商品などについては、仔細を良く分かっていないことはしばしば経験されます。
たまに質問される商品についてもマニュアルに記載しておくことで、迅速に案内や回答で対処することが可能になります。
トークスクリプトとは?
マニュアルのなかで、オペレーターが使用する頻度が一番高いのが、トークスクリプトです。
コールセンターによってはトークフロー、つまり会話の一連のながれと呼ばれることもあります。
トークスクリプトは会話での使用を前提にしており、かしこまった形式で上程される著作物や論文などではありません。
電話の向こう側のクライアントの性格や知的関心などもばらばらなので、相手が感情を害されることがないように、必要な情報を認識できることが基本になります。
このようなマニュアルの正確にてらすと、トークスクリプトは話し言葉で記載しておくことをおすすめします。
話し言葉で記述しておくことで、オペレーターはそのまま読み上げるだけでお客様への対応がすむので効率的かつ顧客満足度の高い対応が可能になります。
また現場でクライアントから寄せられた事例をたたき台に作られているので、新人でも自信をもってクライアントに対応できるうえに、対応方法をコールセンター内で統一することにもなります。
とりわけ新人オペレーターは、トークスクリプトを眼にしながら問い合わせに対応することになるわけです。
業務に取り掛かったばかりの頃は不安や焦りがある中、緊張して頭が真っ白になってしまうことも想定されます。
トークスクリプトを常に参照できる条件であれば、パニックになることなくクライアントからの問い合わせに対応できるはずです。
なお業務に活用するパソコンやアプリなどの利用方法は、業務を経験するなかやOJTで自然と身に付くものです。
とはいえ使用頻度の低いツールになると使用方法を忘れがちになるので、業務で使用するツールの使い方などもまとめて記載しておくことが必要と言えます。
コールセンタートークスクリプト作成の3つの手順
マニュアルの重要性
コールセンターを円滑に活用するにはマニュアルは必須の存在です。
ただしマニュアルの共通した雛型のようなものが存在するわけではなく、それぞれのコールセンターの規模や人数、使用するツールや問いあわせの傾向や中身などに応じて、個別具体的に作成することが前提になります。
コールセンターの運用を開始した当初はもちろん、今後の顧客対応の品質向上の為にマニュアル及びその革新とも言えるトークスクリプトを作成するときには、注意するべきポイントがあります。
それではどのような点に留意して、マニュアルなどを作成すれば、作成後の円滑なコールセンター運営を可能にするのでしょうか。
まず業種や規模に関係なく順守するべきなのは、誰にでも理解できるマニュアルであることを意識することです。
専門用語を多用したマニュアルであったり、技術的に高度な内容を解説しているマニュアルでは、理解に個人差が出ることがあります。
理解に個人差があるということは、専門家の意図を読み込んで適切な案内をできるオペレーターもいれば、理解が難しいオペレーターも存在するということを意味します。
特にコールセンターでの勤務がはじめてというオペレーターにとっては、難しい専門用語や初見の言葉を目にすると、意図どころか中身の理解もおぼつかない恐れもあります。
そもそもマニュアルの位置づけは、様々な特徴や素質をもつ人が、一定のスキルを身につけることで実践可能になることを想定した、「お手本」です。
つまり誰でも実践できる再現性の高い内容でなければどれほど努力を傾注して作成しても、マニュアルとは名ばかりの絵にかいた餅とかしてしまうものです。
マニュアルを作成するときには、業界未経験のオペレーターでも理解できるような言葉で構成すると、より理解度を高めることにもなります。
何より理解できない事項はできる限りへらすように配慮することで、オペレーターのモチベーションも維持されることにもつながります。
トークスクリプトの作成の仕方
予備知識の少ない第三者でも理解できるマニュアル作りを前提に、次に問題になるのはトークスクリプトの作成になります。
それというのもコールセンターのオペレーターには一定事情の品質の均一性が求められますが、それを可能にするのがトークスクリプトです。
現在のオペレーターの対応の出来不出来はトークスクリプトに依存しているといっても過言ではありません。
マニュアルのなかでも利用頻度が高く、オペレーターの応対品質や業務効率化を左右するのがトークスクリプトです。
それではどのようにコールセンターのトークスクリプトは作成するべきなのでしょうか。
この問題は3つの手順を踏んで作成するのが効率的です。
コールセンターのトークスクリプトの作成手順の概要は、評価の高い人の話をききだす・見やすいレイアウトにまとめる・ロールプレイングでブラッシュアップするという三段階になります。
まずトークスクリプトを作成するときの出発点になるのは、実際に対応していて評価の高いオペレーターの会話を定型化することです。
平たく言えば業績のよいオペレーターの対応や振る舞いをマニュアルにするわけです。
上手な人の真似をするのは、あらゆる技術習得に共通するスタイルですがコールセンターではどのようなメリットがあるのでしょうか。
そもそも業績の高いオペレーターは対応能力が高く、多士済々のお客様にも柔軟に対応できます。
いわば「優れた対応」をしているオペレーターのクライアントとのやり取りをスクリプトとして形式化することで他のオペレーターも、応対能力の高い顧客対応が可能になります。
つまり評価が高い人の応対をコールセンター内で共有することで、どのオペレーターが対応しても顧客満足度を低下させることなく、コールセンター運用が可能になるわけです。
モデルになるオペレーターの会話はとにかく、文字にすることが大事です。
トークスクリプトは常に改善していくことが大事
次の課題はいかに理解しやすくまとめるかという点に映ります。
そのためお手本になるオペレーターの会話をまとめれば、見やすいようにレイアウトを工夫することが重要になってきます。
その作業のためには質問をまず項目ごとにまとめておきます。
具体的にはお客様への商品説明や契約内容の確認・住所変更・サービス内容の変更や解約など、関連する質問を大まかなカテゴリーで分類しておきます。
お客様の質問を想定して、質問による分類・実際の記述方法など見やすいように工夫することで、オペレーターはその都度・シチュエーションに最適のトークスクリプトを効率的にさがしだすことにつながります。
トークスクリプトは文字化するので、状況によってはていねいな説明が必要になることもあります。
場合によってはかなりの長文や文字数になることも想定されるところです。
たとえ長い文章であっても、オペレーターにとって読みやすく、案内しやすいようにレイアウトされることは大事です。
横に長い文章よりは、適度に改行すると読みやすいトークスクリプトになります。
適度に段落や箇条書きなども挿入しながら、限られた時間のなかで対応を迫られるオペレーターにとって負担にならないようにすることも、レイアウト構成を考える上では重要な視点です。
トークスクリプトはいったんマニュアル化に成功しても、それで終了と言うわけにはいきません。
オペレーター同士でロールプレイングしながら、内容をブラッシュアップしていくわけです。
オペレーターの一方はクライアントになり、他方のオペレーターと実際のやり取りを再現してみます。
オペレーター同士で実践するだけでも、マニュアル作成時には想定していなかった課題や改善点が見えてくるはずです。
もちろん業務現場で対応するお客様は、想定外の質問をしてくるかもしれません。
商品に関連する専門用語について知らない、そんなシチュエーションもあります。
オペレーターが実際に経験してみて分からない事項が出てきたら、その内容をトークスクリプトに付け加えてトークスクリプトの改善を図っていきます。
新しい商品が登場したときは新たなトークスクリプトを付加していく必要もあります。
常に何が最適かを意識し、実践することが重要です。
コールセンターでマニュアルを上手に活用するコツ
オペレーターは目標を持つことが大事
ここまでコールセンターにおいて顧客対応の品質維持のために重要なマニュアル作り(お手本作り)と、その中心的役割を担うトークスクリプトについて御紹介してきました。
マニュアルが実際に完成するまでには、複数のスタッフや専門家の鋭意と努力のつみかさねが必要です。
そのような努力の結晶ともいえる、コールセンターのマニュアルは作成すればそれでよい、という性質のものではありません。
日々の業務のなかで旨く活用できてこそ、長所を遺憾なく発揮することができるわけです。
それではコールセンターで上手に活用するには、どのようなポイントに注意するべきなのでしょうか。
まずマニュアルを神聖視しないことです。
現場の経験を基に作成されたマニュアルは、優れた内容と高い再現性をもっているでしょう。
しかし金科玉条に順守することを、コールセンター全体で意識共有するだけというのは危険です。
お手本での対応が過剰に行き渡ると、対応が硬直的になる恐れがあるからです。
つまりマニュアルを作成したあとは、定期的に内容の見直しは必須といえます。
時代の流れが激しく価値観が錯綜する今日では、顧客のニーズにもトレンドや変化は避けられません。
もちろん電話によるていねいな対応が基本であることに変わりはありません。
しかし、スマートフォンなどの携帯端末での会話や検索に慣れているユーザーにとっては、スピード感を重視することも当然考えられます。
ていねいな説明が冗長と捉えられることがないように、臨機応変な対応が可能になるよう必要に応じてマニュアルの見直しをはかり、オペレーターが困惑することがないように注意を払いましょう。
時代の変遷や会社の経営方針などに応じて見直しもリアルタイムに進めることは顧客満足度上昇にもつながるばかりか、コールセンターの品質管理全般にも寄与するはずです。
くわえてマニュアルの改善により、業務上の指針や目標が明確になると、仕事の成果や成長を個々のオペレーターが意識することになり、モチベーションもアップします。
マニュアルを上手に活用するコツ①
それでは実際にコールセンターでマニュアルを上手に活用するコツは、どのような内容が考えられるのでしょうか。
作成して活用する上でのポイントは、マニュアル通りのがちがちの対応に傾かないことと、マニュアルを常にブラッシュアップしていくこと、この二点に集約されます。
以下、この二点を中心により検討を深めてみましょう。
コールセンターでマニュアルを上手に活用する上での最初のコツは、硬直的なマニュアル通りの対応に終始しないことです。
コールセンターで話をするオペレーターは、ロボットなどのプログラムではなく人間です。
会話の相手も人減である以上、すべてのクライアントにとってマニュアル通りの対応が良好なパフォーマンスにつながらない場合があります。
マニュアルを意識するあまり、トークスクリプトの再現に傾注しすぎると、話し方がかたくなり最悪の場合棒読みになってしまうこともあります。
それではクライアントも血の通った対応をしてもらえたとの所感をもつ事は難しく、顧客満足度にもつながりません。
もちろん新人のオペレーターはトークスクリプトに忠実になるのは、ある意味当然のことです。
トークスクリプトは経験が少ない新人でも、一定以上のパフォーマンスにつながる言葉がまとまっているからです。
とはいえある程度、経験を蓄積し自分なりの対応スキルが見二対他のであれば、お客様の言葉に応じて柔軟に対応することが出来るようになるはずです。
マニュアルを上手に活用するコツ②
そしてコールセンターのマニュアルを上手に活用する二つ目のコツは、ブラッシュアップを怠らないことにあります。
コールセンターでタイプする顧客を巡る状況は、日々変化しています。
例えばある商品の販売促進キャンペーンが実施されているときは、その内容を加味した対応が要求されることになります。
販売促進のためにプレゼントやサービスなどが展開されていれば、応募条件の詳細など、日ごろのコールセンター業務では問いあわせにない事項が、短期間に集中することもあります。
また社会的ニュースやSNS上で「バズられた」ときも、問い合わせが集中することが想定される状況では、これまでにない事態に対応することが求められます。
そのような状況が事前に想定されるときは、迅速にマニュアルに追加することが重要です。
コールセンターは様々な思惑をもった人々が問い合わせをしてきます。
日々の業務を遂行するなかで、常に新たな解決を迫られる課題に遭遇することがあり得ます。
つまりコールセンターのマニュアル作りに終着点はなく、常に状況に応じて臨機応変に改善していくことが重要なポイントになります。
マニュアル作りと向き合う
コールセンターにおいてマニュアル作りは、個性豊かなオペレーターのスキルを、ほぼ一定レベルで維持運用することを可能にします。
オペレーターは基本的にマニュアルの応対を踏襲するので、どのようなマニュアルを作るのかにより、コールセンター全体の品質が左右されるため、マニュアル作成には時間を掛けることが求められます。
業界経験がないような新人のように、予備知識に乏しい第三者でも理解できる分かりやすいマニュアルが出来上がれば、業務公立がアップするだけでなく顧客満足度と企業への信頼感や親近感にもつながります。
これは最終的に企業価値を高めたり、対外的にはブランディング活動を日々の業務の中で実践することも意味するわけです。
また最近問題になっているコールセンターの高い離職率も、優れたマニュアルの存在により抑制することができるかもしれません。
コールセンターの問い合わせには多種多様な内容を含みます。
適切な対応を瞬時にくだせるほどの逸材は、コールセンターに一人いるかいないかという貴重な存在です。
経験や戸人の能力に依存するコールセンターでは、対応にばらつきがでてしまい、お客様も必要な情報や対応をしてもらえなかったと言うことにもなりかねません。
そのようなコールセンターではオペレーターの不安も高く、人材が集まりにくいと言った状況に陥るわけです。
まずは働きやすい環境と、コールセンターの品質を守るために何が必要か、を意識してマニュアル作りに向き合うことをおすすめします。
トークスクリプトの作成・検索が簡単にできるFAQシステム
FAQシステムの重要性
昼夜時間に関係なく問い合わせや質問、なかにはクレームなどへの対応などが必要になるのがコールセンターです。
消費者を始めとしたクライアントと、企業との架け橋となり社内の担当部署とのつなぎ役ともなる、コールセンターにはオペレーターが即座に解決できる定型的な内容から専門知識なしには状況すら把握できないようなものまで、多彩な問い合わせが殺到します。
電話の向こう側のクライアントとは声だけで情報のやり取りをしなければならないので、視線でリアルタイムに相手の感情や雰囲気を把握できないだけに対応には慎重さが求められます。
とはいえすべての場面に、熟練や経験だけでは裁ききれない側面があるだけに、現在ではコールセンター業務は自動応答システムで対応する部分とオペレーターが対応する部分などに分業することで対処する企業が増加しているようです。
しかし自動応答ではすくいきれない問い合わせに対するオペレーターの対応業務は、人間が対応する以上効率化には限界が指摘されていました。
このようなオペレーター業務の非効率性が大きく改善されるきっかけになったのは、FAQシステムの導入です。
従来は効率化が難しかった「オペレーターが対応する部分」も、FAQシステムの導入で効率化をはかることが可能になりました。
これまで比較的離職率が高くスタッフの確保に困難を認識していた企業でも、FAQシステムの導入によりオペレーターの負担を軽減し離職率の低下にも貢献できるようになっているのです。
そもそもFAQシステムとは、ユーザーから良く寄せられる質問や疑問点などを、内容や論点ごとに整理してユーザーが解決したい疑問に対して的確な回答を準備し提示するシステムのことを意味します。
なかでもコールセンター向けFAQシステムには、「クライアントが参照するページ」に加えて「オペレーターが参照するページ及び、それを作成分析できる管理画面」の二つが稼動しています。
このようにクライアントとオペレーターが参照するページを分割して稼動することで、トークスクリプトをたたき台にした顧客対応に色々なメリットを享受できます。
FAQページのメリット①
まずFAQシステムの主要機能である、顧客が参照するFAQページのメリットについて御紹介します。
企業ホームページでは、「よくある質問」を目にする機会があるはずです。
これこそがFAQページのことです。
FAQページを設置することで、クライアントの自己解決を促進することが可能になります。
例えばFAQページに検索窓などを設置すれば、ユーザーが直面する課題の解決策にたどり着くチャンスが高くなります。
それではユーザーにとって自主解決を可能にするだけでなく、得られるメリットには何があるのでしょうか。
コールセンターでは類似した質問が殺到することで、オペレーターは忙殺されているのがほとんどです。
FAQシステムは問い合わせの絶対数を抑制するので、オペレーターの負担を削減できます。
しかし「FAQページを充実させることで顧客満足度アップにつなげがるのか、疑問」との見解をもつ方がいるかもしれません。
この点は実際のクライアントがコールセンターにたどり着くまでの行動を分析すれば了解できるはずです。
hpから電話番号を見つけて、電話尾をかけてオペレーターがでるまでまつ、という経緯をたどります。
規模が大きくなれば10分以上電話の向こうで、ひたすら待っているということもしばしばです。
これではユーザーの焦燥やイライラはつのるばかりです。
皮肉なことにユーザーは問い合わせ以外の手段を思いつかないので、コールセンターに問い合わせが殺到するわけです。
このような事態もFAQシステムを導入することで、hp上で解決をみいだすことができるので、問い合わせのステージに移行する前の段階で解決可能になるので顧客満足度上昇にもつながります。
FAQページのメリット②
FAQシステムの二つ目のメリットである、「コールセンターのオペレーターが参照するFAQページを作成検索・分析できる機能」について御紹介します。
現在多くのコールセンターでは人材確保に困難を抱えています。
オペレーターの採用が難しい以上、少ない人数で効率的に顧客対応することがより強く要請されています。
このような状況で具体的に解決するべき課題は、以下の二つに集約できるわけです。
①少人数で対応しているため、マニュアルのなかから適切な回答をさがしだす必要があるので、一人当たりの受電数が減少している。
②もうひとつはクライアントからの質問の内容によっては、オペレーター自身で判断することができず、担当部署の専門家のサポートが必要で、問い合わせに長い待ち時間が発生していることです。
普通コールセンターでは、ユーザーからの問い合わせに即座に回答できる質問はその場で対処します
ところが複雑な内容になるとトークスクリプトの中から適切な問答を検索する必要があります。
場合によっては他部署のサポートが必要になることもあります。
この点FAQシステムを導入すれば大きく改善できます。
「質問内容を検索」するという操作をシステム上でするだけで、即座に回答を発見することができるからです。
しかも検索で表示された内容にそって案内することが可能になり、新人とベテランでの熟練度に左右されず最適の回答を提案できます。
新しい商品が追加されると、オペレーターは既存のマニュアルに新規の補足マニュアルを参照しながら、案内する必要に迫られスムーズな案内や説明をすることが困難です。
そのためマニュアルを補足資料を追加する都度、全オペレーターへの教育や周知徹底が必要になります。
それでは新規の業務負担が発生し多くの人的コストが発生するのは避けられません。
この点、FAQシステムを活用すれば、新商品が追加されるたびに、新規の問い合わせ内容を追加するだけで適切な案内や回答を提供することが可能になります。
オペレーターにとっても新商品などの詳しい知識がなくても適切に回答できることで業務負担は大きく軽減されます。
場合によっては回答内容が変更することもありますが、FAQシステムではデータ修正するだけで適切な回答につながるのもメリットです。
まとめ
具体的な情報を盛り込んだマニュアル作り
現在では企業の規模をとわず、ホームページを作ることは普通になりオウンドメディアを活用して情報発信をすることは容易になりました。
最近では広く普及した各種のSNSをプラットフォームに、キャンペーンの宣伝や新商品の発売、企業のブランディングなども可能になっています。
このように企業の対外的情報発信チャンネルは多様になっていますが、現在にあっても個々のクライアントや消費者との間の体外窓口になっているのは、コールセンターである事実に変わりはありません。
コールセンターに寄せられる問い合わせは数が多いばかりでなく、それぞれのシチュエーションに応じて質問内容も多彩です。
そのためオペレーターといえどもなれないうちは、対応が難しく高いストレスを抱え込んでしまうことも珍しくありません。
コールセンターでは目に見えない相手への対応が業務の大半を占めており、言葉のいきおいによっては攻撃的にもなることがあります。
そのためコールセンターでは離職率が高く、なかなか必要な人材を確保できないという問題に直面する企業が増加しています。
しかしコールセンターの体外窓口の重要性はゆるぎないという現実がある以上、どうにかして解決の方策を探るほかありません。
離職率もストレスも高いコールセンターの問題点を改善するには、「働きやすい職場づくり」が重要です。
コールセンター経験者はもちろん、未経験者であっても安心して、日々の業務に従事できるようにするには、コールセンターの仕事内容を分かりやすいマニュアルにまとめることが大事。
専門用語や高度な情報で羅列されているのでは、マニュアルとしては失格と言えます。
予備知識の乏しい第三者でも理解できるような分かりやすい内容で構成するのはもちろん、トークスクリプトなどをメインにして再現性を高くするのがポイントです。
実際に会話する場面を取り入れるなど、具体的な情報を盛り込んだマニュアル作りをおすすめします。
実際の業務の現場で、オペレーターが理解できないなどのストレスを抱え込まないようていねいにまとめることが大事です。
トークスクリプトは改善点を付け加えていく
形式的なことですがレイアウトも意識したマニュアル作りを心掛けて下さい。
長い文章を横方向に羅列するのは回避して、適宜改行や段落づけるなどして、集中することなく自然と口にできることを意識したレイアウトがポイントです。
ところでマニュアル作りのなかで主軸をしめるのは、トークスクリプト作りです。
それというのもクライアントへの具体的対応は、トークスクリプトを中心に展開することによります。
さもないとコールセンターの対応が経験やそれぞれのスキルに依存することになり、顧客対応の品質にばらつきが出てしまうでしょう。
この課題を解決するのが、優れた顧客対応をベースにしたトークスクリプトでクライアントの電話に対応することです。
そこで問題になるのはトークスクリプト作り。
トークスクリプトを作成する上で有効な方法は、すぐれた顧客対応をし業績を上げている優秀なオペレーターの会話を文書化し定型化することです。
優れた対応をしているオペレーターのクライアントとのやりとりを形式化することで、オペレーター全体の電話対応の底上げをはかります。
評価が高いオペレーターの会話をコールセンター全体で共有することで、オペレーターの違いにより顧客対応の品質のばらつきを修正改善できるわけです。
トークスクリプトは相手と実際に会話してこそ真価を発揮します。
それは見方をかえれば、マニュアルで作成して完成した後も、実際に運用してみないと問題点が明らかにならないリスクがある、ということも意味しています。
このようなトークスクリプトの特徴を踏まえると、ロールプレイングすることの重要性は明らかです。
オペレーター同士でお客様とオペレーター役にわかれて、トークスクリプトを実践することは大事。
ぶっつけ本番では、会話してみるまで顕在化しなかった欠点に遭遇する可能性は否定できないからです。
もちろん事前にロールプレイングするからといって、すべての課題をあぶりだせるとは限りません。
日々の業務のなかでトークスクリプトではカバーできなかった問題点が明らかになる事もあるはずです。
その意味ではトークスクリプトは不断に問題点を探求し、改善点を付け加えていくことが重要といえます。
FAQを導入して改善していく
時代の変化や企業を取り巻く環境の変化に応じて、果断に見直していく姿勢も忘れてはなりません。
しかし他方で優秀なマニュアルやトークスクリプトが完成し運用が開始されると、コールセンターでマニュアルが金科玉条的存在になることも想定されます。
マニュアルは一定以上の顧客対応を保障することで稀有で貴重な存在です。
ある意味非常に便利な存在であるだけに、マニュアルだけにオペレーターが依存するといった事態も懸念されます。
電話の向こうには経歴や思考もまちまちなお客様がいます。
つまりマニュアル通りの対応が、すべての方にとって最適とは限らないわけです。
初心者の頃は、マニュアルに依拠するのは当然のことです。
しかしある程度、自分なりの応対スキルが身についたときは柔軟にマニュアルを使いこなす姿勢も忘れないように留意するべきといえます。
ただ企業活動のなかでは新商品や新サービスが販売開始されることがあります。
その場合はもちろん、トークスクリプトを含めたマニュアル全体の見直しが必要です。
しかしそのサイクルが頻繁であると、マニュアルの更新とオペレーターへの教育や周知徹底が必要で人的コストも大きくなるでしょう。
そこで最近では、コールセンターの業務を大幅に改善する、FAQシステムが登場し導入する起業も増えています。
FAQシステムは、検索窓などを設置しユーザーの自己解決のサポートをするだけでなく、実際のオペレーターとクライアントとの会話のシーンでもサポートに活用されているそう。
簡単なアプリの操作をするだけで、そのシチュエーションに最適のトークスクリプトを提示するなどの機能を実装しています。
問い合わせをするお客様にとって自主的で迅速な問題解決を可能にするばかりか、オペレーターの応対の品質も向上するなど数多くのメリットが実感されて、FAQを導入する企業も増加しているようです。
投稿者プロフィール
- コールセンター運営歴10年以上。
オペレーター、SV、マネージャー、センター長まですべてを経験。
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