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インサイドセールスにCTIシステムは必要?導入するべき理由を徹底解説

業務を効率化できる

インサイドセールスを行うのであれば、業務を効率的にこなすためにCTIシステムを導入すべきだと言えます。成約に繋がる顧客へのアプローチを行うことがインサイドセールスの仕事だと言えますが、やらなければならないことは非常に多いです。ただ電話をかけてアプローチをすれば良いだけではなく、良好な関係を築くために工夫したり、見込み顧客に対して優先順位をつけたり、営業を行う社員に適切に情報を提供したりすることになります。主な内容はこれらだと言えますが、それぞれの業務で実施すべきことは複雑ですし、たくさんのタスクをこなさなければなりません。CTIシステムを導入していない企業の場合は、あらゆるタスクに対して手間がかかりがちです。本来であれば便利なシステムで時短が叶えられるところを、時間をかけて実施しなければならないという状態になっている可能性があります。

顧客情報が抽出できる

まだ取り入れていなければ何が効率化できるのだろうと思うかもしれませんが、まずCTIシステムを導入することで簡単に顧客情報が抽出できるようになるでしょう。顧客リストを参考にして電話を行うやり方が一般的ですが、顧客リストの保存方法がアナログなものであったり、パソコン上で保存していても抽出しづらいものであったりすると意味がありません。CTIシステムは顧客データを管理するツールであるCRMを導入している場合に非常に便利であり、CRMと連携することで簡単に架電作業を実施できるようになります。どの顧客に電話すべきか簡単に分かるだけでなく、誰が優先度の高い顧客なのか瞬時に判断できるような抽出も可能です。わざわざスタッフがエクセルなどの別のソフトを使用してリストをつくる必要がなく、簡単な操作で優先度の高い順に架電リストをつくることができるでしょう。

情報共有が簡単

情報共有が簡単であることも業務効率アップに繋がります。作成したリストを1台のパソコンでしか閲覧できなければ意味がないですが、作成したものはオペレーター全員に簡単に共有することが可能です。いちいちメールなどで送信する必要はなく、システム上で誰でも簡単に情報をゲットできる点が大きな魅力だと言えます。従来のやり方ではメールなどで共有するため、修正が発生したときに情報を共有することが大変でした。修正版のメールを送信したけれど確認されておらず、間違った情報を参考に業務を進めてしまう人があらわれるという問題も起こっていたのです。CTIシステムを使えば誰かがリストを更新したときに自動で情報が新たなものに書き換えられます。どのパソコンから閲覧しても最新の情報が反映されているので、古い情報を参考にすることでトラブルが起こってしまうリスクも低いです。すぐに新しい情報が手に入るので、誰かに聞いたり確認を取ったりする手間を省いて効率的に業務が進められるというメリットもあります。

自動架電機能が備わっている

CTIシステムの中には自動架電機能が備わっているものもあるので非常に便利です。オペレーターが電話番号を入力しなければならないような機器を使用していた場合、毎回電話番号入力の際に時間を無駄にすることになります。数秒でかけることができたとしても、その無駄を省くことができれば膨大な時間を確保することが可能です。塵も積もれば山となるとはまさにこのことで、1回の電話で10秒短縮できるようになれば100回かけたときには1,000秒の短縮に繋がり、約16分の時間を得ることができます。インサイドセールスを行うオペレーターは毎日たくさんの電話をかけることになるため、1回の時間は些細なものに感じられても、確実に短縮することができれば多くの時間を無駄にしなくなるでしょう。

また、オペレーターが自身で電話番号を入力する場合は間違った番号にかけてしまうというトラブルが起こることもあります。間違った番号にかけてしまった時間が無駄になるだけでなく、そのことが問題となって対応に多くの時間がかかってしまう恐れもあるでしょう。謝罪して許してもらえれば良いですが、間違いで営業電話をかけてきたことに対して怒ってしまう人もいるはずです。何分も電話口で謝ることになったり、上司などと変わって対応してもらうことが必要となったりする場合もあるため、間違い電話は業務効率低下に繋がる大きな問題だと言えます。自動架電システムが搭載されているようなCTIシステムを使うのであれば、この問題を回避できるようになり、トラブルがないので効率的にやるべきことがこなせるようになるはずです。

その他便利な機能

他にも便利な機能は数多く搭載されています。導入するシステムごとに詳細は違っていますが、オペレーターが間違いなく素早く電話をかけられるようになる機能通話中の音声を録音できる機能詳細な顧客情報をパソコン上に表示させる機能などが備わっていることが一般的です。慣れるまではたくさんの機能があって戸惑うことになるかもしれないですが、上手く活用できるようになればとても便利なものばかりであり、CTIシステムを使っていないときと比較すると業務効率がかなり改善されるでしょう。オペレーター同士だけではなく、営業などの他の部門と情報を簡単に共有できる機能が搭載されていることも多く、引き継ぎや情報伝達に時間を使わずに済むというケースも多いと言えます。

インサイドセールスは地道に行う作業であり、効率化は難しい仕事だと考えている人もいるかもしれません。確かに、見込み顧客との会話時間を削ることなどは難しいですが、それ以外の部分では無駄な時間を削っていける可能性が高いです。素早いリスト作成や情報共有、架電の実施などによって、これまではたくさんの時間をかけていたことが短時間で実施できるようになることが多いと言えます。CTIシステムを取り入れていない場合は業務をこなす上で無駄な時間が多いことがほとんどなので、積極的にこれを導入したほうが良いと言えます。自社のオペレーターの業務効率を高めたい、素早く業務をこなして架電数を増やせるようにしたいなどの考えがある場合は、業務効率化に繋がるCTIシステムを取り入れることを考えたほうが良いと理解しておきましょう。

 

営業のパフォーマンスが上がる

CTIシステムを導入するのであれば、営業のパフォーマンスを上げることが可能です。このシステムはオペレーターの業務が楽になるものであると思っている人が多いですが、営業部門で働く人々にも良い影響を与えてくれるものだと言えます。そもそも、インサイドセールスではオペレーターが育てた顧客を営業に引き継ぐことが基本です。まだ購買意欲が高まっていないと感じられる場合はオペレーターが丁寧に育成を行い、すぐにでも購入に至ってくれそう、購買意欲が徐々に高まってきたといった見込み顧客は営業部門の社員に引き渡すことになります。当たり前のことではありますが、これまでどのようなアプローチをしてきたのか、見込み顧客がどのような属性でどういった特徴を持った人なのか知らなければ営業を成功させることは難しいです。オペレーターは見込み顧客を育成する中で情報をまとめ、それを営業部門に引き継がなければなりません。簡単なことのように思えるかもしれませんが、有用なツールが導入されていなければ十分な情報が引き継がれない恐れがあります。顧客とコミュニケーションを取りながら情報をまとめにくければ、電話が終わった後に情報をまとめようとして記入漏れができてしまう可能性が高いです。CTIシステムは電話をかけながら簡単に顧客の情報が追記できるようになっているため、そのようなトラブルが発生するリスクも小さいと言えます。

オペレーターが詳細に記入しやすい

オペレーターが詳細に記入しやすいことで営業パフォーマンスの向上が期待できますが、それ以外でも営業のパフォーマンスを上げやすいです。架電するオペレーターがまとめた情報だけではなく、架電データをもとにした分析結果を確認できるところもポイントだと言えます。CTIシステムを利用するのであれば、架電に成功した時間帯や何分くらい話をしてくれたかなどを数値データとして確認することが可能です。架電成功時間をチェックできれば営業のアポイントを取りやすい時間が把握できますし、電話対応してくれた時間が長いか短いかということでも効果的なアプローチを考えやすくなります。行き当たりばったりでアプローチする必要がなくなるため、分析なしで挑むときよりもアポイントが成功しやすくなり、結果として効率的に営業がかけられるようになるでしょう。

潜在的なニーズを把握しやすくなる

分析できることは他にもあります。過去の購買履歴や問い合わせ内容などもCTIシステムからチェックすることができるため、これらの情報を知ることで潜在的なニーズを把握しやすくなるはずです。営業マンの仕事は商品を買ってもらうために顧客に接触することですが、その上では顧客の潜在ニーズを知っておくことが非常に重要だと言えます。的外れな営業をしてしまっても、顧客が商品やサービスに対して興味を持ってくれる可能性は低いです。ひとりひとりのニーズに合った対応ができれば、営業が成功しやすくなります。何も情報がなければ手探りで顧客のことを知っていかなければなりませんが、CTIシステムから得られた情報を活用して分析を行っておくのであれば、初めからある程度の情報を入手した状態でアプローチできるようになるでしょう。

情報共有が素早い

営業マンや他の部署のスタッフと情報共有が素早いことでも営業パフォーマンスが向上します。未だに営業は単独プレーの業務だと考えている人がいますが、実際にはチームプレイの仕事です。もちろん、担当者が頑張れば頑張るほど成果に繋がったり、やり方が上手い人ほど良い成績を残したりできることは事実だと言えます。ですが、営業マンひとりだけの力で成約に至っているわけではありません。インサイドセールスの場合はまずは顧客の発掘や育成を行い、引き渡してくれるオペレーターが存在しています。オペレーターだけではなく同じ営業部門のスタッフとも協力関係を築いておかなければ成約に至ることは難しく、多くの人との協力関係の上で営業を成功させることができていると言えるでしょう。CTIシステムを利用する場合はあらゆる社員と情報共有がスムーズに行えます。迅速に正しい情報を受け取れるようになるので、営業マンは自分の仕事を行う上で存分に役立てることができるでしょう。CTIシステムがない場合は情報の伝達が遅れてしまい、営業マンが知っておくべき内容を知らないまま顧客対応してしまうというトラブルが起こってしまうこともありました。便利なCTIシステムを導入すれば顧客獲得に関わる社員と素早く連携できるようになり、結果的に営業を成功させられる可能性が高くなります。

結果やノウハウが蓄積できる

結果やノウハウが蓄積できるという点でも営業パフォーマンスの向上に繋がるでしょう。オペレーターが情報を書き込むものだと思いがちですが、営業マンによる成果もCTIシステム上の記録として残すことが可能です。同じ営業マンが情報を確認すれば、どのようなケースでどういった成功がおさめられているのか簡単に把握できますし、オペレーターもどのような対応をしていた顧客であれば成約にまで至ることができたのか素早く確認できます。他の社員の成果ややり方が分かれば営業部門全体のパフォーマンス向上が期待できるでしょう。オペレーターに情報が行きわたっても関係ないと感じるかもしれませんが、成果に関する情報が伝わればオペレーターたちが自身の対応内容の良いところと悪いところに気づける可能性が高いです。結果として成約に至ったときのやり方でインサイドセールスを行うようになるオペレーターが増え、成約に繋がりやすい顧客をオペレーターから引き継いでもらえることが多くなるケースもあるでしょう。

CTIシステムはオペレーターだけに便利なものではありません。多くの機能が搭載されていて素晴らしい役割を果たしてくれるシステムであることから、営業部門全体のパフォーマンス向上まで期待できるようになります。つまり、オペレーターの業務環境や効率を改善したいときには当然ですが、営業部門に良い影響を期待したい場合にも導入することがおすすめです。成約数をアップさせたい、効率的に確実な営業が行えるようにしたいという場合はCTIシステムの活用が必須だと言えます。

 

在宅勤務にも対応しやすい

近頃は在宅勤務を導入する企業も増えています。在宅勤務を希望する社員も増えており、これを実施することで快適に働ける社員が多くなりやすいです。しかしながら、業務内容や取り入れているツールの種類によっては在宅勤務を実現することが難しくなります。どこからでもアクセスできるようなソフトやツールがなければ、自宅から仕事を行いたくても叶わないはずです。在宅勤務を選びたくても選べないという状況を引き起こすことになり、インサイドセールスを行う人々も家で働ける人とそうでない人がいる状態だと言えます。インサイドセールスを行う人が在宅で仕事を行えるか行えないかの違いの1つには、CTIシステムの有無をあげることができるでしょう。たとえば、どこからでもアクセスすることが可能なクラウド型のシステムを導入しておくのであれば、インターネット環境があればどこからでも業務に携わることが可能です。インターネットに接続できる場所であれば自宅からでも顧客に電話をかけられるようになるので、在宅勤務を実現することができます。もしも、CTIシステムを導入していなければ会社にいるときのように架電することが難しく、自宅では仕事ができないという問題を経験することになるはずです。オペレーターが家で働ける状態を構築したいと考えるのであれば、CTIシステムの導入は必要不可欠だと言っても過言ではありません。

情報共有が容易である

CTIシステムが在宅勤務に必要不可欠な理由には、社員の自宅から架電できるシステムが構築できるというものだけではありません。電話をかけられるだけでなく、必要な情報は常に入手できる、同じ場所に他の社員や上司がいなくても問題なく仕事を進められるところがポイントだと言えます。オペレーター業務の際に自分だけでは解決できない問題が起こることもあるはずです。会社で仕事をしているときであれば、すぐに周囲のスタッフや上司などに声をかけて応援を求めることができます。家で働くとなるとすぐに応援を求めることは難しくなりがちです。CTIシステムを導入すれば必要に応じて他のスタッフの稼働状況を確認することができ、困ったときには手が空いているスタッフや上司に応援を求めることができます。

情報共有が容易である点も魅力的だと言えます。会社で働くときも情報共有は重要ですが、在宅勤務の場合はこれがもっと重要だと言えるでしょう。同じ空間で業務を行うわけではないので、情報は素早く適切に伝える必要があります。CTIシステムはリアルタイムで情報が更新されていき、古い情報を参考にしてしまうリスクが非常に低いです。架電前や架電中に情報を確認すれば、リアルタイムで更新されている情報なので最新の情報を得た状態で顧客対応が行えるようになります。

CTIシステムを使わないで在宅勤務を行うことが不可能というわけではありません。会社が電話可能な機器を用意して社員に貸し出すのであれば、社員は自宅にいても顧客に電話をかけることが可能です。大きな違いは便利なシステムが活用できるかどうかだと言えます。CTIシステムを利用するときには、あらゆる情報が共有できるだけでなく、その他の便利な機能も使用することが可能です。会社で仕事をするときと同様に、顧客の情報をポップアップ表示させたまま通話する機能、会話を録音する機能、電話を他のスタッフなどに転送する機能などを活用することができます。CTIシステム以外の機器ではこれらの機能が利用できない、全ての機能は使えないというケースが多かったです。多様な機能をどこからでも利用できるので、CTIシステムがあれば快適な在宅勤務を実現しやすいと言えます。

高いセキュリティを維持する上でも重要

在宅勤務にCTIシステムを活用することは高いセキュリティを維持する上でも重要だと理解しておきましょう。顧客との接触や育成を行っているオペレーターの業務には個人情報が多く詰まっています。自宅で架電作業を行うときにセキュリティ性能が低い機器や端末を使用することがあれば、知らず知らずのうちに大切な顧客情報が外に漏れ出ているかもしれません。情報の漏洩はたくさんの問題を引き起こします。仮に漏洩してしまった場合は隠蔽してはいけないので、顧客を含むあらゆる人に漏洩について説明をしなければなりません。素直に説明したとしても、漏洩したという事実がある以上信頼の失墜は避けられないはずです。実際に多くの企業が情報漏洩で信用を失っていますが、不完全なインサイドセールスの在宅化はこの問題を引き起こしかねないと言えます。CTIシステムは高いセキュリティを誇るものが多いです。クラウド上で利用するものが多く、その性質上大切な情報を漏洩させないための数多くの工夫が取り入れられています。そのため、他のやり方でオペレーターの在宅勤務を実現するよりは安全性が高い環境を構築しやすいです。

複数拠点で利用できる

CTIシステムが複数拠点で利用できることもポイントだと知っておきましょう。ビジネスに便利なツールやシステムの中には、複数拠点では利用できないものもあります。CTIシステムの場合は契約するサービスや利用プランにもよりますが、基本的には複数の拠点で使用することが可能です。オペレーターが30人いる場合、全てのオペレーターが同じ場所にいなくてもそれぞれ好きな場所でCTIシステムにアクセスして架電などの業務を行うことができます。CTIシステム以外の架電システムを構築している場合、複数拠点に対応していない可能性もあるでしょう。そうなると社員が自宅から業務を行うことは難しく、出勤して仕事を行ってもらうことになります。複数拠点で利用できるかどうかも、在宅勤務実現できるかどうかの非常に重要なポイントです。

顧客に電話をかける方法はたくさんありますが、CTIシステムを使うのであれば在宅勤務でもこの業務が行えるようになります。ただ仕事がこなせるだけでなく、働く人が快適に業務を進められますし、安全性も高いので企業側も安心して在宅勤務を推進できるはずです。インサイドセールスの在宅勤務の環境が整っていない場合は、CTIシステムを取り入れることで環境を構築すると良いでしょう。

 

他システムとの連携も可能

CRMツールとSFAツール

CTIシステムを利用するべき理由には、他システムとの連携性が充実していることもあげられます。社内で活用している多数のシステムとの連携が可能となっており、組み合わせて使うのであれば今まで以上にそれぞれの業務効率やパフォーマンスが高められるようになるはずです。代表的な連携ツールにはCRMツールとSFAツールがあげられます。Customer Relationship Managementの略称であるCRMツールは、顧客関係管理ツールと呼ばれるものです。名前から分かるように顧客管理を円滑に行うために導入できるものであり、CTIシステムとの連携でオペレーターが速やかに正確な顧客情報が獲得できるようになります。Sales Force Automationの略称であるSFAは営業支援システムと呼ばれるものであり、こちらとCTIシステムを連携する場合は、営業マンが自分の業務を行う際にオペレーターが実施してきたアプローチを参考にしながら最適な営業が行えるようになるでしょう。

各ツールの存在を知っていたり、実際に導入していたりしても、実際にどのように連携して使うのか知らなければ使い方が想像できないと感じるはずです。CTIシステムとCRMツールを組み合わせる場合は、架電前から架電後まで役立てることができます。オペレーターは会社が保有している顧客情報を確認し、顧客になり得る人物に対して的確に架電を行う必要があるでしょう。会社に情報が保管されている顧客であれば誰に電話しても良いわけではなく、見極めが必要となります。顧客情報を1つずつ丁寧に確認しながら架電対象に含めるべきかどうか検討することは骨が折れる作業です。闇雲に電話をかけても効果がない可能性が高いですし、全く商品やサービスに関係ない人物に勧めて企業に対する信用を落とすリスクもあります。そうした事情から面倒でも確実に顧客のピックアップを行う必要がありますが、CTIシステムとCRMツールを連携しておけば短時間で精度の高いリストを作成することが可能です。条件などで絞り込んで、本当にアプローチが必要な顧客だけを保管している情報から取り出すことができます。オペレーターが自分で1つずつアプローチすべき顧客であるか判断していく必要がなく、リストづくりがかなり楽になると言えるでしょう。電話をかける前と実際に話している最中は、CRMツールに保管されている情報をCTIシステム上で確認することで顧客対応が充実させられるようになります。顧客管理システムに情報があるのに、オペレーターにその情報が伝わっていないという問題は起こりがちです。CTIシステムと連携している場合は必要な情報を見逃してしまうことがないため、過去の顧客との接触履歴や顧客の行動を確認しながら失敗のない対応が実現できます。架電終了後には情報整理と分析という点で役立てることが可能です。両方のシステムに情報を入力しなくても、片方への入力で済むので手間がかかりません。部署によって活用するシステムは違っていますが、どちらからでも情報が呼び出すことができるため、実際に対応を行った社員以外でも簡単に情報の確認から分析が実施できるようになります。

SFAツールとCTIシステム

SFAツールとCTIシステムを組み合わせる場合は、直接オペレーターに質問しなくても営業に必要な情報を営業担当者が獲得できるようになるでしょう。インサイドセールスの基本的な流れでは、オペレーターが育成した顧客を営業担当者に引き継ぐというステップがあります。古いやり方であればオペレーターからメールや口頭で情報を得なければ営業マンはオペレーターと顧客のやり取りを知ることができませんが、2つのツールを組み合わせたやり方であればほしいときに必要な情報を取り出すことが可能です。営業部門がメインで使っているSFAツールを使用すれば、CTIシステム上に記録されている情報が反映されているので、オペレーターに尋ねるまでもなくあらゆる情報を得られます。どの顧客から営業を行うべきかという優先順位、営業の際に何を気をつけなければならないのかという注意事項、対象の顧客がどのような潜在的ニーズを持っているのかなどの確認が可能です。様々な情報を知ることで、営業担当者は効率的かつ失敗のないやり方で業務が進められるようになります。

システムの連携

多くの場合はCRMツールやSFAツールと連携させていますが、勤怠管理システムや人事管理システムとCTIシステムを連携させるケースも増えていることを知っておくと良いです。勤怠管理システムは社員の出勤状況や稼働時間、残業の有無などを把握するために使用するものであり、人事管理システムは人材管理を行うために使用するものだと言えます。前者と連携する場合は、実際の稼働時間からどれほど残業しているかなどを簡単に算出することができ、社員が自分で申告しなくても簡単に正しい勤務状況が記録できるでしょう。話が長引いてしまった場合など、業務時間内に対応が終わらないケースもありますが、対応していた証拠と勤怠管理が紐づけられるので本当は残業していたのに認められていないものがあるという問題も起きません。後者と連携するのであれば、人事評価や人材配置を正しく行いやすいです。該当社員がどれほど電話をかけているのか、育成した顧客における成約率はどれほどなのかなどを人事評価担当者が簡単に確認でき、それまで以上に精度の高い評価を実現することができます。CTIシステムと連携しておけば人材が足りているのか不足しているのかも簡単に把握できるため、必要に応じて人材を確保し、オペレーターを増員するというような施策も実施しやすくなるでしょう。

インサイドセールスに使えるCTIシステムは、この業務だけに使えるわけではないです。営業部門や経理部門、人事部門などを含むあらゆるチームで使用するシステムと連携させておくことで、様々な業務の円滑化やパフォーマンス向上が期待できるようになります。各部門との連携性の低さが気になっている場合も、CTIシステムを導入して他のシステムと連携させたほうが良いでしょう。

 

インサイドセールスにCTIを導入する際の注意点

インサイドセールスにCTIシステムを導入すべき理由を確認してみると、自社にも取り入れたほうが良いと感じられるはずです。とても便利なものなので前向きに導入を検討したほうが良いですが、導入を考えている場合や取り入れることに決めた場合には注意点まで知っておく必要があります。注意事項を確認しないで導入すると、高い費用を支払って環境を構築したのに失敗してしまう恐れがあるでしょう。主に3つの注意点に気をつけておく必要があるので、これを知った上で導入の話を進めるようにしてください。

導入の目的を明確にしておく

最初に導入の目的を明確にしておくことが必須だと言えます。一般的にはインサイドセールスの効率化やパフォーマンスアップが目的ですが、その理由だけでは不十分だと理解しておきましょう。オペレーター業務における効率化とパフォーマンス向上はかなり重要度が高いはずですが、それ以外に叶えたいことがないというケースは少ないです。ほとんどの企業はオペレーター業務の品質の向上や業務環境の改善と共に、他の部門でも便利に利用できることなどを望んでいます。企業ごとにCTIシステムの導入で叶えたいことは違っているはずなので、ここを明らかにしておかなければ最適なシステムを選ぶことができません。有名なシステムや評判が良いシステムを選んだとしても、自社のニーズを満たすものでないと導入する意味が半減します。便利そうだから取り入れたいなどの何となくの理由ではなく、何をどうしたい、どのくらい効率をアップさせたいなどの具体的な目的を見つけておくことが大切です。上層部が勝手に導入を決定してしまうケースもありますが、現場の声を反映しなければ導入する目的を定め間違えてしまう恐れもあります。本当に必要な目的を考え、実現したい内容を明らかにした状態でそれが叶えられるシステムを選ぶようにすべきです。

既存システムと連携可能であるか

既存システムと連携可能であるかどうかも絶対に確認しておくべきポイントだと言えます。CRMツールやSFAツール、勤怠管理システムや人事管理システムなどの幅広いシステムと連携できるケースが多いです。連携できるとは言っても、全てのツールやシステムに対応しているわけではありません。こちらの会社のCRMツールとは連携することができるが、あちらの会社のCRMツールとは連携できないというような問題が起こることもあります。全ての製品やサービスと連携できるわけではないことを十分に理解し、既存のシステムとの相性に問題がないかどうか確かめておくことが大事です。確認作業を怠って連携できないCTIシステムを選んでしまうと、せっかくのシステムを十分に活用することができません。複数のシステムを完全に独立したものとして扱うことになり、本来なら簡単な操作で情報を反映させたり呼び出したりすることができるのに、CTIシステム上で初めから情報を入力し直さなければならないという状況になる可能性もあります。連携可能かどうかはCTIシステムのホームページで確認できることが多いですが、不明な場合や心配がある場合は問い合わせで直接尋ねることがおすすめです。導入を検討する時点で連携させるつもりがあるツールだけでなく、将来的に連携する可能性があるものは念のため全てチェックしておくことをおすすめします。別のシステムを後からまたは同時に契約する、今後乗り換える可能性があるという場合は、できるだけ連携できるものが多いCTIシステムを選んでおくと安心です。

教育に関する注意点がある

インサイドセールスでCTIシステムを活用する場合、教育に関する注意点があることも覚えておく必要があります。CTIシステムを導入すれば、社員たちが勝手に使ってくれるというわけではありません。今までになかったシステムを使いこなす必要があるので、戸惑ったり上手く業務を進められなかったりする社員も多く見られるはずです。オペレーターが問題なくCTIシステムを活用できるようにするためには、導入する前や導入するタイミングで研修などを行ったほうが良いと言えます。基本的な操作や便利な使い方をレクチャーするだけでなく、既存の業務と変わった点などをきちんと伝えておかなければなりません。全体に教育が行きわたらなければ、CTIシステムを実際に使い始めてからインサイドセールスの際にミスをしてしまうという問題が多発しかねないです。本来は業務効率を良くするために使うものなのに反対に業務効率が悪くなってしまったり、上手く使えないことで従業員のやる気を削いでしまったりする可能性もあります。初めに研修しておけば問題ないと考えるかもしれないですが、それは甘い考えです。単発の研修でスキルの確実な習得に至るケースは非常に少なく、実際に使用しながら使い方をおさらいしたり、分からないところを再度学んだりすることが大切だと言えます。教育が不十分で研修の後に気軽に質問できる方法を用意しておかないと、オペレーターが確実にスキルを取得できない可能性が高くなるでしょう。定期的な研修の実施や教育者の配置、システム会社に質問できる状態にしておくなどの工夫が重要だと言えます。新しいことを覚えて使いこなせるようになるためにはたくさんの労力が必要だと理解した上で、教育の機会を十分に用意しておくべきです。オペレーターへの教育は当然ですが、他のシステムと連携する場合は関係する部署でも教育を行わなければなりません。CTIシステムのことを理解しておかないと連携させて上手く活用できない恐れがあるので、CRMツールやSFAツールなどの他のツールに変更がないとしても、関係のある部署では教育を実施したほうが良いです。

注意点があることを知ったうえで導入しよう

便利なCTIシステムをインサイドセールスのために導入するのであれば、目的を明らかにしたり、連携の可不可を確認したり、充実した教育機会が与えられるようにしたりすることが大切だと言えます。大切なことですが導入の際に蔑ろにしてしまって失敗するケースは少なくありません。

せっかく導入したCTIシステムを無駄にしないためにも、こういった注意点があることを心に留めた上で取り入れていくようにしてください。

BtoBでのMAツールとCTIシステムを連携させたインサイドセールス

テレアポとは?

テレアポは英語のテレフォン・アポイントメントを略したもので、直訳すると電話で約束を取りつけて訪問するといった意味になります。日本語では、単にビジネス上の約束を取りつけるといった意味で用いられていることが多いです。

アナログな営業手法

既存の顧客も新規の顧客も問わず、電話をして約束を取りつけて訪問したり、電話で営業をかけるといったことが行われるのがテレアポです。テレアポにおいては、アポインターが電話番号のリストを順に電話をかけて、新規顧客に訪問の約束や契約を取りつけることが行われます。つまり端的にいえば電話営業のことで、イメージ的には従来のアナログな営業手法だといえます。

効率が悪いといわれることもあるテレアポですが、近年はその評価の見直しが行われています。電話も十分に営業手段としてまだまだ活躍しますし、Webとはまた違った形でアプローチできる点に強みがあります。勿論、これまでと同じやり方には限界があるので、時代の変化に合わせた方法を取り入れてテレアポをすることが不可欠です。

例えば電話やFAXとコンピュータを統合するCTIシステムがその1つで、顧客情報の管理や把握が容易になることが、アポインターの業務効率アップに繋がります。このように、時代が電話による営業の形を変えていますし、テレアポも着実に進化していることが分かります。

従来のテレアポのイメージは、営業担当が電話番号の一覧に目を通して、上から1つ1つ番号を入力して電話をするというものです。当然ですが、手動による入力は非効率ですし、リストから電話をかけた番号の除外も必要になるので手間です。何より過去に電話をしたことがある相手かどうか記録がないと分かりませんし、その記録を探して確認するのも時間がかかります。こういう非効率な作業がテレアポのネガティブなイメージに結びついていますが、未だに非効率なやり方を続けている企業は限られます。流石に飛び込みの訪問営業をする企業は減っていますし、少なくとも電話などで約束を取りつけてから訪問が行われます。やはり時間は有限で人手も限られますから、限りある時間や人材の有効活用は避けて通れないわけです。

電話で約束を取りつけて後日訪問するテレアポは、実のところ飛び込み営業と比べてまだマシだといえるでしょう。日本では先行する欧米にならって、いわゆるインサイドセールスを取り入れたり実践する企業が増えています。電話で約束を取りつけたり営業活動を行うインサイドセールスは、時代に合っていますし何よりも無駄がなく合理的です。電話の活用といってもやり方は様々で、テレアポはあくまでもその1つに過ぎませんが、しかし営業活動手法の1つとして現在も注目を集めています。大切なのはネガティブなイメージでテレアポを悪いものだと決めつけるのではなく、活用できないか考えて営業に活かすことです。そしてそれは時代の変化による新しいやり方を取り入れることで、現代的なテレアポが実現する可能性があることを意味します。

テレアポの目的

顧客や見込み顧客に対して何らかのアプローチをしなければ営業になりませんから、その手法や選択肢としてテレアポを検討するのは現実的な判断です。最近はインサイドセールスの意味でこの言葉が使われる場面もありますが、似ている部分はあるものの完全に同じというわけではないです。テレアポはどちらかというと、質よりも量を重視して約束を取りつけようとする傾向があります。見込み顧客の育成はあまり主眼に置かれないので、いかに多くの番号に効率良く電話がかけられるかが問われます。とにかく話を聞いてもらう為に約束を取りつける、それこそがまさにテレアポの一番の目的です。

アプローチ方法が電話1本に絞られるのも、他の営業手法との違いです。それと見込み顧客育成を目的とするインサイドセールスと違って、テレアポでは殆ど顧客の情報を持たない状況で電話をするか、番号だけを見て電話をかけることになります。ある程度顧客情報を持っている状況での営業とは異なり、手探りで営業をする必要があるのがテレアポの特徴です。興味があるかどうか、見込みがあるかすらも分からない状況で約束を取りつけようとするわけですから、ダメ元でアプローチする性質が強いです。

 

テレアポが重視されているポイント

テレアポは架電の効率化よりも、約束を取りつけるアポイントメントの獲得が重視されます。架電の数に対してどれくらいの率でアポイントメントが獲得できたか、それが結果の評価基準となります。考えてみると分かりますが、架電の母数が多ければそれだけアポイントメントの獲得率も上がりやすいので、テレアポでは質より量が重視されるというのも頷けます。

他の営業手法では、見込み顧客に時間をかけて育成するアプローチが行われますが、テレアポは短期決戦ですぐに結果が求められます。電話をして見込みがなければ次というように、ある意味流れ作業のように次々と架電が行われ、短時間に見込みを判断して、駄目そうであれば見切りがつけられます。そういう機械的なやり方ではありますが、テレアポはアナログ的な手法がベースとなっているのが不思議で面白いところです。

テレアポも目的や重視されているポイントが理解できれば、決して古くて全く使えないものでもないことが見えてきます。重要なのは思考停止で旧態依然のやり方を続けるのではなく、時代に合わせて最適と思われる手法を柔軟に活用することです。CTIシステムの導入と活用も時代に合っていますし、電話のみに頼るやり方と比べて、非効率なアナログ的手法からの脱却が見込めます。テレアポは人海戦術的なところがあるので、人手不足が叫ばれ人材確保が難しくなっている昨今には合わなくなってきています。

ただ、業務効率化を推し進めれば十分に対応できますし、人材が限られていてもテレアポで結果を出すことに期待が持てるはずです。1つだけ確かなのは、従来のやり方を続けるのには無理があって、いずれ行き詰まる結果となることです。テレアポを続けるのか、他の手法にシフトするかはケースバイケースですが、やり方を見直してアプローチ方法を変える時期に差し掛かっているのは間違いなさそうです。

 

テレアポで使うCTIシステムとは?

テレアポで使われるCTIシステムは、コンピュータ・テレフォニー・インテグレーションのことで、簡単にいうと電話やFAXとコンピュータを統合する仕組みです。CTIシステムには、PBXやCRM、SFAといった要素が含まれていて、これらの連携を図ることを目的としています。

PBX/CRM/SFAとは

PBXは構内電話交換機のことで、受電や着信を担う通話部分を担当する要素です。

CRMは顧客関係管理システムで、着信があった際に電話番号から情報の検索が行われ、電話番号に紐づく顧客情報をコンピュータの画面に表示したりします。勿論、顧客情報の検索は自動で行われますし、オペレーターが手動でやる手間が省けることから、CRMはCTIシステムにおける重要な要素となっています。

SFAは営業支援ツールを指し、CRMとは逆にアポインターがコンピュータの画面を見たり操作して、電話の発信が行えるようにするものです。顧客情報はデータベース的に管理が行われますから、SFAを活用すると蓄積されている顧客情報が瞬時にコンピュータの画面に表示されます。基本情報や属性情報に過去の商談に関する履歴など、膨大な情報の蓄積と管理を担うのがこのSFAというわけです。

テレアポで使うCTIシステムの機能

CTIシステムは着信時のオペレーターに対する自動振り分け機能を持っているので、オペレーターの稼働率を上げることができます。特定のオペレーターにばかり着信が集中したり、他のオペレーターのアイドルタイムが増加するといったことが避けられます。業務の効率化をサポートする仕組みがCTIシステムなので、導入して上手く活用することができれば、人件費を減らすことも不可能ではないです。

自動音声案内機能もCTIシステムの主要な機能の1つで、主にインバウンドで電話を受けるコールセンターにおいて、顧客満足度の向上が図れます。アウトバウンドではあまり重要ではありませんが、CTIシステムではこの自動音声案内機能も主要で重要な機能に位置づけられています。

CTIシステムは、電話とコンピュータの連携を図り、相乗的に業務効率化を促進する仕組みを提供するものです。テレアポでは顧客とのやり取りの記録も重要ですから、当然ながらCTIシステムには通話録音機能も備わります。万が一アプローチでトラブルが発生しても、後から原因の特定ができますし、トラブルでなくてもアプローチ手法に問題がないか確認したり、改善を図るヒントが得られます。

近年はCTIシステムもクラウド化が進んでおり、導入のハードルが下がったり組織再編にも柔軟に対応するようになっています。インターネット経由で遠隔によるアポインターの業務が実現しますから、テレワークによるテレアポも可能となります。CTIシステムは業務の効率化、ひいては1件にかける時間の短縮を見込むことができます。つまりとにかく電話をかけて約束を取りつける必要があるテレアポにおいては、アポイントメント獲得率のアップと人件費の削減の両立が可能です。

テレワークを上手く取り入れることができれば、繁忙期にアポインターを増強したり、閑散期に減らすといったこともできます。柔軟にテレアポの規模を変えられるので、人件費の無駄を抑制しながら業務効率化が図れます。CTIシステムには、アポインターやオペレーター向けの機能だけでなく、これらを監督するマネージャー向けのモニタリング機能も含まれます。テレアポであれば、特定のアポインターの稼働率が低下していないか、休んだりサボっていないかが瞬時に把握できます。マネージャーはモニターを見てアポインターに指示を与えられるので、テレアポ全体の稼働率を高い水準に保ったり、無駄を早期に発見して対処するといったことが実現します。

テレアポで使うCTIシステムの導入

CTIシステムは痒いところに手が届く仕組みで、今まで無駄だったことが見えてきたり、改善を図る機能を提供してくれます。導入するだけでは真価を発揮しませんが、使いこなしを理解して活用できれば、真価を引き出してテレアポが洗練させられます。CTIシステムと一口に言っても、純粋に業務効率化を図ることを目的としている製品もあれば、通話コストの削減に比重を置く製品もあります。

導入のハードルを下げて短期間に導入できる製品もありますし、導入コストとランニングコスト削減を主眼に置いた製品も存在します。他にも、シンプルな基本機能と充実のオプション、柔軟なカスタマイズ性など、製品によって特徴や強みは大きく異なります。テレアポ向けもあればコールセンター向けもありますから、導入する目的や重視するポイントに合わせて、ベストな選択をすることが大事です。

最初からどちらにも対応する高機能型は、選びやすくて幅広く様々な環境に適合しますが、使わない機能が出てくるので無駄が多くなりがちです。使わない機能にもランニングコストを支払うことになるので、導入を検討するなら必要な機能と使わない機能を念頭に、CTIシステムを吟味することをおすすめします。目的や優先順位が決まれば、CTIシステムの候補を絞り込んだり篩にかけるのも難しくないです。

一番駄目なのは、CTIシステムの本質を理解しようとせず、流行りや話題といった理由で導入しようとすることです。道具は使いこなしてこそですから、道具に振り回されない為にも、CTIシステムというものを理解してから導入の検討を始めるのが正解です。

クラウドベースで昨今のテレワークも視野に開発されている製品は、IP電話やビジネスフォンでもテレアポ業務が可能となっています。着信も外出先で受けたり対応できるので、コールセンターにも向いているCTIシステムだといえます。導入のしやすさが考えられている製品だと、既存のPBXを使って導入することができます。導入コストを抑えつつ、テレアポの業務効率化に繋がるCTIシステムの導入が図れるので、予算に限りがあったりあまり余裕がない企業も無理なく導入の検討が始められます。業務の多くを電話が占めていたり、電話が営業の要となっている場合は、CTIシステムの前向きな導入の検討を行うべきでしょう。

活用という前提はありますが、CTIシステムによって効率化が実現するのは確かですから、難しそうと感じたり面倒くさいと思わずに、検討だけでもしてみるのがおすすめです。

 

インサイドセールスとは?

インサイドセールスも電話によるアプローチ、非対面での営業活動ですが、テレアポと似ているようで実は異なります。インサイドセールスは、日本と比べて国土が広く、訪問販売に向かないアメリカで発展した営業手法です。

インサイドセールスの特徴

電話などの手段で営業活動をするのが特徴ですが、テレアポと違って電話だけでなく、メールも活用する点に決定的な違いがあります。テレセールスという言い方もあるので、インサイドセールスは確かに電話も重要な営業手段ではありますが、しかし電話ばかりに拘っていないのも間違いないです。テレアポは、約束を取りつけることを目的としますが、インサイドセールスは更に先の顧客育成も視野に、新規顧客の獲得や既存顧客のフォローを目的としています。

営業活動の要となる、フィールドセールスに繋がる前段階に位置するのがインサイドセールスなので、重要性が非常に高いです。インサイドセールスには、顧客の獲得だけでなく育成の目的もありますから、ただ単に約束を取りつけるテレアポとは根本的に違います。電話を使ってアプローチするという点だけにとらわれると、2つを混同したり違いが分からなくなるので注意です。

インサイドセールスは、顧客の見込み率を引き上げる活動と言い換えることもできるので、本当に営業活動における重要性が高めです。営業活動に質が求められることから、テレアポの延長線上のつもりでインサイドセールスに取り組むことは不可能です。インサイドセールスでは電話とメールに加えて、Webサイトもアプローチのチャネルになります。そして1つだけでなく複数を組み合わせてアプローチすることが、インサイドセールスのポイントです。

電話番号のリストを見てとにかく電話をするテレアポは、数を撃てば当たるというところが否めないです。これは殆ど情報を持っていない相手にアプローチする、コールドコールと呼ばれるやり方です。インサイドセールスにおいては、ある程度顧客情報を持ったところからのスタートで、情報を参考に顧客に対してアプローチを図ります。このやり方をウォームコールと言い、独自のトークスクリプトを活用して顧客との関係強化に取り組みます。

インサイドセールスの成果

インサイドセールスは何も、直接的な成約や売上だけを目的としていないので、顧客への提案に対する好反応や追加の顧客情報の獲得も成果に数えられます。テレアポはアポイントメントの獲得数が重視されますが、インサイドセールスはもっと複雑で、定量化して評価するのが難しいといえます。テレアポの目的はアポイントメントで、アプローチを実施すればすぐに結果が分かることになります。

一方、インサイドセールスは成果を求めるにしても今すぐではなく、長い目で見た末の成果に期待する点が特徴です。顧客との関係を醸成したり、少しずつ顧客の興味を高めて成約に繋げていくことが、テレアポと全く違うところです。ここを混同していると成果は出せませんし、結局はテレアポとの使い分けができずに終わってしまいます。導入したからといって上手くいく保証はなく、やはり性質を理解して活用しなければ得られる成果も得られないままです。

導入によって業務効率化や成約率のアップが図れるかどうかは、導入前の検証や検討が鍵を握ります。効果が見込めるケースもあれば、あまり効果的ではないケースもあるので、導入を決める前に時間をかけてしっかりと検証すべきです。インサイドセールスのポイントとなるのは、時に電話だけではアプローチしきれない、もっと踏み込んだ形での営業活動です。それにはWeb会議ツールでのヒアリングも含まれますし、話に耳を傾けて顧客のニーズを汲み取り期待に応えることが求められていることを意味します。ここまで踏み込んだアプローチができなかったり、こういう営業活動が向いていない企業にとっては、インサイドセールスを導入しても宝の持ち腐れになる恐れが懸念されます。

反対に、積極的なアプローチや柔軟な顧客対応に自信がある企業は、インサイドセールスの導入によって更なる成長を遂げられる可能性があります。インサイドセールスは終始非対面ですから、顧客に担当者の顔が見える営業をするのが難しいのは確かです。しかしだからこそ工夫の余地がありますし、訪問して商談を行うフィールドセールスとの棲み分けが実現するわけです。顔が見えないから逆に気軽に話ができるという側面も存在するので、そこをどう活かせるかがインサイドセールスの成功で問われるところです。

余談ですが、インサイドセールスとフィールドセールスはこれまでの営業活動を分業化したものです。テレアポは大きな分類の前者に含まれる手法の1つだといえますし、顧客との関係の深化を図る前段階ともいえるでしょう。電話以外の手法も使えるのがインサイドセールスの強みで、対面による営業が避けられる昨今においてはこの強みが増しています。

 

反響型営業のPULL型と新規開拓型営業のPUSH型

実は反響型営業のPULL型と新規開拓型営業のPUSH型に分けることが可能で、それぞれに目的や営業のやり方に違いがあります。前者のPULL型は、問い合わせが行われた企業が主なターゲットで、担当者に対して電話やメールでアプローチを行います。問い合わせがあるということは、顧客がこちらの存在に気がついていたり、商品やサービスに興味を持っている証拠です。購入意欲を高めたり、購入の決断に繋げていくことがポイントとなるので、比較的アプローチしやすいと思われます。

後者のPUSH型は、完全にこちらからアプローチする形となり、相手のこちらに対する認知や購入の意欲については不明の状態がスタートラインです。ある意味手探り状態で営業活動をすることになるので、難易度は相応に高いですが、その分成功すれば新規の顧客開拓という成果が得られます。アプローチは代表者に対する電話だったり、場合によっては手紙のようにアナログ的な手法が用いられることもあります。

数を撃って当てるやり方ではなく、ターゲットに狙いを定めて撃ち抜く方法ですから、一見するとテレアポに似ていますが似て非なる手法です。
このようにインサイドセールスはテレアポの一歩先を行くもので、質の高い営業活動とその成功を見込むことができます。

 

マーケティング・オートメーションとは?

マーケティング・オートメーションは文字通り、マーケティングの自動化を図る手法を指します。

マーケティング・オートメーションの目的

マーケティング活動を自動化することで効率化を行い、見込み顧客の育成に繋げていくのが主な目的です。ツールには顧客情報を一元管理するリード管理機能、見込み顧客を点数評価して可視化するスコアリング機能、メールによるマーケティングを効率化する機能などが備わります。

他にもキャンペーンの管理だったり、見込み顧客のアクションに応じて営業担当に通知が届く、アラート機能もあります。いわゆるランディングページやフォームの作成機能を備える、マーケティング・オートメーションツールは珍しくないです。

一方では営業支援ツールとの統合だったり、CTIシステムとの連携を図る機能も定番です。単に自動化といってもイメージが湧きにくいですが、顧客情報の収集と管理や見込み顧客の育成、マーケティング結果の分析などを自動化して省力化すると考えると分かりやすいです。マーケティング・オートメーションにおける顧客情報の収集は、テレアポのように電話だけでなく、多チャネルで並行して行われます。SNSや動画といったチャネルも重要性が増している時代だからこそ、マーケティング・オートメーションツールも対応して進化したわけです。

見込み顧客の育成は、手動だと顧客に対するアクションがいくつも必要で、しかも準備や作業に手間と時間を要します。おの膨大な作業の中から自動化できる部分を自動化して、本当に取り組むべき部分に集中できる状況を作ってくれるのが、このマーケティング・オートメーションツールです。担当者が1人で対応できる顧客には限りがありますが、ツールの活用により対応できる人数が増えるので、効率化と共に人件費の削減も可能となります。見込み顧客の数にもよりますが、一度に問い合わせがあると対応が難しくなりますから、アプローチしたくても制限せざるを得ないです。

マーケティング・オートメーションの役割

マーケティング・オートメーションは、このジレンマともいえる状況の打破に役立つ手法で、ツールが悩みを解決する手助けをしてくれます。
マーケティング・オートメーションツールにはもう1つ、施策を分析して次に活かす大事な機能と役割があります。

PDCAサイクルに分析は不可欠ですが、顧客の行動を含めて一元管理できるマーケティング・オートメーションツールであれば、顧客単位でも全体でも状況を可視化して次に活かせます。マーケティング・オートメーションが誕生した理由、そして市場規模が拡大しているのかといえば、テクノロジーの進歩とチャネルの多様化、営業活動のあり方の変化が挙げられます。訪問による営業活動や電話でのテレアポが有効だったのも、昔がそういう時代だったからで、時代に合わなくなってきたのも時代の変化という理由によるものです。自動化を図るマーケティング・オートメーションが求められるのは時間の問題で、必然的に誕生したといえるでしょう。

市場規模が拡大しているのもその証拠で、本場のアメリカだけでなく日本でも年々右肩上がりで拡大しています。従来のマーケティングは大衆をターゲットに、テレビや雑誌といったメディアを活用する方法が主流でした。今はインターネットの普及拡大とチャネルの多様化によって、すっかりマーケティングは様変わりしています。人々はテレビからネットにシフトしていますし、SNSを利用したり動画を見る時間が増えました。もはやテレビCMを打てば売上に繋げる時代ではなく、紙のメディアも縮小傾向にあるので、雑誌に頼るのも難しいです。

2000年代はまさに手探りで取り組みが始まった時代ですが、その助けとなり得るのがマーケティング・オートメーションの考え方とツールです。情報が増えたり洪水のように溢れる時代だからこそ、マーケティングではターゲットを明確にして、適切なアプローチを行うことが求められます。試行錯誤で正解を探す方法もありますが、常に変化を続けている時代でもあるので、正解は1つだけと考えてそれを探そうとするのはリスクが高いです。仮にもし正解にたどり着けたとしても、次の瞬間には正解が変わっていることもあり得ますから、刻一刻と変化する状況に対応できる対策に取り組む方が合理的です。顧客が自分にとって欲しい情報を求めているのは確かなので、そのニーズを捉えてアプローチできれば、成約や売上といった成果に結びつけられます。

 

マーケティング・オートメーションの検討と導入

マーケティング・オートメーションでは、顧客の認知に始まり、興味を持ったり興味を深めて情報収集、そして購入の検討と購入とプロセスが分けられます。プロセスに合わせて最適なマーケティングを行うのが重要なのは間違いないので、プロセスごとのアプローチができるツールの導入は検討すべきです。購入体験がSNSなどで共有される時代ですし、評判が新たな顧客を連れてきたり、ファンになった顧客がリピート購入を行う時代でもあります。そうした流れや繋がりも意識してマーケティング活動ができる企業こそが、これからの時代を生き残ることになるでしょう。

マーケティング・オートメーションはあくまでも考え方や選択肢の1つですし、導入するかどうかは自由です。導入しないからといって活動ができないわけではありませんし、独自の方法を模索して確立するやり方もできます。しかし、どの企業も独自の方法を確立できるほど余裕があるわけではなく、より確実な方法を選ばなければ次に繋がらない企業も少なくないです。マーケティング・オートメーションツールはまさに、リソースに余裕がある企業以外にも、強力かつ可能性をもたらしてくれる選択肢です。

顧客との関係強化を図るのに有用ですし、自社とその商品やサービスの魅力が効率的に伝えられるので、ブランディングもまた効率化します。マーケティングのプロセスは、複雑で全体を把握するのも難しいですが、ツールを活用すれば細部に至るまで理解できます。プロセスの可視化によって営業生産性の向上が図れるので、従来の感覚や経験頼りのやり方からの脱却が実現します。新規顧客の獲得には大きなコストがかかりますが、コストが削減できる省力の収益プロセスの確立も可能となるので、ツールの導入検討をおすすめしない理由はないです。

 

CTIシステムとMAツールの連携

CTIシステムとMAツールは、相性の良さから連携して活用するケースが多いです。前者のCTIシステムは電話やFAXを使ったマーケティングに有用で、コンピュータとの統合により、蓄積された顧客データを活用できるのが強みです。対する後者のMAツールは、顧客に見込み度合いを測りつつ、最適な方法でアプローチが行えるのが魅力です。これらを連携して活用することができれば、相乗的な効果による効率の良いマーケティングが確立します。

CTIシステムとMAツールの連携による効果

CTIシステムはテレアポの主に電話やメールでのアプローチに適していますが、MAツールはメールやメールマガジン、SNSと動画チャネルにも対応します。お互いに得意な領域を押さえながら、お互いをカバーするような連携が図れるので、組み合わせとその活用で期待できる効果は計り知れないです。CTIシステムもMAツールも、これ1つで全てがカバーできるという製品はありませんし、今後もそれはないでしょう。理由は最初から統合されている1パッケージの製品ではないからで、ユーザーが目的に合わせて選んだり組み合わせることが前提だからです。考え方によっては、組み合わせの自由があって、ユーザーに選択肢が提示されているとも捉えられます。いずれにしても、CTIシステムやMAツールで単体で使用するか、連携させるかはユーザーの自由です。

昨今のマーケティングの考え方の主流は、蓄積したデータを幅広く有効的に活用するということです。一方で蓄積されたデータをもう一方で使用したり、一元管理でシステムやツールを問わずに活用できれば、マーケティングはもっと加速するはずです。その加速を能動的に実現するやり方こそが、CTIシステムとMAツールの連携です。

コールセンターにCTIシステムを導入すれば、顧客からの問い合わせがデータに蓄積されますが、それをどう活用するかはアイデア次第です。MAツールがあればマーケティングにCTIシステムで蓄積されたデータが活用できますし、MAツールのデータもCTIシステムを始めとした、他のシステムやツールでも活かせます。CTIシステムは単独でも強力なサポートを提供してくれますが、MAツールは単独だと価値が半減します。真価を引き出すには他のツールなどとの組み合わせが不可欠で、CTIツールはまさに相性が良くて連携に適した選択肢となります。

BX/CRM/SFAと連携して相乗効果を引き出せる

CTIシステム製品の中には、最初からMAツールが組み込まれていたり、連携を大前提に設計されているものが珍しくないです。PBXやCRMにSFAと、相互に連携して相乗効果を引き出せるのがMAツールですから、連携できたりしやすく作られているのも当然です。MAツールの役割はリードの獲得で、電話対応とその分析が主な仕事となります。

CRMが顧客との関係の管理、SFAが営業支援をそれぞれ担いますから、CTIシステムとMAツールを連携すると役割分担が実現します。MAツールを連携させてこそCTIシステムも良さが光るので、システムの導入を検討したり運用を考えるなら、連携を念頭に検討することをおすすめします。連携によって期待が持てるのは、電話対応による商談数の増加と商談の確度向上です。

問い合わせの着信だけでなく、通話内容も分析に活かすことができますし、問い合わせの内容や対応状況から顧客を分析して次に繋げられます。電話以外の顧客のアクションも把握できますから、チャネルを跨ぐマーケティングが実現することになります。従来のテレアポからの脱却を図り、インサイドセールスに軸足を移してマーケティングを本格化したいなら、CTIシステムの導入は必須です。加えてMAツールの導入と連携も行うことで、ようやく本格的なマーケティング・オートメーションが始動します。

顧客の理解がマーケティングの要となりますが、今までの電話のみのやり方には限界があります。CTIシステムの導入は顧客の理解を深める第一歩で、MAツールの連携がこれまで難しかった顧客の理解を助けてくれます。顧客が分かればマーケティングのやり方も見えてきますし、分析して上手くいった理由や失敗した原因も特定できるようになります。強力なツールの使いこなしは決して簡単ではありませんが、使いこなしが今後のマーケティングの道を切り開くことになるのは間違いないでしょう。

 

人手不足解消と人件費の削減

企業は人手不足や人件費のコスト削減の課題に直面していますし、離職率抑制の為に人材の負担軽減も図らなくてはいけないです。人が簡単に集められる時代なら、人手不足の問題は簡単に解消しますが、コスト増は避けられないです。今や人手不足の解決すら容易ではなく、人材を確保しつつコストを削減する必要がある難しい舵取りに迫られている時代です。先が見えない荒波ともいえるこの時代を乗り切るには、時代に合った方法を選択して活用することが不可欠です。

テレアポならインサイドセールスの導入で、CTIシステムの活用が活路を見出してくれるでしょう。MAツールは人手不足解消と人件費の削減に役立つ武器で、CTIシステムとの連携でその価値を引き出すのが望ましいです。確かに導入にはコストがかかりますし、定着させるのには時間を要するかもしれませんが、大胆にマーケティング手法をシフトしなければいけない時代なのは確実です。旧態依然のやり方が行き詰まってお手上げになるのは時間の問題ですから、まだ余裕があるうちに早めに方針転換の検討を始めることが大事です。

売上が営業頼りの企業は、営業が立ち行かなくなれば言うまでもなくそれまでです。営業活動を続けられることこそが大前提で、そこをスタートラインとして次の時代に合わせたやり方の模索が必要です。CTIシステムのみが唯一の正解というわけではないですが、限りなく大正解に近い正解なのは誰もが納得するところでしょう。MAツールも導入を考えない理由はありませんし、これからも営業活動を続けようとおもえば、導入はいずれ必要性が増します。

今はクラウドという導入のハードルを下げてくれる選択肢があるので、コストを理由に検討を先送りにする時代ではないです。

早めの検討と導入の決断が今後の鍵を握りますし、早く導入を決めてマーケティングに活かし始めた企業にこそ、活路や未来があると結論づけられます。

コールセンターをクラウド化するメリットとシステムベンダーの選び方

コールセンターシステムとは

インバウンド・アウトバウンドのコールセンター

コールセンターシステムは名前のように、コールセンターの業務をシステム的に支える仕組みのことです。オペレーターの業務をサポートする目的で作られているので、オペレーターにとって手間がかかる作業が自動化されていたり、効率良く業務に従事できるようになっています。例えばかかってきた電話に合わせて顧客情報がパソコンの画面に表示されるようになっていたり、過去に寄せられた問い合わせの内容が簡単に確認できるなどです。これらはいわゆるカスタマーサポートのように、インバウンドのコールセンターで用いられる機能を持つシステムです。

一方で、電話による営業活動のアウトバウンド向けのコールセンターシステムもあります。営業活動ではいかに効率的に電話をかけるか、スムーズに無駄なく効果的な営業が行えるかが重要となります。その為、自動的に電話をかけるオートコール機能だったり、パソコンの画面を操作するだけで電話がかけられるクリックトゥコール機能を持つコールセンターシステムが多いです。電話を受けるインバウンド業務は、複数のオペレーターが問い合わせ対応を行う必要があるので、手が空いているオペレーターに自動で振り分ける着信呼自動分配装置のACDも定番です。

他にも、問い合わせが殺到してオペレーターの手が回らない時に機能する、自動音声対応機能も広く知られています。自動音声対応機能は問い合わせ内容に合わせて自動で対応したり、必要に合わせて有人オペレーターに繋ぐ仕組みでもあります。コールセンターでは、問い合わせが行われた商品について分かりやすく説明したり、説明の後の購入手続きに応じる必要が出てくるケースも存在します。コールセンター内においては、オペレーターがマネージャーに対応の指示を仰いだり、代わりに対応してもらうような状況も発生します。

このように、やるべき業務や突然発生することがある事態に備えるのに役立つのが、コールセンターシステムというわけです。アウトバウンド業務では過去の問い合わせに合わせて営業活動をしたり、問い合わせそのものに応える業務もあります。問い合わせ内容は、商品の詳細に在庫や価格の確認、資料の請求など実に様々です。こういった問い合わせに全て捌かなくてはいけないのが、アウトバウンドのコールセンターです。

インバウンドと違うのは、受電してそのままオペレーターが対応するのではなく、アウトバウンドでは後日を改めて架電する形となることです。問い合わせが営業時間外だったり、Webフォームやメールからと様々なので、これらに時間差を考慮して対応しなくてはいけないです。だからこそインバウンドとアウトバウンドでは、業務に似たような部分が見られるとしても、コールセンターシステムに求められる機能は大きく異なります。

コールセンター導入による効果

業務の効率化はオペレーターの離職率改善や人件費の削減、顧客の満足度向上に繋がるので軽視できないといえます。コールセンターの予算には限りがあって、採用できる人員に限界があるわけですから、業務効率化に取り組むのは必須で当然です。その1つで大きな効果に期待できるのがまさに、コールセンターシステムというわけです。

コールセンターシステムは、今やなくてはならない仕組みですし、導入していないコールセンターなど考えられない時代です。コールセンターシステムの仕組みは、電話交換機のPBXを始めとして、電話回線とコンピュータを連携させるCTI、顧客データを管理するCRMなどで成り立っています。音声は通話録音装置に記録され、オペレーターは自分に振り分けられた顧客の対応をする形になります。これがインバウンド型の基本的な仕組みで、アウトバウンド型の業務にも応用され活用されています。

顧客情報の画面表示や自動振り分けのACD、そしてコンピュータの音声自動応答のIVRはCTIを代表する機能です。オペレーターの立場になって考えてみると分かりますが、膨大な顧客情報から電話番号を頼りに目的の情報を探す手間がなくなり、極端に忙しかったり反対に暇という不公平も解消します。うっかり通話の録音を忘れることもないどころか、過去の問い合わせを確認することができるので便利という他ないです。CRMは対応記録を残したり、過去の記録を参照する仕組みで、顧客管理や顧客関係管理と呼ばれています。この機能もコールセンターシステムには不可欠ですし、他の機能と連携してこそ本領を発揮します。

近年は、顧客のスマートフォンに直接メッセージを送信する、SMSサービスも活用されています。SMS送信機能を備える製品もあるくらいなので、コールセンターシステムは進化しているといえますし、今後も機能が増えたり使い勝手が更に良くなる可能性を秘めます。人が受電して顧客対応を行うコールセンターやその業務がなくならない限りは、これからも現場や時代のニーズに合わせ変化したり、機能が強化されていくものと予想されます。

 

オンプレミス型とクラウド型

コールセンターシステムは、従来だと社内にサーバーを置いて環境を構築する、オンプレミス型が主流でした。しかし導入のハードルが高い上に、維持管理のコストもかかることから、導入できる企業は限られていました。最近は、かなり導入しやすいと評判のクラウド型が登場して普及し始めています。

社内で顧客情報を管理できたり外部に個人情報が漏洩しにくい点はオンプレミス型に軍配が上がりますが、セキュリティ対策が必要だったり人為的なミスで漏洩するリスクはあります。そう考えると、社内にサーバーを設置してまでコールセンターを構築したり、多大なコストをかけて運用を行う必要があるのか疑問が生じるのは当然です。業務においてなくてはならない、ただコストがネックになりやすいということから、コールセンターシステムはオンプレミスからクラウドにシフトしています。これがコールセンターシステムの現状であって、今後も加速する可能性が高い流れです。AI搭載のチャットボットが登場していますが、人間と遜色のない正確性や柔軟性にはまだ至っていないので、当面は有人オペレーターがコールセンター業務の中心の状況が続くでしょう。

 

コールセンターシステムのクラウド化とは

コールセンターシステムのクラウド化は、社内にサーバーを置いて環境を構築、運営を行うオンプレミスをクラウドに移行することを指します。クラウドとは文字通り、インターネット経由でサービスが提供される仕組みのことで、自社に置いていたサーバーを社外に置くことが大きな違いとなります。実際にはサーバーを置く物理的な場所の変更というよりも、自社サーバーでシステムを稼働するか、社外にあるクラウドサービスのサーバー上でシステムを稼働させるかの違いです。

クラウド化で得られる効果

自社でシステムを開発して、社外のサーバーに環境を構築、コールセンターを運用する方法もクラウド化の一種です。しかし、コールセンターシステムに特化しているクラウドサービスを利用すれば、短期間で業務に必要な機能を持つシステムが構築できます。これはつまりシステムの導入に要する大幅な労力の削減、コールセンターのスピーディーな立ち上げが実現することを意味します。

サーバーのハードウェア部分の管理は、クラウドサービスの管轄ですから、コールセンターを運営する企業は純粋に業務に取り組めるようになります。物理的なサーバーは管理が大変だったり、定期的にメンテナンスをする必要がありますし、手を抜くと故障が発生して業務に支障をきたします。その点、クラウドサーバーは物理的なサーバーを意識する必要がなく、冗長化が行われているのが普通なので、万が一物理的な故障が発生してもサービスの停止に至ることは稀です。

複数のハードウェアで巨大なサーバーが構築されていますし、利用するサービスや規模に合わせて仮想的なサーバーが割り当てられるので、利用する側はサーバーを意識せずに済むわけです。コールセンターシステムのソフトウェアだけでなく、顧客の情報も外部に預ける形となるので、オンプレミス型と比べて個人情報が漏洩するリスクは少し上がります。とはいえ、オンプレミス型も完璧ではありませんし、セキュリティ対策が不十分だと外部からの不正な侵入が発生したり、情報漏洩に繋がることになり得ます。内部の関係者が無断でデータを持ち出すということもないとはいえないので、そうするとオンプレミス型よりもクラウドの方がマシとなります。

クラウドはサービスにもよりますが、複数の地域にハードを分散する形で、サーバーの構築が行われていることが多いです。規模やコスト的に分散が難しいオンプレミス型は、災害に巻き込まれたり火災でデータを消失する恐れがありますが、最初から分散されているクラウドならデータも分散なので安心です。

コールセンターシステムのクラウド化は、システムを提供するベンダーを選び契約を結び、クラウドサーバーで提供されるシステムを利用することになります。インターネット経由での利用なので、オペレーターにはインターネット環境が不可欠です。物理的なハードウェアのサーバー構築を実質的に省略できるので、急なコールセンターの立ち上げが必要でも、クラウドなら対応できる可能性があります。インターネット経由で利用できるサービス同士なら、複数のサービスを連携させるのも容易です。

このような理由から、十分なコストをかけてオンプレミス環境が構築できる企業を除いて、クラウドを選ぶ企業が増えているわけです。金融機関は顧客情報の重要性が非常に高く、情報漏洩が許されないことから、セキュリティの強化が図れるオンプレミス型を選択するところが殆どです。他方、中小企業はオンプレミスサーバーを導入する余裕がないので、クラウド一択という感じで選択が行われています。

 

クラウド化は十分に検討すべき

オーダーメイド設計のコールセンターシステムに対し、クラウドは汎用性の高さと立ち上げの早さに強みを持っているので、柔軟性に関しては譲ります。ただし、クラウドのコールセンターシステムも進化していますし、標準機能が充実するサービスは少なくありませんから、クラウド化は十分に検討に値するはずです。既にコールセンターをオンプレミスで運用している企業にとっても、クラウド化はコスト削減の意味で導入を検討する価値があります。

在宅によるテレワークに力を入れたいのであれば、対応力が高まるクラウド化の検討をおすすめします。物理的にオペレーターを募集する必要がある従来のコールセンターは、必然的に人が集まりやすい都市部に設置が行われがちです。これだと地方の人材が活かせませんし、人手不足が発生した時に必要な人材の確保が難しくなります。コールセンターシステムのクラウド化を進めておけば、人手不足の事態が発生したり深刻化しても、テレワークで地方の人材が活用できます。

昨今は事業継続計画、いわゆるBCP対策の一環としてもコールセンターシステムのクラウド化が注目を集めます。日本は災害大国で毎年のように地震や台風が爪痕を残しますし、世界的には感染症やテロ、戦争のリスクもあります。日本も比較的コントロールできているとはいえ、感染症が再び拡大するリスクは世界の各国同様にありますし、テロや戦争も無縁ではなくなってきています。そう考えると、拠点を外部に置いたり分散してシステムの運用やデータの保存ができるクラウドのコールセンターは、これからの時代に合っているといえるでしょう。

顧客や問い合わせ対応のデータ損失は、コールセンターにとって致命的ですし、失うものは計り知れないです。オンプレミス型は管理もそうですがデータが一箇所に集められる傾向なので、そこが自然災害などの被害に遭うとお手上げとなり、復旧は困難となります。バックアップがあれば復旧の可能性もありますが、バックアップもオリジナルと同じ拠点に置かれていれば、復旧が困難なのは同様です。

オンプレミス型でリスクを分散したりBCP対策をしようとするなら、東京と大阪のように拠点を離して2箇所以上の設置が必要です。一見すると簡単そうですが、オンプレミスサーバーを最低でも2台用意が欠かせませんし、一方がダウンしてももう一方で業務を継続できるようにするなら、同等のサーバーが不可欠です。しかもサーバー同士を結ぶ高速で安定性が高く、セキュリティ的にも優れた通信回線が必要になるので大変です。コールセンターシステムのクラウド化は、オンプレミス型と違って何台もサーバーを用意したり、高速な通信回線も必要がないのが魅力です。

 

クラウド化するメリット

導入コストが抑えられる

コールセンターシステムのクラウド化は、ハードウェアの設計や構築が不要で調達も必要がないことから、導入コストが抑えられるのがメリットです。オンプレミス型は自社にサーバーを設置したり、管理しなくてはいけませんが、クラウド化をするとこれらの手間が省けます。通信回線もサーバー並の高速回線を契約したり用意する必要がなく、インターネットに繋がる環境とパソコンがあれば、個人宅をコールセンターの一部として分散させることも可能です。

導入までに要する期間が短くなる

テレワークに対応するクラウドのコールセンターシステムは、オペレーターを一箇所に集める必要がないので、物理的なコールセンターを用意することすら不要になります。テレワークでオペレーターが分散されれば、自然と事業継続計画のBCP対策になりますし、問い合わせの増減に合わせて柔軟にコールセンターの規模を変えることすら実現します。クラウドなので、契約も導入もオンラインで済みますし、画面上で設定してコールセンターシステムを立ち上げられますから、導入までに要する期間が短くなります。オンプレミス型だと何ヶ月も要するところ、クラウドなら1ヶ月、場合によっては10日ほどで導入が完了します。この早さは圧倒的ですし、規模の変更にも柔軟かつスピーディーに対応しますから、コールセンターシステムをクラウド化する魅力やメリットは明白です。

ハードウェアを含めて管理運用したいならオンプレミス型ですが、管理者を置いたり故障に備える必要があるなど何かとコストがかかります。クラウドは管理者といってもハードウェアの知識がそれほど重要ではなく、ハードウェアの故障はベンダーが対応するので安心です。つまり、手間が省けてコストが抑えられますから、オンプレミス型に拘る必要がないならクラウド化を検討するのが賢いでしょう。

最新状態が保たれる

初めてコールセンターの導入を検討したり、コールセンターシステムの選択に迷っている場合も、クラウド化を前向きに検討する価値があるといえます。クラウド化もメリットばかりではありませんが、しかし総合的に考えるとメリットが豊富で、オンプレミス型よりも魅力的に見える部分が多いのは確かです。オンプレミス型との比較を進めると更にクラウド化のメリットが見えてきますが、ハードウェアの陳腐化が進むオンプレミス型はそれが足かせになりがちです。ハードウェアの新旧でセキュリティ対応が決まったり、セキュリティの寿命を迎えてほぼ強制的に入れ替えというケースが出てきています。平たくいえば、ハードウェアが古くなると最新のセキュリティ対策の対象外になり、ハードウェアを更新せざるを得なくなるわけです。

ハードウェアを意識する必要がないクラウドは、常に最新のハード、そしてセキュリティ対策に対応します。サーバーを更新しなくても最新状態が保たれるわけですから、セキュリティ面だけでなくスペック面も自動的に更新されることになります。勿論、クラウドは一種の仮想サーバーですから、選択したり契約するプラン以上のスペックのサーバーは利用できないです。ただハードウェアは更新の度にスペックが上がっていきますし、同じプランであっても実際は処理速度や通信速度が速くなっているということがあります。最新のハードウェア環境で最新のコールセンターシステムが活用できる、これこそがまさにクラウド化によって得られる恩恵です。

 

人件費が削減できる

ソフトウェアもクラウドサーバー上にあるコールセンターシステムは、ハードウェアと同じく意識的に更新する手間がないです。ソフトウェア的にも最新状態が保たれるので、うっかり更新を忘れてセキュリティ対策が不十分になるといった事態が避けられます。ここまで管理の手間が楽になることから、管理者の負担が減りますし、人員を削減してもコールセンターの運用が成り立つ可能性があります。人件費が削減できるので、企業にとってクラウド化は合理的ですし、もはやオンプレミスサーバーを運用する理由はないでしょう。契約期間や契約内容はベンダーによりますが、最短契約期間が短い場合は、お試ししてから継続するかどうか決められます。オンプレミス型だとそうはいきませんから、お試ししやすい点もまたクラウドに軍配が上がります。

アウトバウンド業務なら、これまでに蓄積してきた顧客情報のデータが活かせますし、コールセンターシステムと連携して効率の良い営業が始められます。こういうインバウンド業務に限られないメリット、柔軟性の高さこそが、クラウド化するメリットだといえるでしょう。無駄を省くことができて合理的、将来性の点でもクラウド化がリードしますから、今後コールセンターを立ち上げるならクラウドが狙い目です。最新のサーバーとコールセンターシステムが定額で、それも導入コストと運用コストと抑えられるのはオンプレミス型には真似できない芸当です。

ハードウェアのサーバー構築1つ取っても、企業が自社で全てをやるのは大変ですし、自社で取り組むにしてもコストが抑えられるかといえば何ともいえないです。クラウド化は、コスト削減が約束されているも同然で、特にオンプレミス型からの移行であればコストの違いに気がつくことになるでしょう。それは導入コストだけではありませんし、運用コストの削減はコールセンターの運用期間が長くなればなるほど大きくなっていきます。オンプレミス型は、いつか入れ替えたり運用を終える時の処分コストも考えなくてはいけませんが、クラウド型はそれすらも不要となります。

サーバーの運用、中でもハードウェアの部分はベンダーの責任が大きいので、導入もそうですが処分コストもベンダーが負担します。処分コストもサービス利用の費用に含まれているといえばそれも間違いではありませんが、多大なコストが発生することなく、意識せずに済むのも本当です。クラウド化は決して夢の仕組みではないので、メリットだけでなくそうでない部分にも目を向けたり、天秤にかけて導入を検討する必要があります。

それでもメリットの大きさは本物ですし、メリットが導入を検討する切っ掛けになったり導入の決め手になることもあると思われます。

 

クラウド化するデメリット

大きな損害が発生する可能性

コールセンターシステムのクラウド化は、ベンダーのサーバーとインターネット回線に依存する形なので、ベンダーがサービスを提供できなくなると、コールセンターの維持も不可能です。ハードウェアの故障でサーバーがダウンしないとも限りませんし、何らかの理由で回線に障害が発生しても、やはりサービスの継続的な提供ができなくなります。こういうトラブルやリスクはオンプレミス型にもありますが、自社で復旧に取り組めるのはクラウド化にはないメリットです。クラウド型のコールセンターシステムがダウンした場合は、ベンダー側での復旧を待つ他ないです。サーバーやシステムがダウンした時の損害については、契約によって支払われたり支払われなかったりします。つまりケースバイケースであって、余程月額費用が高額だったり特別な契約を結ばない限りは、損害の補填は行われないものと考えた方が良いでしょう。これは顧客データの消失も同様ですし、万が一に備えるバックアップが必要なのはオンプレミス型と変わらず、バックアップのコストをケチれば損害が発生しても文句はいえないです。

明らかにベンダーに責任があるなら、裁判で損害賠償を勝ち取れる可能性はないともいえませんが、できる対策があるのにやらなかったと裁判で指摘されればそれまでです。手間がかかることを省略できたり簡略してコストが抑えられるクラウド化ですが、バックアップの必要性は依然として変わらず、かけるべきコストをかけなければ大きな損害が発生し得ます。部分的にはあまりコストが抑えられなかったり、抑えられるにしてもそれほど魅力に感じられない恐れがある、これがクラウド化につきまとうデメリットです。

大部分がベンダー任せとなりますし、顧客データも預けるとなれば、大事なデータもベンダーに握られることになります。コールセンターシステムのカスタマイズもベンダーに依存するので、あまりカスタマイズが重視されていないと、希望する機能が用意されておらず使えないです。セキュリティもベンダーの都合次第ですから、セキュリティに力を入れるベンダーを選ぶならまだしも、そうでなければ神頼みや運任せになってしまいます。

手間がかかる

厳選してベンダーを選ばないといけないのも、手間がかかるという意味でクラウド化のデメリットに数えられます。ハードウェア部分は完全にベンダー任せですから、何かと制約を感じることも少なくないでしょう。

クラウドのコールセンターシステムは、月額料金こそリーズナブルでも、利用するユーザー数によって別料金が発生することがあります。小規模ならオンプレミス型の維持コストより安く抑えられるとしても、規模が大きくユーザー数も増えてコストも増加すれば、差が縮まったり逆転することも考えられます。クラウドは安いという思い込みでクラウド化をしてしまうと、実際にはそれほど差がなかったり逆に高くつくこともあり得るので、予めコストを算出してから検討するべきです。

機能的に標準では安くても、あれこれ追加すると結局は高くなるケースもあります。料金体系の把握は必要不可欠ですし、比較検討にはユーザー数や使いたい機能の条件を揃えて、複数のクラウドコールセンターシステムを比べることが欠かせないです。ただ、料金体系はベンダーによって違いますし、直接的に比較するのが難しいことも珍しくないです。カスタマイズが別料金でしかも要相談、要見積もりとなれば、公開されている料金体系だけを見て比較するのはできないことになります。最低でも公開済みで比較できる料金体系を見比べたり、ある程度候補を絞り込んでから見積もりを出してもらい、その結果を比較することが必要になるでしょう。

複数のシステムを連携する形で使用したい場合は、連携機能を持つコールセンターシステムのリストアップと、比較検討による絞り込みを要します。楽に選べそうなのがクラウドのイメージですが、実際は自ら情報を集めたり費用の試算を行い、見積もりを出してもらうなどして比較しなければいけないです。サーバーの導入や運用に専門的な知識を持つ人材がそれほど必要なくなったり、導入がスムーズにスピーディーに実現するのは確かです。ところが、ベンダーに丸投げというわけにはいかないので、結局のところは相応の手間も準備の時間もかかります。運用コストに納得して導入したり、運用を始めた後はまた別ですが、それでも軌道に乗るまでは決して楽ではないでしょう。

サーバーを自社に置いたり、ハードウェアの管理を自ら行うことは、デメリットばかりではなくメリットもあります。クラウドはサーバーがハードウェアごと他社の敷地内にあるので、自ら出向いて管理することができないです。正常に稼働していてサービスの提供が行われる間は良いですが、一度サーバーがダウンすると業務は止まり、ユーザーにできることは限られてしまいます。契約次第では損害が発生しても補填されず、裁判をして勝利しなければ、損害賠償が勝ち取れないことにもなります。自社でサーバーを管理せず、外部のベンダーに任せるからには、そういうデメリットも含めて正しく理解することが重要です。

 

カスタマイズ性が低い

どこにデメリットを感じるかは企業によりますが、自社設計のコールセンターシステムをオンプレミスで運用している企業は、カスタマイズ性の低さが大きなデメリットとなるでしょう。セキュリティ対策を理由にクラウド化を検討している企業は、セキュリティ的にオンプレミス型と比べて、クラウドにそこまで魅力が感じられないことに気がつくはずです。データを自社内の置いておけないこと、常時インターネット環境に繋がっているサーバー上にデータを置くことになるのが、クラウドのセキュリティ的なネックです。

クラウドでサービスを提供するベンダーは、勿論セキュリティ対策の重要性は理解しているものですが、どこまで取り組みが行われるかはベンダー次第です。ユーザーがセキュリティ対策を強化しようにも、クラウドのコールセンターシステムには限界があります。扱う個人情報が要人に近いもので漏洩が一切許されない場合、クラウド化はメリットよりデメリットの方が上回ってしまうでしょう。オンプレミス型も時代遅れというわけではなく、用途や目的、求められるセキュリティのレベルによっては、クラウドの方が選択肢から外れることになります。

 

システムベンダーを選ぶ際のポイント

システムベンダーの選び方は1つではなく様々ですが、基本となるポイントはあります。

ベンダーをリストアップする

コールセンターシステムの導入でベンダーを選ぶのであれば、言うまでもなくコールセンターに強くて長けているベンダーをリストアップして絞り込むべきです。コールセンターといっても、オペレーターが十数人のケースもあれば数百人規模もあります。システムベンダーも同様に、コールセンターの規模によって得意不得意がありますから、必要とするコールセンターに合わせて、最適と思われるベンダーを選定するのが望ましいです。

導入が早くできるクラウドのコールセンターシステムは、早さの代わりにカスタマイズ性が犠牲になります。これは、後から機能を追加しようにも難しく、選定の段階で必要な機能が揃っているサービスのベンダーを選ぶ必要があることを意味します。カスタマイズに対応する場合であっても、オプションで別料金が発生したり、オプションにない機能の追加に特別料金が請求されることもあるので注意です。

外部サービスとの連携を検討するケースも、そもそも連携機能が弱いコールセンターシステムというのもあるので、希望通りの連携が実現するか否か要確認です。連携機能も別料金というシステムベンダーは珍しくないので、やはり費用を含めてしっかりと確認する必要があるでしょう。単にコールセンターといえばインバウンドを指しますが、アウトバウンドに疎いベンダーもあれば、インバウンドよりアウトバウンドに強いベンダーも存在します。

得意不得意は向き不向きとも言いかえられるので、信頼できて頼りになるパートナーに相応しいベンダーを探し出して任せるべきです。コストはサーバー導入だけを見ればクラウドが安く見えますが、初期費用はそれほどかからないのが普通です。問題はカスタマイズや連携機能を使う場合で、最終的にいくら費用がかかるか試算することが不可欠です。システムベンダーに見積もりを出してもらうのは必須ですし、理想をいえば相見積もりで複数社の比較を行うのが正解でしょう。

問い合わせてからの対応の早さ、対応の丁寧さや正確性も評価基準と考え、1つ1つ逃さずに評価していくことが大事です。加点方式でシステムベンダーを比較したり、絞り込みを行うのであれば、過去に類似の案件を経験しているベンダーか、柔軟な対応力に定評があるかなどがポイントになります。システムベンダーは長く付き合うのが前提ですが、必要な時に連携が取れないと容易に関係性が悪化したり信頼性が損なわれます。そうなると他のシステムベンダー、コールセンターシステムに乗り換えが必要ですから、また選ばなくてはいけなくなり二度手間です。

情報を収集して分析、比較検討を進める

選び方に絶対的な正解はないかもしれませんが、情報を収集して分析、比較検討を進めるのは外せないポイントです。外部からシステムベンダーを評価したり選定するのは難しいですが、働いている人が満足しているかどうかは一種の指標になるでしょう。ユーザーがつけるベンダーの評価も参考にはなりますが、社員が自社につける評価というのも参考にできるはずです。

自分らしく働ける人は不満を覚えませんし、業務に集中できるので良い仕事をしている可能性が高いです。ユーザーの目線からすれば、社員がポテンシャルを発揮して仕事をするベンダーに、コールセンターシステムを任せられることになります。社員が不満だらけの企業は、ミスや手抜きが発生しやすい環境の恐れがあるので、ユーザー的には任せにくく避けたいところです。内部からは企業組織がどう見えているのか、その視点に基づくシステムベンダーの評価を確認することが、絞り込みや選定のヒントになるわけです。

完璧な企業がないのと同様に、誰にとっても非の打ち所がないシステムベンダーもまず見つからないので、完璧に近いベンダーを探すのが現実的です。何を持って完璧とするかは企業によりますが、コールセンターシステムの完成度だったりサポートの手厚さなど様々です。つまり、優先順位を決めて上から順に評価を行い、比較しながらベンダーを篩にかけるのが王道となります。手を抜いて楽に選ぶことはできませんし、そんなことをすれば失敗する恐れが強まって、後悔する結果に至ってもおかしくないです。

 

選定コストも念頭に置く

ベンダー選びも時間と手間、ひいてはコストがかかるものですから、選定コストも念頭に置いてリストアップや選定を始めるべきでしょう。絶対に失敗しない方法はなく、成功しているように見える企業は過去の失敗を活かしているケースも多いので、単純に真似はできないです。そもそも、企業によって最適解は違いますし、最適なベンダーの理想像が違えば探し方も変わってきます。コストをかけて人材確保に力を入れているところは、開発力や対応力が高い可能性があるので、有力な候補として選択肢に加えられます。

若手が多くても離職率が高いベンダーは注意が必要で、担当者が頻繁に変わるようなところも要注意です。働く人に目を向けると組織のあり方が見えてくるので、ベンダーを組織として知りたくなったら、社員に目を向けて情報を集めたり評価を行いましょう。クラウドのサービスはオンラインで問い合わせや契約、運用が行えるのが魅力ですが、可能であれば担当者と対面して人物を把握するのがおすすめです。

担当者との信頼関係はサービスの質を左右することにもなり得るので、担当者を知って信頼関係の構築を把握ことは肝心です。取り扱うサービスを十分に理解しているか、質問に対して分かりやすく、納得できる答えが得られるかどうかも担当者を評価するポイントになるでしょう。問い合わせ窓口が限られていたり、営業時間が短い上に営業時間外に問い合わせできる窓口が用意されていないベンダーは論外です。

営業時間内にも関わらず電話が繋がりにくい、窓口がいくつも分かれていて、他の窓口に問い合わせるようにいわれたらい回しにされるベンダーもNGです。逆に信頼できそうなのは、バグを指摘するとすぐに対応したり、最新の情報に精通していてセキュリティ対策の対応が早いシステムベンダーです。それと基本中の基本ですが、ベンダー自信が強みと弱みを理解していること、強みを伸ばすだけでなく弱みを克服しようとしているかどうかもポイントの1つです。